アーカイブ

ARCHIVE

1996年~2014年の生産統計および業界ハイライト等

1997年より当ウェヴサイトの「最新の業界情報」に載せていた、ネット版ニュースのアーカイブ(資料庫)です。

  • 2014年の業界ハイライト

  • 2014年下半期の業界ハイライト

    ●ダイゾー(本社・大阪市、南宣之社長)が開発を進めていた新2液吐出システム「DVD」(デュアル・バルブ・ディスペンサー)を初めて採用した染毛剤、ホーユー「メンズビゲン グレーヘア」が9月1日に発売された。同システムは、ひとつの容器にパウチ(内袋)をふたつ入れた、いわゆるコ・ディスペンシングシステム。特長は外容器に透明PET容器、パウチは透明樹脂製フィルムを採用したことで、残量が見えることである。外容器の印刷はシュリンク印刷で、容器側面にある同シュリンクの一部が開いており、内部が見えるようになっている。

    ●経済産業省保安室は9月17日、高圧ガス保安法を一部改正し、新フッ素系噴射剤HFO1234zeがエアゾール人体用品に使用できるようになったと発表した。同改正は9月17日付で官報告示され、即日施行された。同噴射剤は米ハネウェル社が開発したもので、燃焼性が極めて低いことから処方開発の幅が広がると業界関係者は歓迎している。

    ●今季の夏物商品は天候不順の影響から伸び悩んだ中、定量噴霧のハエ・カ用殺虫剤が店頭実販(金額)150%で快進撃を見せた。「来季の目玉商品」と位置付ける大手販社筋があり、新規充填量増大への期待が高い。また、デング熱の感染拡大で虫よけスプレーが“バカ売れ”したのも同季の特徴であり、来季の新規充填量増大が確実視されている。

    ●東洋製罐(本社・東京都品川区、中山伊知郎社長)は11月4日、東洋エアゾール工業の次期社長に小林数尚・東洋製罐専務執行役員営業本部副本部長が就任すると発表した。2015年6月に開く株主総会並びに取締役会で、新社長に就任予定である。

    2014年上半期の業界ハイライト

    ●エアゾール産業新聞社の調査によると、混合使用を含め2013年の圧縮ガス系製品は、窒素ガス単体処方品約4,500万缶、炭酸ガス処方品800万缶、酸素・圧縮空気・ヘリウムほか輸入品の亜酸化窒素などが100万缶弱、これに混合処方品を加えると全体で6,000万缶超に達する(前年は6,100万缶前後、ブロワーなど1液を除く)。2連式染毛クリームは減速も、室内芳香消臭剤の伸び、炭酸ガス化粧品の開発ラッシュでほぼ横這い推移だが、長期的には増勢基調にある。

    ●日本ガス機器検査協会は、2013年のカセットこんろ用ボンベの検査実績が1億4,834万9,840缶、前年比2.6%増と発表した。一昨年の検査実績が東日本大震災の特需反動で2ケタ減だっただけに、昨年の検査実績が注目されていたが、「特需と反動を経て、例年のペースに戻った」というのが関係各筋の一致した見方である。

    ●日本エアゾール協会は1月20日、都内のホテルで新年賀詞交歓会を開いた。高柳雄一会長(東洋エアゾール工業社長)は協会活動として、国内では①広報・啓発②地球温暖化防止対策③廃棄処理④VOC問題などの課題解決に引き続き取り組むこと、海外ではAAF(アジア・エアゾール連盟)が加盟6カ国で設立され、一昨年東京の第1回総会、昨年タイの第2回総会に続き、今年4月にオーストラリアで第3回総会が開催されることを報告し、業界関係者に協力を訴えた。

    ●日本エアゾール容器協議会は1月29日、会員各社の生産量報告に基づき集計した結果、平成25年1―12月期の容器が5億97万缶(前年比1.2%減)、バルブが4億9,869万個(前年比5.4%減)と発表した。この数字の中には、純エアゾール製品向けのほか、カセットこんろ用ボンベ、カークーラー用サービス缶、ダストブロワ―など一液製品(ガス物商品)向けも含まれている。

    ●東洋エアゾール工業は、ドイツの化粧品メーカー、ケア・コネクション社と共同出資で、4月に合弁会社「トーヨー&ドイツ・エアゾール社」を設立すると発表した。出資比率は東洋エア51%、独ケア社49%。設立の目的は、東洋エアが開発した新2液吐出機構「デュアル」の生産拠点構築で、独ケア社の子会社ドイツ・エアゾール社に生産一貫ラインを導入、今年10月から「デュアル」の生産を開始する。

    ●ダイゾーは、中国・江蘇省にエアゾール・液体充填の新工場を建設すると発表した。3月4日に100%出資の新会社「張家港大造气霧剤有限公司」を設立、新工場は7月1日に着工、竣工は来年3月末頃で、2016年1月から操業開始を予定している。新工場の建設でダイゾーの生産拠点は、日本の東京・京都両工場、中国2工場、タイ工場の3カ国5拠点になる。

    ●アジア・エアゾール連盟(AAF)第3回総会が4月4日から、オーストラリア・シドニーで開かれた。ホスト国のオーストラリア・エア協の歴史・構成・活動内容の紹介のあと①昨年タイで開かれた第2回総会議事録の確認②継続審議となっている登記国の検討③OIML(国際計量機関)の最新情報④加盟各国のGHSの現状⑤次回開催国の決定⑥会長・副会長国の改選⑦その他(新規加入国の促進など)―の諸議題を審議した。この結果、登記国は香港に決定、会長・副会長国の改選は、会長国にオーストラリア、副会長国に日本が再任された。

    ●日本エアゾール協会(高柳雄一会長)は4月16日理事会を開き、平成25年(1―12月期)のエアゾール生産量を5億974万3,000缶(前年比0.9%減)と発表した。昨年はUVカットスプレー、炭酸ガス配合スキンケア剤の開発ラッシュが続き、新2液吐出機構「デュアル」採用の大型染毛剤、ヘアスプレーの大型新製品が登場するなど活気ある市況展開を見せたが、2連式染毛剤、シェービングフォームなどの大型量販品が日系タイ工場への生産移管・逆輸入に歯止めがかからず、国内生産量の観点からいえば、マイナス要因を埋めきれなかった。

    ●英国エアゾール協会(BAMA)は5月2日、同国2013年生産量は前年比0.1%増の14億6,650万缶になったと発表した。また、独エアゾール協会(IGF)は6月3日、2013年の同国エアゾール生産量が前年比横這いの13億4,200万缶になったと発表している。

    ●全米消費者用特殊製品協会(CSPA)は5月6日からエアゾール部会中間総会を開き、2013年の同国エアゾール生産量を37億6,756万7,496缶(前年比1.3%減)と発表した。米国生産量はリーマンショック後の一時的後退から復調、2010年から3年連続で史上最高記録を更新した。昨年は微減とはいえ史上第3位の高実績で、米国業界の底力を強く印象づけた。また、米国生産量にカナダ1億9,100万缶(前年比11.0%増)、メキシコ4億9,380万缶(前年比26.7%増)を加えた北米の総生産量は、44億5,300万缶(前年比1.8%増)となり史上最高を記録した。

    ●エアゾール産業新聞社の調査によると、2013年の完成品輸入量はこんろ用ボンベなど一液製品を含めて2.1億缶規模に達し、そのうち純エアゾール製品は前年より1,500万缶増えて1億2,800万缶にのぼると観測される。伸びの要因は室内消臭剤、シェーブ剤、染毛剤など大型量販品の日系ローダー・タイ工場への委託生産の本格化。室内消臭剤は大手銘柄の大ロット品の生産シフトで一気に3,500万缶規模に達し、男性用2連式クリームほか一部女性用の生産も開始した染毛剤も年間1,500万缶に倍増、同様にシェーブ剤も大手銘柄のシフトで3割増しの1,000万缶となり、この3分野だけで前年と比べ1,500万缶ほど増えている。ただ、その他品目における輸入量はほぼ横這いに留まり、原則しているカテゴリーも見られる。ブレーキクリーナーは1,600万缶強、塗料も1,000万缶強で横這い。喘息薬500万缶、防錆潤滑剤400万缶、ボディコロン400万缶、天然水・化粧水300万缶、タイや・レザー保護剤200万缶とほぼ前年並み推移。反面、制汗消臭剤は1,700万缶から1,400万缶に減少している。

    ●エアゾール産業新聞社の調査によるエアゾール・ローダー業界の2014年上半期受注状況は、前年同期を3―4%上回って推移したと観測される。UVカットスプレー、スキンケア商品の開発ラッシュが続き、定量噴霧濃縮処方小型商品の新規充填量が急拡大、室内消臭剤、人体用害虫忌避剤が快走している。ヘアスプレー、育毛トニック剤、男性用制汗消臭剤、殺虫剤など春の新製品が粒揃いだったことも上半期好調の要因と見られる。

  • 2013年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2014年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2013年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(高柳雄一会長=東洋エアゾール工業社長)は4月16日(水)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成25(2013)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
    それによると、総生産数量は5億0,974万3000缶で、前年に比して0.9%の減少で、事前の予想を下回る結果となった。 昨年UVカットスプレー、炭酸ガス配合スキンケア剤の開発ラッシュ、新2液吐出機構「デュアル」を使用した泡状染毛剤、ヘアスプレーの大型新製品が登場するなど、活気のある市況展開を見せた。しかし、2連式染毛剤、シェービングフォームの大型量販品の日系タイ工場への生産移管・逆輸入に歯止めがかからず、国内生産量の観点からはマイナス要因を埋めきれなかった。 昨年の完成品輸入は1億2000万缶前後に著増したと観測され、輸入品を含む市場配荷量は6億缶を超えている。主要製品別にみると、殺虫剤3.5%減、塗料3.0%増、室内消臭剤25.4%増、クリーナー0.9%減、ヘアスプレー12.0%増、一般頭髪用品24.3%減、シェービングフォーム27.8%減、医薬品1.2%減、制汗消臭剤14.6%増、防錆潤滑剤15.1%減--である。

    2013年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年
    殺虫剤小計 91,208 81,114 68,001 68,307 69,807 71,235 74,877 76,492 66,589 74,879 68,029 84,166 72,493 69,948
    空間用殺虫剤 51,254 44,670 38,230 40,456 44,033 43,358 46,824 46,424 43,367 48,348 44,193 57,778 47,223 43,653
    その他殺虫剤 39,954 36,444 29,771 27,851 25,774 27,877 28,053 30,068 23,222 25,531 23,836 26,388 25,270 26,295
    塗料小計 56,449 55,685 57,419 54,755 51,927 54,618 52,771 51,247 46,009 41,060 42,265 39,603 39,812 40,988
    家庭用品小計 83,075 64,474 72,043 70,825 69,818 73,304 72,797 68,211 70,828 70,298 72,772 79,138 74,688 85,931
    室内消臭剤 35,159 25,498 32,183 28,112 28,497 31,780 32,623 31,587 35,749 36,030 35,804 39,494 37,461 46,977
    クリーナー 25,431 16,475 18,789 16,722 15,026 18,830 20,719 18,792 19,204 16,169 17,557 18,544 16,229 16,229
    洗濯用品 2,681 2,366 2,223 1,618 1,460 1,505 1,327 1,227 1,167 957 852 718 656 682
    人体用品小計 289,983 301,605 286,027 290,880 289,287 286,530 272,997 283,455 264,318 267,057 266,917 273,720 255,826 245,611
    ヘアスプレー 61,444 56,219 52,957 57,060 63,405 62,882 64,965 67,883 64,830 62,310 61,818 60,108 59,366 66,505
    一般頭髪用品 101,901 97,561 98,046 91,092 80,847 74,632 71,914 70,066 65,682 73,990 93,008 102,240 95,265 72,080
    シェービングクリーム 17,091 16,072 15,401 17,046 19,158 19,716 17,911 17,338 17,644 17,404 15,837 14,372 9,643 6,962
    医薬品 22,951 19,646 18,563 15,876 11,068 15,757 14,151 12,722 14,071 12,390 12,083 12,532 11,213 11,704
    制汗消臭剤 56,050 75,529 65,858 75,124 76,685 75,008 64,487 70,619 62,453 51,121 53,068 49,848 42,648 48,868
    工業用品小計 40,861 38,469 38,403 42,367 42,604 43,579 42,479 43,844 41,494 32,997 37,319 37,429 38,611 36,379
    防錆潤滑剤 19,383 18,019 18,663 22,727 23,667 22,547 23,449 24,245 23,147 19,491 21,639 22,132 23,466 19,913
    自動車用品小計 38,941 37,049 37,493 33,449 32,010 31,755 29,039 26,071 20,494 18,034 17,842 18,529 18,942 19,072
    自動車用くもり止め 3,489 2,871 2,402 2,339 2,054 1,920 1,305 1,230 1,024 739 720 652 535 814
    その他自動車用品 35,452 34,178 35,091 31,110 29,956 29,835 27,734 24,841 19,470 17,295 17,122 17,877 18,407 18,258
    その他(簡易消火具など)小計 12,794 13,385 14,840 16,324 18,417 17,272 21,057 15,751 16,072 14,034 13,827 13,628 13,890 11,814
    全エアゾール総計 613,311 591,781 574,226 576,907 573,870 578,293 566,017 565,081 525,804 518,359 518,971 546,213 514,262 509,743
  • 2013年の業界ハイライト

  • ●混合使用を含め2012年の圧縮ガス系製品は、窒素ガス処方品約4,200万缶、炭酸ガス処方品1,000万缶、これに酸素・ヘリウム・圧縮空気・亜酸化窒素などを加えると、約6,100万缶超に達する(前年は5,900万缶前後)。室内芳香消臭剤や炭酸ガスのスキンケア剤の伸びが牽引、環境対応や自然派志向も要因に長期的には増勢基調にある。

    ●日本ガス機器検査協会は、2012年のカセットこんろ用ボンベの検査実績1億4,458万2018缶、前年比12.2%減と発表した。一昨年の検査実績が東日本大震災の特需で史上最高を記録したため、注目された昨年実績だが、前年に対して2009万2480缶の減少で、特需の反動を軽微にとどめたと言える。

    ●日本エアゾール協会は1月15日、都内のホテルで新年賀詞交歓会を開いた。高柳雄一会長(東洋エアゾール工業社長)は、アジア・エアゾール連盟(AAF)第1回総会の概要、医薬品用向け噴射剤(脱臭LPG、DME)が医薬品添加物企画に収載されたことを報告。また、引き続き広報啓蒙活動・地球温暖化防止対策・廃棄処理対応・VOC関連対応の4点をテーマに活動を継続することを述べ、業界関係者に協力を訴えた。

    ●日本エアゾール容器協議会は1月31日、会員各社の生産量報告に基づき集計した結果、平成24年1―12月期の容器が5億726万7,000缶(前年比7.5%減)、バルブが5億2,719万8,000個(前年比4.1%減)と発表した。この数字の中には、純エアゾール製品向けのほか、カセットこんろ用ボンベ、カークーラー用サービス缶、ダストブロワ―など一液製品(ガス物商品)向けも含まれている。

    ●日本エアゾール協会(高柳雄一会長)は4月24日理事会を開き、平成24年(1―12月期)のエアゾール生産量を5億1,426万2,000缶(前年比5.8%減)と発表した。昨年はUVカットスプレー、泡状洗顔料を中心としたスキンケア製品の開発ラッシュ、定量噴霧濃縮小型商品の相次ぐ投入市販など活気ある市況展開を見せた。しかし、前年の東日本大震災による暑さ・節電対策品の特需反動、大型量販品の海外委託生産・逆輸入への移行などマイナス要因を埋め切れなかった。

    ●英国エアゾール協会(BAMA)は4月30日、同国2012年生産量は前年比5%増の14億6,470万缶になったと発表した。また、独エアゾール協会(IGF)は6月14日、2012年の同国エアゾール生産量が前年比1.0%減の13億4,200万缶になったと発表している。

    ●全米消費者用特殊製品協会(CSPA)は5月6日からエアゾール部会中間総会を開き、2012年の同国エアゾール生産量を38億1,527万6,241缶(前年比0.9%増)と発表した。米国生産量はリーマンショック後の一時的後退から復調、2010年から3年連続で史上最高記録を更新している。昨年の特徴は、室内消臭剤の快走で家庭用品が最大の製品分野に返り咲いたこと。人体用品ではシェービングフォーム好調の反面、制汗消臭剤、ヘアスプレーが減速となった。

    ●アジア・エアゾール連盟(AAF)第2回総会が5月27日タイ・バンコク市で開催された。主な議題は①昨年東京で開催された第1回総会議事録の確認②継続審議となっている登記国の検討③エアゾール製品の秤量法ならびにその表記方法の確認④次回開催国の決定⑤その他(新規加入国の促進など)。また次回開催国はオーストラリアに決まった。

    ●エアゾール産業新聞社の調査によると、2012年の完成品輸入量はこんろ用ボンベなど一液製品を含めて2億缶に達し、そのうち純エアゾール製品は前年比3割増の1億1,500万缶にのぼることがわかった。大幅増の要因となったのは室内消臭剤、シェーブ剤、染毛剤の3分野。室内消臭剤は大手銘柄の大ロット品の生産シフトで一気に3,000万缶。同様にシェーブ剤も大手銘柄のシフトで倍増の1,000万缶。2連式クリーム染毛剤も800万缶に倍増した。その他エアゾール製品の品目別では、制汗消臭剤が1,700万缶で微増、ブレーキクリーナー1,600万缶、塗料1,000万缶も横ばい。喘息薬400万缶、防錆潤滑剤400万缶、天然水・化粧水300万缶とほぼ前年並みと観測される。一方、一液製品は前年の震災特需の反動でこんろ用ボンベが約2割減の8,000万缶、その他ライターボンベ230万缶、ブロワ―200万缶、自転車用空気入れ150万缶と観測される。

    ●エアゾール産業新聞社の調査によるエアゾール・ローダー業界の2013年上半期受注状況は、前年比4―5%下回って推移したと観測される。UVカットスプレーの新規充填量が急拡大し、快調な男性用制汗消臭剤、炭酸ガス配合スキンケア商品の開発ラッシュなど好材料は多いが、国内生産量の観点から言えば、室内消臭剤、2連式染毛剤、シェービングフォームなどの大型量販品が海外委託生産・逆輸入に移行したマイナス要因を埋めるのは容易ではなく、減速を余儀なくされている。

    ●欧州エアゾール連盟(FEA)は8月21日、2012年の欧州エアゾール生産量が54億2,886万6,000缶(前年比1.9%減)と発表した。欧州生産量は07年まで8年連続で史上最高記録を更新したが、08、09はリーマンショック後の世界同時不況の影響から減速推移に。しかし10年に初めて55億缶を突破、翌11年も微増ながら記録を更新、12年は微減となるも史上第3位の実績となっている。

    ●東洋エアゾール工業がかねて開発を進めていた新2液吐出システム「デュアル」を初めて採用した染毛剤、ダリヤ「サロンドプロ ザ・クリームヘアカラー」が9月11日に発売された。同システムは缶径50φのアルミDI缶を外容器とし、内容器としてバッグオンバルブ様にバルブに2つのアルミ製パウチを垂下した。内容量は各50グラムで噴射剤は窒素。バルブやハウジングが2つある“ツーステム”タイプである。

    ●ダイゾー(南宣之社長)は9月25日、欧州の大手ローダー、コレップ社(本社ポルトガル、ビトー・ネベスCEO)と生産・技術提携した。ダイゾーはオーストラリアの大手ローダーであるパックス社および、インドの大手ローダーであるアジアン・エアゾール社の3社で、環太平洋戦略「ワン・エイジア」ネットワークを展開しているが、今回のコレップ社との提携により世界に例のないローダーによるグローバルネットワークが構築されることとなった。

    ●欧州エアゾール連盟(FEA)主催の第28回国際エアゾール会議および第17回国際エアゾール展示会が9月24―26日の3日間、スペイン・マドリード市で盛大に開催された。同展示会には、世界の有力ローダー・資材・機械メーカーなど約100社が出展。日本からは東洋エアゾール工業、ダイゾー、三谷バルブ、住友化学の4社が出展した。

    ●エアゾール産業新聞社の調査によると、2013年のポンプは前年比4―5%増の5億8,500万本と推定される。話題のノンシリコンシャンプー向け需要が伸びに貢献。美麗さが武器のミニトリガーはなおも着実増の傾向を示している。

  • 2012年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2013年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2013年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(高柳雄一会長=東洋エアゾール工業社長)は4月24日(水)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成24(2012)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。  それによると、総生産数量は5億1,426万2000缶で、前年に比して5.8%の減少で、事前の予想通りの結果となった。昨年UVカットスプレー、泡状洗顔剤を中心としたスキンケア商品の開発ラッシュ、定量噴霧濃縮小型品の相次ぐ投入市販など活気ある展開をみせたが、前年の東日本大震災による節電特需の反動、大型量販品の海外委託生産・逆輸入への移行などマイナス要因を埋めきれなかった。 とりわけ、室内消臭剤や2連式染毛剤、シェービングフォームの大型量販品が日系タイ工場に生産移管した影響は大きく、昨年の完成品輸入は1億1000万缶前後に著増したと観測され、輸入品を含む市場配荷量は6億缶を超えている。主要製品別にみると、殺虫剤13.9%減、塗料0.5%増、室内消臭剤5.1%減、クリーナー12.5%減、ヘアスプレー1.2%減、一般頭髪用品6.8%減、シェービングフォーム32.9%減、医薬品10.5%減、制汗消臭剤14.4%減、防錆潤滑剤6.0%増--である。

    2012年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年
    殺虫剤小計 91,208 81,114 68,001 68,307 69,807 71,235 74,877 76,492 66,589 74,879 68,029 84,166 72,493
    空間用殺虫剤 51,254 44,670 38,230 40,456 44,033 43,358 46,824 46,424 43,367 48,348 44,193 57,778 47,223
    その他殺虫剤 39,954 36,444 29,771 27,851 25,774 27,877 28,053 30,068 23,222 25,531 23,836 26,388 25,270
    塗料小計 56,449 55,685 57,419 54,755 51,927 54,618 52,771 51,247 46,009 41,060 42,265 39,603 39,812
    家庭用品小計 83,075 64,474 72,043 70,825 69,818 73,304 72,797 68,211 70,828 70,298 72,772 79,138 74,688
    室内消臭剤 35,159 25,498 32,183 28,112 28,497 31,780 32,623 31,587 35,749 36,030 35,804 39,494 37,461
    クリーナー 25,431 16,475 18,789 16,722 15,026 18,830 20,719 18,792 19,204 16,169 17,557 18,544 16,229
    洗濯用品 2,681 2,366 2,223 1,618 1,460 1,505 1,327 1,227 1,167 957 852 718 656
    人体用品小計 289,983 301,605 286,027 290,880 289,287 286,530 272,997 283,455 264,318 267,057 266,917 273,720 255,826
    ヘアスプレー 61,444 56,219 52,957 57,060 63,405 62,882 64,965 67,883 64,830 62,310 61,818 60,108 59,366
    一般頭髪用品 101,901 97,561 98,046 91,092 80,847 74,632 71,914 70,066 65,682 73,990 93,008 102,240 95,265
    シェービングクリーム 17,091 16,072 15,401 17,046 19,158 19,716 17,911 17,338 17,644 17,404 15,837 14,372 9,643
    医薬品 22,951 19,646 18,563 15,876 11,068 15,757 14,151 12,722 14,071 12,390 12,083 12,532 11,213
    制汗消臭剤 56,050 75,529 65,858 75,124 76,685 75,008 64,487 70,619 62,453 51,121 53,068 49,848 42,648
    工業用品小計 40,861 38,469 38,403 42,367 42,604 43,579 42,479 43,844 41,494 32,997 37,319 37,429 38,611
    防錆潤滑剤 19,383 18,019 18,663 22,727 23,667 22,547 23,449 24,245 23,147 19,491 21,639 22,132 23,466
    自動車用品小計 38,941 37,049 37,493 33,449 32,010 31,755 29,039 26,071 20,494 18,034 17,842 18,529 18,942
    自動車用くもり止め 3,489 2,871 2,402 2,339 2,054 1,920 1,305 1,230 1,024 739 720 652 535
    その他自動車用品 35,452 34,178 35,091 31,110 29,956 29,835 27,734 24,841 19,470 17,295 17,122 17,877 18,407
    その他(簡易消火具など)小計 12,794 13,385 14,840 16,324 18,417 17,272 21,057 15,751 16,072 14,034 13,827 13,628 13,890
    全エアゾール総計 613,311 591,781 574,226 576,907 573,870 578,293 566,017 565,081 525,804 518,359 518,971 546,213 514,262
  • 2012年の下半期業界ハイライト

  • ●エアゾール産業新聞社の調査によると、6月中旬から7月上旬の天候不順で心配された夏物商品の今夏商戦だが、7月中旬からの猛暑到来で店頭実販が急回復。小売店頭の商品の捌けを調査しているSRIデータでは、6月中旬から7月上旬の殺虫剤の店頭実販は前年同期比70-80%と急ブレーキがかかったが、7月第3週から急速に回復、7月末までに前年同期比95%で推移。近年の新需要創出型商品であるワンプッシュ型定量噴霧ハエ・カ用殺虫剤は前年比125%と好調、ハチ用が150%と異例の伸びを見せた。日焼け対策のUVカットスプレーの受注も好調だった。

    ●2012年エアゾール業界における収穫とされるのがスキンケア商品。UVカットスプレー、洗顔フォーム、泡状パック剤、化粧水、泡状ファンデーション(化粧下地剤)などで、量販店のプライベートブランド(PB)を含む新製品は50銘柄を優に超え、国内新規充填量にして1,300万缶前後、輸入品を含めた市場規模は1,600-1,700万缶に急拡大したと観測される。特に、UVカットスプレーは、背中など手の届きにくい場所にも簡単・均一に塗布できる利便性から市場の支持が高い。また、炭酸ガス配合の泡状マッサージ洗顔料も、炭酸ガスによる血行促進効果で2011年来開発ラッシュが続いている。

    ●本紙調査によれば、業界新機構技術としての定量噴霧の濃縮小型品の開発潮流は続き、2012年も殺虫剤ではコバエ用への用途拡大、PET容器採用品などが登場。既存の室内消臭剤を含め、新規充填量は1,600万缶前後に拡大したと観測される。

    ● 欧州エアゾール連盟(FEA)は9月13日、2011年の欧州エアゾール生産量が55億3,493万1,000缶(前年比0.3%増)と発表した。加盟19カ国の報告集計のうち、13ヵ国が前年比で上昇。欧州生産量は07年まで8年連続で市場最高記録を更新したが、08、09年はリーマンショック後の世界同時不況の影響から漸減。しかし、持ち直した2010年は55億缶を突破、昨年も微増ながら記録を更新、再び成長に向けた歩調を強めている。

    ●東洋エアゾール工業(高柳雄一社長)は10月2日-5日の4日間、東京ビッグサイトで開催された東京国際包装展(東京パック)に同社の展示小間を出展、かねて開発してきた新2液吐出システム「デュアル」について2013年8月からの生産開始を発表した。同システムは、ひとつの缶にパウチ(内袋)をふたつ入れたコ・ディスペンシングシステムで、ワンプッシュで同時にふたつの中身を吐出できるのが特徴。同社によると、同社三重工場に充填1ラインを導入、来年5月の試運転を経て8月より生産を開始する予定という。

    ●エアゾールバルブメーカーの最大手、三谷バルブ(水口隆夫社長)の創業者である水口隆一取締役会長が10月27日、急性心不全のため急逝した。享年92歳。同氏は大正9年富山県生まれ。昭和31年に三谷バルブを開設。翌32年に代表取締役社長に就任し、平成9年に長男の水口隆夫氏に社長を譲るまでの40年間、同社社長を務め社業発展に尽力。今日の業界の礎を築いた先駆者の一人として、業界発展にも多大に貢献した。

    ● エアゾール産業新聞社の調査によると、2012年のポンプ製販量は前年比3-4%減の5億7,300万本前後と推定される。依然としてミニトリガーが着実増にある一方、強まる詰替パウチ志向や輸入品の台頭で1-3ccディスペンサーが低調。フィンガーポンプは震災特需の反動が影響、伸びが続いていた泡ポンプも減速と軒並み減少推移となっている。

    ●有力ローダーの日本瓦斯(和田眞治社長)の後藤正雄・元代表取締役会長が12月4日、心不全のため逝去された。享年77歳。同氏は昭和10年兵庫県生まれ。関東学院大学卒業後、日本瓦斯入社。昭和49年取締役、平成11年副社長を経て同12年社長就任。同21年に代表取締役会長に就任し、今年6月に相談役に就任するまでの13年間、同社の代表取締役として社業発展に多大に貢献した。また同氏は、同社エアゾール事業を担当する開発営業部の育ての親として業界でも活躍、同社を有力ローダーに育てた。

  • 2011年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2012年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2012年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(村上修会長=東洋エアゾール工業社長)は4月21日(木)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成22(2010)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
    それによると、総生産数量は5億1,897万1千缶で、前年に比して0.1%の増加で、事前の予想通りの結果となった。昨年は春先から2連式染毛剤のブレークが続き、猛暑で制汗消臭剤の店頭実販好調で追加生産があり、工業用品がリーマンショック後の一時的減少から回復歩調をつよめ、全体市場をした下支えした。主要製品別にみると、殺虫剤9.1%減、塗料2.9%増、室内消臭剤0.6%減、クリーナー8.6%増、ヘアスプレー0.8%減、一般頭髪用品25.7%増、シェービングフォーム9.0%減、医薬品2.5%減、制汗消臭剤3.8%増、防錆潤滑剤11.0%増--である。

    2011年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年
    殺虫剤小計 91,208 81,114 68,001 68,307 69,807 71,235 74,877 76,492 66,589 74,879 68,029 84,166
    空間用殺虫剤 51,254 44,670 38,230 40,456 44,033 43,358 46,824 46,424 43,367 48,348 44,193 57,778
    その他殺虫剤 39,954 36,444 29,771 27,851 25,774 27,877 28,053 30,068 23,222 25,531 23,836 26,388
    塗料小計 56,449 55,685 57,419 54,755 51,927 54,618 52,771 51,247 46,009 41,060 42,265 39,603
    家庭用品小計 83,075 64,474 72,043 70,825 69,818 73,304 72,797 68,211 70,828 70,298 72,772 79,138
    室内消臭剤 35,159 25,498 32,183 28,112 28,497 31,780 32,623 31,587 35,749 36,030 35,804 39,494
    クリーナー 25,431 16,475 18,789 16,722 15,026 18,830 20,719 18,792 19,204 16,169 17,557 18,544
    洗濯用品 2,681 2,366 2,223 1,618 1,460 1,505 1,327 1,227 1,167 957 852 718
    人体用品小計 289,983 301,605 286,027 290,880 289,287 286,530 272,997 283,455 264,318 267,057 266,917 273,720
    ヘアスプレー 61,444 56,219 52,957 57,060 63,405 62,882 64,965 67,883 64,830 62,310 61,818 60,108
    一般頭髪用品 101,901 97,561 98,046 91,092 80,847 74,632 71,914 70,066 65,682 73,990 93,008 102,240
    シェービングクリーム 17,091 16,072 15,401 17,046 19,158 19,716 17,911 17,338 17,644 17,404 15,837 14,372
    医薬品 22,951 19,646 18,563 15,876 11,068 15,757 14,151 12,722 14,071 12,390 12,083 12,532
    制汗消臭剤 56,050 75,529 65,858 75,124 76,685 75,008 64,487 70,619 62,453 51,121 53,068 49,848
    工業用品小計 40,861 38,469 38,403 42,367 42,604 43,579 42,479 43,844 41,494 32,997 37,319 37,429
    防錆潤滑剤 19,383 18,019 18,663 22,727 23,667 22,547 23,449 24,245 23,147 19,491 21,639 22,132
    自動車用品小計 38,941 37,049 37,493 33,449 32,010 31,755 29,039 26,071 20,494 18,034 17,842 18,529
    自動車用くもり止め 3,489 2,871 2,402 2,339 2,054 1,920 1,305 1,230 1,024 739 720 652
    その他自動車用品 35,452 34,178 35,091 31,110 29,956 29,835 27,734 24,841 19,470 17,295 17,122 17,877
    その他(簡易消火具など)小計 12,794 13,385 14,840 16,324 18,417 17,272 21,057 15,751 16,072 14,034 13,827 13,628
    全エアゾール総計 613,311 591,781 574,226 576,907 573,870 578,293 566,017 565,081 525,804 518,359 518,971 546,213
  • 2011年下半期の業界ハイライト

  • ●本紙調査によれば、3月の東日本大震災による節電・暑さ対策から夏物商品の業界受注が急増、7月末までの小売SRI調査による殺虫剤商戦は前年比105%、中でも近年の新需要創出型商品である定量噴霧ハエ・カ用殺虫剤は前年比153%と好調。熱中症対策として開発ラッシュとなった瞬間冷却スプレーは「7月末現在で店頭実販3倍増」(最大手の白元)と指摘されている。虫よけスプレー、日焼け対策のUVカットスプレーの受注も好調だった。

    ●本紙提携の米国業界専門誌スプレーテクノロジー&マーケティングによれば、世界有力の化学メーカー、ハネウェルが、同社新開発の低地球温暖化係数ガス、HFO-1234zeに関し、米ルイジアナ州に本格生産設備を建設することとなったと報じている。これまでの試験的工場(パイロットプラント)が持つ生産能力の数倍とされ、高額とされるキロあたり価格が手頃になるのではないかとも期待されている。

    ● 欧州エアゾール連盟(FEA)は8月31日、2010年の欧州エアゾール生産量が55億1696万缶(前年比6・4%増)と発表した。加盟19カ国の報告集計のうち、16カ国が前年比で上昇。08年秋のリーマンショックに端を発する世界同時不況の影響で08-09年にかけ2年連続の減少となった欧州市場が3年ぶりに好転、回復基調に入ったことを意味している。

    ●関西の有力ローダー、日進化学(高田寛社長)9月15日、本紙記者の取材に答え、かねて建設を進めている一般充填品(ノンガス)の新工場について2012年4月に稼働することを明らかにした。建設予定地は、和歌山県が造成を進める「紀北橋本エコヒルズ」の一区画で、敷地面積は約5190坪。得意先の新事業立ち上げによる需要増に対応するもので、高速充填4ラインを導入(うち2ラインは和歌山工場から移設)、うち3ラインはシャンプー・リンスなどの詰替パウチ専用ラインで、残り1ラインがボトル用。 5㌧の調合釜を2基導入、投資額は土地代含め20億円。初年度2000万本の生産を計画している。

    ●ダイゾー(南宣之社長)は10月1日付で組織改編および人事異動を発令し、タイダイゾー・エアゾール(TDA)社長に首田行雄・理事、ダイゾー研究開発部長に大和田亮一・理事が就任すると発表した。

    ●エア・ウォーターの関連会社、エア・ウォーター防災が開発し、エア・ウォーター・ゾルが充填する「わさび臭の火災警報装置」が、2011年のイグノーベル賞を受賞した。火災報知機が作動すると室内にわさび臭が拡散されるもので、聴覚障害者向けに開発されたもの。同賞事務局からは「非常にユニークだが、しかも実用的だ」との評価を受けた。

    ●有力バルブメーカー、丸一の創業者である北林誠一相談役が10月24日、肺炎により死去した。享年91歳。同氏は大正10年宮崎県生まれ、東京物理学校(現東京理科大学)卒業後、昭和26年に故須崎国衛氏とともに東京スプレー研究所を設立、その後昭和38年に丸一製作所(現丸一)を創業した。平成10年に長男の辰哉氏に社長を譲るまで35年にわたり社長を務め、社業および業界の発展に貢献した。平成8年には数多くの関連特許取得を評価され黄綬褒章を受賞している。

    ●10月下旬に東南アジア・タイ国を襲った洪水は業界関連の日系企業にも被害を及ぼし、有力バルブメーカー、三谷バルブの同国法人ミタニ・タイランド社(工場はバンコク郊外のナワナコン工業団地)および東洋製罐子会社のプラスチック部材製販会社が浸水、一時操業停止に追い込まれた。両者とも他の工業団地で仮工場を借用するなどして被害を最小限に食い止めつつ、復旧を目指している。

    ●有力ローダーのエア・ウォーター・ゾル(川合弘社長)は11月、園芸用品やペット用品の液体充填品の受託充填専門会社、セイショー(東大阪市)の株式を85%取得し、子会社化したと発表した。7月1日付。セイショーは資本金1千万円、従業員数40名で、年商7億円。本社工場ほか第二工場も有する。代表取締役社長には安井純造氏がそのまま継続就任、同会長に川合弘氏、同取締役に篠原幸雄・エア・ウォーター・ゾル常務が就任した。

    ●中国・中山市で11月、アジア6カ国のエアゾール協会の代表者が一同に集まり、かねて検討されてきたアジア・エアゾール連盟(AAF)の設立が決まった。現在世界70億人の人口のうち41億人を占めるアジアのエアゾール産業の潜在成長力を引き出すための組織で、初代会長国はオーストラリア、副会長国は日本で、任期は3年。第一回総会は2012年5月に東京で開催される。

    ● エアゾール産業新聞社の調査によると、2011年のポンプは前年並みの6億本弱と推定される。東日本大震災やタイ洪水などで一時供給がストップするも、直後からの節電・暑さ対策の瞬間冷却剤やお風呂用洗浄剤のヒットでトリガーポンンプが大きく伸び、ディスペンサーポンプ等の落ち込みをカバーした。

  • 2011年上半期の業界ハイライト

  • ●混合使用を含め2010年の圧縮ガス系製品は、窒素ガス処方品約3,600万缶、炭酸ガス処方品1,100万缶、これに酸素・ヘリウム・圧縮空気・亜酸化窒素などを加えると、ほぼ前年並みの約5,200万缶超と見られる。2連式染毛クリーム、室内芳香消臭剤の伸びが牽引し、インフルエンザ特需の反動を軽微に抑えた。環境対応や自然派志向も追い風に長期的には増勢基調にある。

    ●日本消防検定協会は1月中旬、2010年のエアゾール簡易消火具の鑑定実績を40万3,038缶(前年比1.7%増)と発表した。近年は低位安定の状況が続いており、業界関係者の話によれば、改正消防法により一般家庭にも設置が義務付けられた住宅警報器特需の半面、消火具への販売啓蒙が進んでいないとしている。ただTV通販が火をつけた前回のヒットからおよそ7年が経過、すでに3年の品質保証期限が過ぎ、買い替え需要の顕在化が期待されている。

    ●日本ガス機器検査協会は、2010年のカセットこんろ用ボンベの検査実績1億3,523万缶、前年比7.3%減と発表した。減少の背景は、市場最大手の岩谷産業と一部充填業者との取引停止にともなう先行生産の反動と見られ、不況による「内食志向」や鍋ブームなどに支えられた実需に大きな変動はないと観測される。

    ●日本エアゾール協会は1月19日、都内のホテルで新年賀詞交歓会を開き、村上修会長(東洋エアゾール工業社長)は、平成23年の業界の重要課題に、廃棄処理問題への取り組み強化策として中身排出機構(ガス抜きキャップ)の普及拡大、消費者への広報・普及活動の推進、公益法人制度改革への対応を挙げ、今年こそ生産量の減少傾向に歯止めをかけ市況浮上を克ち取りたいと強調した。

    ●日本エアゾール容器協議会は2月4日、会員各社の生産量報告に基づき集計した結果、平成22年1-12月期の容器が5億1,653缶(前年比2.0%減)、バルブが5億5,000万8,000個(前年比2.7%減)と発表した。この数字の中には、純エアゾール製品向けのほか、カセットこんろ用ボンベ、カークラー用サービス缶、ダストブロワーなど一液製品(ガス物商品)向けも含まれている。

    ●エアゾール製品処理対策協議会(関係13団体、村上修会長)は2月18日、かねて協議してきた「中身排出機構」の名称を「ガス抜きキャップ」に統一変更していくことを決めた。中央適困協(全都清)などから中身排出機構では分かりづらいと変更の要望を受けていたためで、4月1日より実施し、2年間の猶予期間を設け、平成25年3月31日で完了する。

    ●3月11日に発生した東日本大震災により、エアゾール業界でもローダーの充填工場および缶・バルブ・噴射剤、ポンプ業界の各工場が被災、一時的な生産停止などに見舞われた。更には一部大手原料メーカーの製造拠点が津波の被害をこうむったことでポリエチレンンなど重要な原料の供給がストップし、ガソリン不足による物流の混乱も生じた。一方、救援物資としてカセットこんろ用ボンベの需要が急増した。

    ●有力ローダー、小池化学は3月18日に臨時株主総会を開き、石丸博也氏の新社長就任を決めた。2月に小池清次・前社長が急逝したことによるもので、石丸氏は小池化学の関係会社である小池酸素工業の元千葉支店長(61歳)。

    ●日本エアゾール協会(村上修会長)は4月21日理事会を開き、平成22年(1-12月期)のエアゾール生産量を5億1,897万9,000缶(前年比0.1%増)と発表した。昨年は殺虫剤や室内消臭剤が不振だった半面、2連式泡状染毛剤がブレーク的にヒットし、猛暑から制汗消臭剤に追加生産が発生、工業用品もリーマンショック後の景気後退から回復した。キッチンクリーナーでの新規品登場も寄与した。

    ●大手ローダー、エア・ウォーター・ゾルの会長で親会社エア・ウォーターの副社長である見野忠嗣氏が4月26日、肺がんのために逝去した。享年72歳。同氏は、近畿エアゾル工業、柏化学工業、東京エアゾル化学、キョーワ工業の充填4社が統合したエア・ウォーター・ゾルの育ての親である。

    ●エアゾール産業新聞社の調査によると、2010年の完成品輸入量はこんろボンベなど一液製品を含めて1・5億缶に達し、そのうち輸入によるエアゾール製品は約8,200万缶にのぼることが分かった。品目別ではブレーキクリーナー、制汗消臭剤を2大輸入品として、塗料や室内消臭剤、喘息薬、ボディコロン、シェービング剤、防錆潤滑剤などが増えている。地域別では中国およびタイからの輸入が増加する傾向にある。

    ●全米消費者用特殊製品協会(CSPA)は5月3日からエアゾール部会中間総会を開き、2010年の同国エアゾール生産量を37億4,514万2625缶(前年比5.0%増)と発表した。人体用品、家庭用品、食品等が好調で、リーマンショック後の一時的市況悪化から再び成長の歩みを強める結果となった。

    ●独エアゾール協会(IGF)は5月10日、2010年の同国エアゾール生産量が前年比5.6%増の13億4,900万缶になったと発表した。一方、英国エアゾール協会(BAMA)が先に発表した同国の2010年エアゾール生産量は前年比3.4%増の12億7,500万缶。07年に英国を抜き世界第2位に躍り出たドイツが引き続き、世界2位の座を確保した。4位には、11億7,224万缶の中国が位置している。

    ●日本エアゾル・ヘアーラッカー工業組合(加盟8社)は5月27日、第50回通常総会を開き、新理事長に田中秀典・日本美容化学社長の就任を決議した。前理事長の古谷二郎・ニューヘヤー化粧料本舗前社長の逝去に伴うもの。ニューヘヤー化粧料本舗の社長には実息の古谷龍太郎氏が就任している。

    ●エアゾールローダーの最大手、東洋エアゾール工業(東京都千代田区、村上修社長)は6月20日の定時株主総会および取締役会で、高柳雄一専務の社長昇格を決めた。村上修・前社長は相談役に就任した。

    ●本紙調査によるエアゾール・ローダー業界の2011年上半期受注状況は、前年に新規受注した2連式泡状染毛剤の受注が引き続き好調で、3月の東日本大震災発生に端を発した電力不足懸念による節電対策から、猛暑対策商材としての瞬間冷却剤の受注急増、殺虫剤や室内消臭剤の(仮需的な)好調受注などが寄与し、前年同期に比べて4-5%の増で推移したと観測される。需要の先食い要素もあって夏場以降の継続受注には予断を許さないが、久しぶりの快走推移に市況浮上への期待を強めている。

  • 2010年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2011年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2011年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(村上修会長=東洋エアゾール工業社長)は4月21日(木)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成22(2010)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。  それによると、総生産数量は5億1,897万1千缶で、前年に比して0.1%の増加で、事前の予想通りの結果となった。昨年は春先から2連式染毛剤のブレークが続き、猛暑で制汗消臭剤の店頭実販好調で追加生産があり、工業用品がリーマンショック後の一時的減少から回復歩調をつよめ、全体市場をした下支えした。主要製品別にみると、殺虫剤9.1%減、塗料2.9%増、室内消臭剤0.6%減、クリーナー8.6%増、ヘアスプレー0.8%減、一般頭髪用品25.7%増、シェービングフォーム9.0%減、医薬品2.5%減、制汗消臭剤3.8%増、防錆潤滑剤11.0%増--である。

    2010年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年
    殺虫剤小計 91,208 81,114 68,001 68,307 69,807 71,235 74,877 76,492 66,589 74,879 68,029
    空間用殺虫剤 51,254 44,670 38,230 40,456 44,033 43,358 46,824 46,424 43,367 48,348 44,193
    その他殺虫剤 39,954 36,444 29,771 27,851 25,774 27,877 28,053 30,068 23,222 25,531 23,836
    塗料小計 56,449 55,685 57,419 54,755 51,927 54,618 52,771 51,247 46,009 41,060 42,265
    家庭用品小計 83,075 64,474 72,043 70,825 69,818 73,304 72,797 68,211 70,828 70,298 72,772
    室内消臭剤 35,159 25,498 32,183 28,112 28,497 31,780 32,623 31,587 35,749 36,030 35,804
    クリーナー 25,431 16,475 18,789 16,722 15,026 18,830 20,719 18,792 19,204 16,169 17,557
    洗濯用品 2,681 2,366 2,223 1,618 1,460 1,505 1,327 1,227 1,167 957 852
    人体用品小計 289,983 301,605 286,027 290,880 289,287 286,530 272,997 283,455 264,318 267,057 266,917
    ヘアスプレー 61,444 56,219 52,957 57,060 63,405 62,882 64,965 67,883 64,830 62,310 61,818
    一般頭髪用品 101,901 97,561 98,046 91,092 80,847 74,632 71,914 70,066 65,682 73,990 93,008
    シェービングクリーム 17,091 16,072 15,401 17,046 19,158 19,716 17,911 17,338 17,644 17,404 15,837
    医薬品 22,951 19,646 18,563 15,876 11,068 15,757 14,151 12,722 14,071 12,390 12,083
    制汗消臭剤 56,050 75,529 65,858 75,124 76,685 75,008 64,487 70,619 62,453 51,121 53,068
    工業用品小計 40,861 38,469 38,403 42,367 42,604 43,579 42,479 43,844 41,494 32,997 37,319
    防錆潤滑剤 19,383 18,019 18,663 22,727 23,667 22,547 23,449 24,245 23,147 19,491 21,639
    自動車用品小計 38,941 37,049 37,493 33,449 32,010 31,755 29,039 26,071 20,494 18,034 17,842
    自動車用くもり止め 3,489 2,871 2,402 2,339 2,054 1,920 1,305 1,230 1,024 739 720
    その他自動車用品 35,452 34,178 35,091 31,110 29,956 29,835 27,734 24,841 19,470 17,295 17,122
    その他(簡易消火具など)小計 12,794 13,385 14,840 16,324 18,417 17,272 21,057 15,751 16,072 14,034 13,827
    全エアゾール総計 613,311 591,781 574,226 576,907 573,870 578,293 566,017 565,081 525,804 518,359 518,971
  • 2010年下半期の業界ハイライト

  • ●ダイゾー(南宣之社長)は8月1日、同社エアゾール事業部長に目加多聡取締役タイ・ダイゾー・エアゾール社長を昇格させる人事を発表した。目加多氏は10月の同社株主総会で常務取締役に就任する。吉井勝常務は取締役エアゾール本部営業部長に就任する。

    ●エアゾール産業新聞社の調査によると、2009年の完成品輸入量はこんろボンベなど一液製品を含めて1・3億缶に達し、そのうち輸入によるエアゾール製品は約7,200万缶にのぼることが分かった。品目別ではブレーキクリーナー、制汗消臭剤を2大輸入品として、塗料や室内消臭剤、喘息薬、ボディコロン、防錆潤滑剤などが増えてている。地域別では中国およびタイからの輸入が増加する傾向にある。

    ●エアゾールバルブメーカーの最大手、三谷バルブ(東京都千代田区、水口隆夫社長)は8月31日、かねて建設を進めていた中国・蘇州のポンプ専用工場が完成、稼動を始めたことを明らかにした。同工場は中国・蘇州市の蘇州工業円区にあり、建屋は2階立て、延床面積は約6千平方メートル。、法人名は「三谷精密蘇州有限工司」。三谷バルブの100%子会社で、董事長は水口隆夫・三谷バルブ社長。現地向けポンプにおける中国の生産拠点を目指すもので、当面は組立て2ライン体制で対応する。

    ●本紙調査によれば、例年にない猛暑による需要喚起効果で、殺虫剤や制汗消臭剤などエアゾール夏物商品の売れゆきが一気に好転したと観測されている。春先の低温で2010年の夏物商材の売れ行きは当初前年割れも指摘されていたが、6月以降の高温・好天、7月以降の猛暑・残暑効果で巻き返した。大型商材である殺虫剤・制汗消臭剤ともに追加生産が発生し、UVカットスプレーなどのニッチ商品の需要増にも繋がっている。厳しい情勢が続く中、来季の新規充填量増加を期待する声が強まっている。

    ● 欧州エアゾール連盟(FEA)は9月10日、2009年の欧州エアゾール生産量が51億8532万缶(前年比3・8%増)と発表した。加盟19カ国の報告集計で、07年までは8年連続で過去最高を更新する好調な市況を続けてきたが、08年秋のリーマンショックに端を発する世界同時不況の影響で08年につづき2年連続の減少となった。

    ● 欧州エアゾール連盟(FEA)主催の第27回国際エアゾール会議および第17回国際エアゾール展示会が9月中旬、伊ローマ市で盛大に開かれ、日本からも本紙記者を含む欧州業界視察団(17名)が参加した。3年に一度開催される同大会の展示会場は、52億缶近い市場規模に達する欧州エアゾール市場のエネルギーに満ちあふれて盛大かつ華やかで、一方、東洋エアゾール工業、ダイゾー、三谷バルブ、住友化学の日本企業4社、そのほか中国・韓国らからも多くの企業が出展し、アジア勢の台頭も垣間見られた。大会後、欧州視察団はイタリアの有力ローダーやフランスのバルブメーカーの工場を視察し、情報収集のうえ無事に帰国した。

    ●ダイゾー(南宣之社長)の目加多聡・エアゾール事業部長は10月6日記者会見し、インドの有力ローダー、アジアン・エアゾール・OAN(本社ムンバイ)との業務提携を発表した。インドの潜在的な成長力に注目する欧米グローバルマーケッターの要望に呼応するのが狙いで、ダイゾーは当面、国際基準に準じた技術および安全品質管理の指導にあたる模様。アジアン・エアゾール社はエアゾール・液体製品併せて年間3千万本を生産するインドの有力ローダーで、2011年4月稼動をめどに最新鋭のエアゾール・液体充填工場建設も予定している。ダイゾーは近い将来の資本参加も示唆している。

    ●2009年秋から開発ラッシュとなった2連式染毛剤は2010年に入っても勢いが衰えず、泡・クリーム合計した2010年の新規充填量は約4500万缶(本紙推定)に達する模様である。エアゾールタイプのため自分で混ぜる手間がいらず、簡便ワンプッシュ、残った中身の取り置きもできる利便性が受けている。半面、今後は一部商材の日系タイ工場への海外委託生産・輸入の動きの加速も噂される。

    ●関西の有力ローダー、日進化学(高田寛社長)11月9日、本紙記者の取材に答え、和歌山県橋本市に一般充填品(ノンガス)の新工場建設を計画していることを明らかにした。建設予定地は、和歌山県が造成を進める「紀北橋本エコヒルズ」の一区画で、敷地面積は約5190坪。得意先の新事業立ち上げによる需要増に対応するもので、省力合理化ラインを導入し、コスト競争力を高めることが目的。初期投資は11億円、2012年4月頃の稼動を計画している。

    ●米ハネウェル社が開発したエアゾール用の新しいフッ素系噴射剤、HFO-1234zeは、米EPA(環境保護局)の代替品プログラムの一つとして新たに登録されたことが明らかになった。関係者の話によれば、この登録によって米国では同ガスがエアゾール人体用品へ採用される可能性が出てきたと指摘されている。

    ● エアゾール産業新聞社の調査によると、2010年のポンプは5億9,400本(前年は6億1,800本)に達したと推定される。前年のインフルンエンザ対策用アルコール液特需の反動が大きく影響したものの、男性用整髪料向けにフィンガーポンプが大型採用され、泡ポンプも着実増を得た。一方、化粧品向けのワンドロップポンプは3年連続で減少した。

  • 2010年上半期の業界ハイライト

  • ●混合使用を含め2009年の圧縮ガス系製品は、窒素ガス処方品約3,300万缶、炭酸ガス処方品1,100万缶、これに酸素・ヘリウム・圧縮空気・輸入の亜酸化窒素などを加えると、ほぼ前年並みの約5,000万缶と見られる。インフルエンザ特需による窒素処方のアルコール消毒剤がプラス材料で前年比微増推移となった。近年は環境対応や自然派志向を背景に長期的には増勢基調にある。

    ●日本消防検定協会は1月中旬、09年のエアゾール簡易消火具の鑑定実績を39万6,300缶(前年比20%減)と発表した。業界関係者の話によれば、改正消防法により一般家庭にも設置が義務付けられた住宅警報器特需の半面、消火具への販売啓蒙が進まなかったとしている。ただTV通販が火をつけた前回のヒットからおよそ6年が経過、すでに3年の品質保証期限が過ぎ、買い替え需要の顕在化が期待されている。

    ●日本ガス機器検査協会は、09年のカセットこんろ用ボンベの検査実績を史上最高の1億4,658万缶、前年比3.6%増と発表した。不況による「内食志向」や鍋ブームを背景に実需が堅調、最大手マーケッター岩谷産業と充填会社・日本瓦斯との取引停止にともなう先行生産(仮儒)も指摘されている。

    ●日本エアゾール協会は1月20日、都内のホテルで新年賀詞交歓会を開き、村上修会長(東洋エアゾール工業社長)は、平成22年の業界の重要課題に、廃棄処理問題への取り組み強化策としての自治体向け処理機譲与や中身排出機構の装着徹底および広報・普及活動を指摘。また、今年こそ市況浮上を克ち取るべく、09年秋の泡状染毛剤のヒットが示したエアゾール剤型の優位性をさらに認識してもらえるよう努力していくことが重要だと強調した。

    ●エアゾールバルブメーカーの最大手、三谷バルブ(東京都千代田区、水口隆夫社長)は1月27日、中国・蘇州にポンプ専用の新工場を建設すると発表した。同社の東莞工場のポンプ生産設備を移設・集約し、現地向けポンプにおける中国の生産拠点を目指す。

    ●日本エアゾール容器協議会は2月5日、会員各社の生産量報告に基づき集計した結果、平成21年1-12月期の容器が5億2,698万缶(前年比2.2%減)、バルブが5億6,550万5,000個(前年比0.1%増)と発表した。この数字の中には、純エアゾール製品向けのほか、カセットこんろ用ボンベ、カークラー用サービス缶、ダストブロワーなど一液製品(ガス物商品)向けも含まれている。

    ●世界的化学品メーカーの米ハネウェルが開発したエアゾール用の新しいフッ素系噴射剤「HFOー1234ze」を採用した商品が3月、国内に初登場した。大手殺虫剤メーカー、フマキラーの新商品「凍殺ジェット」で、殺虫成分を用いず、HFOー1234zeにDMEを添加した処方により、虫を凍らせて退治する。HFOー1234zeは地球温暖化係数が6と低く、HFC-134aおよび同152aの有力な代替品として今後の展開が期待されている。

    ●フッソ化学品などの世界的メーカーである英イネオスが自社のフッソ化学品事業をメキシコ企業に売却したことにより、イネオス社の日本法人であるイネオスケミカル(東京都品川区)は4月1日、社名を「メキシケムジャパン」に改称した。東京本社やHFC134aを生産する三原製造所は従来のまま、フッソ化学品の国内販売事業も継続する。代表取締役には英イネオス出身のデビッド・プライス氏および岡本富士夫氏の両名が就任した。

    ●日本エアゾール協会(村上修会長)は4月22日理事会を開き、平成21年(1-12月期)のエアゾール生産量を5億1,835万9,000缶(前年比1.4%減)と発表した。08年来の景気後退に伴う塗料、自動車・工業用品の不振、制汗消臭剤の落ち込みが影響する一方、泡状染毛剤が大ヒットし、新型インフルエンザ対策用の消毒剤特需も下支えした。さらには効力持続型の濃縮定量殺虫剤、UVカットスプレーなども収穫となった。

    ●全米消費者用特殊製品協会(CSPA)は5月5日からエアゾール部会中間総会を開き、09年の同国エアゾール生産量を35億6,812万9037缶(前年比2.1%減)と発表した。世界同時不況の影響の出方が注目されたが、2.1%の微減にとどめる大善戦で、米業界の底力の強さを印象づけた。人体用品、塗料、食品が好調で市況を下支えした。

    ●独エアゾール協会(IGF)は6月14日、09年の同国エアゾール生産量が前年比11%減の12億7,800万缶になっと発表した。一方、英国エアゾール協会(BAMA)が先に発表した同国の09年エアゾール生産量は前年比0.6%減の12億3,320万缶。07年に英国を抜き世界第2位に躍り出たドイツが引き続き、世界2位の座を確保した。4位には、11億2,600万缶の中国が浮上している。

    ●経産省発表による平成21年度の中身排出機構装着率は、全体で97.0%。20年度の94.8%を上回った。関連団体向けにかねて調査していたもので、塗料や人体用品への装着率が高く、自動車用品が低い結果となった。

    ●本紙調査によるエアゾール・ローダー業界の2010年上半期受注状況は、前年に新規受注した2連式泡状染毛剤の受注が引き続き好調で、P&Gやレキットベンキーザーなど海外メーカーの参入も話題となった室内消臭剤市場の活況、シェービング剤の大型改良熱も好材料で、トータルで前年同期比2%内の微増推移となった模様である。男性用化粧品、UV関連商材、化粧くずれ防止剤などのスキンケア商品も好調に推移した。

  • 2009年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2010年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2010年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(村上修会長=東洋エアゾール工業社長)は4月22日(木)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成21(2009)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。  それによると、総生産数量は5億1,835万9千缶で、前年に比して1.4%の減少で、厳しい経済環境が続くなか、事前の予想を上回り善戦した。昨年は春先から定量噴霧の濃縮小型商品、圧縮ガス採用殺虫忌避剤、UVカットスプレー、機能性を持たせた頭髪用品、秋口からは泡状殺虫剤の開発投入ラッシュ、新型インフルエンザ特需など、新商品投入は粒ぞろいで投入ロットも大きかったが。しかし、一昨年秋以来の深刻な不況の影響から、塗料、自動車・工業用品、の不振が続き、制汗消臭剤の新規充填量の落ち込みが予想を上回り、そのマイナスを埋めきれなかった。主要製品別にみると、殺虫剤12.4%増、塗料10.8%減、室内消臭剤0.8%増、クリーナー15.8%減、ヘアスプレー3.9%減、一般頭髪用品12.6%増、シェービングフォーム1.4%減、医薬品11.9%減、制汗消臭剤18.1%増、防錆潤滑剤15.8%減--である。

    2009年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年
    殺虫剤小計 91,208 81,114 68,001 68,307 69,807 71,235 74,877 76,492 66,589 74,879
    空間用殺虫剤 51,254 44,670 38,230 40,456 44,033 43,358 46,824 46,424 43,367 48,348
    その他殺虫剤 39,954 36,444 29,771 27,851 25,774 27,877 28,053 30,068 23,222 25,531
    塗料小計 56,449 55,685 57,419 54,755 51,927 54,618 52,771 51,247 46,009 41,060
    家庭用品小計 83,075 64,474 72,043 70,825 69,818 73,304 72,797 68,211 70,828 70,298
    室内消臭剤 35,159 25,498 32,183 28,112 28,497 31,780 32,623 31,587 35,749 36,030
    クリーナー 25,431 16,475 18,789 16,722 15,026 18,830 20,719 18,792 19,204 16,169
    洗濯用品 2,681 2,366 2,223 1,618 1,460 1,505 1,327 1,227 1,167 957
    人体用品小計 289,983 301,605 286,027 290,880 289,287 286,530 272,997 283,455 264,318 267,057
    ヘアスプレー 61,444 56,219 52,957 57,060 63,405 62,882 64,965 67,883 64,830 62,310
    一般頭髪用品 101,901 97,561 98,046 91,092 80,847 74,632 71,914 70,066 65,682 73,990
    シェービングクリーム 17,091 16,072 15,401 17,046 19,158 19,716 17,911 17,338 17,644 17,404
    医薬品 22,951 19,646 18,563 15,876 11,068 15,757 14,151 12,722 14,071 12,390
    制汗消臭剤 56,050 75,529 65,858 75,124 76,685 75,008 64,487 70,619 62,453 51,121
    工業用品小計 40,861 38,469 38,403 42,367 42,604 43,579 42,479 43,844 41,494 32,997
    防錆潤滑剤 19,383 18,019 18,663 22,727 23,667 22,547 23,449 24,245 23,147 19,491
    自動車用品小計 38,941 37,049 37,493 33,449 32,010 31,755 29,039 26,071 20,494 18,034
    自動車用くもり止め 3,489 2,871 2,402 2,339 2,054 1,920 1,305 1,230 1,024 739
    その他自動車用品 35,452 34,178 35,091 31,110 29,956 29,835 27,734 24,841 19,470 17,295
    その他(簡易消火具など)小計 12,794 13,385 14,840 16,324 18,417 17,272 21,057 15,751 16,072 14,034
    全エアゾール総計 613,311 591,781 574,226 576,907 573,870 578,293 566,017 565,081 525,804 518,359
  • 2009年の業界ハイライト

  • ●混合使用を含め08年の圧縮ガス系製品は、窒素ガス処方品約2,900万缶、炭酸ガス処方品1,100万缶、これに酸素・ヘリウム・圧縮空気・亜酸化窒素などを加えると、ほぼ前年並みの約4,700万缶と見られる。前年比ほぼ横這いだが、近年は環境対応や自然派志向を背景に長期的には増勢基調にある。窒素ガスでは2連式染毛剤(クリームタイプ)、天然水・化粧水や水性タイプの室内消臭剤が堅調に推移し、炭酸ガスでは育毛トニック剤が牽引している。

    ●日本消防検定協会は1月中旬、08年のエアゾール簡易消火具の鑑定実績を49万8,368缶(前年比8%減)と発表した。業界関係者の話によれば、一般景況の悪化から買い控えが進んでいる模様。ただTV通販が火をつけた前回のヒットからおよそ6年が経過、すでに3年の品質保証期限が過ぎ、買い替え需要の顕在化が期待されている。

    ●日本ガス機器検査協会は、08年のカセットこんろ用ボンベの検査実績を1億4,069万2,530缶、前年比12.1%増と発表した。不況による「内食志向」や鍋ブームを背景に実需が堅調、原料ブタンの乱高下による思惑絡みの先行生産(仮儒)も指摘されている。

    ●日本エアゾール協会は1月21日、都内のホテルで新年賀詞交歓会を開き、木内秀人会長(現東洋エアゾール工業相談役)は、平成21年の業界の重要課題として、廃棄処理問題への取り組み強化策としての自治体向け処理機譲与、中身排出機構の装着徹底および広報・普及活動の推進、地球温暖化防止に向けたHFCガスの使用削減、改正消安法対応を指摘。また、今年こそ市況浮上を克ち取るべく、原点に返って剤型特性を再確認していくことが重要だと強調した。

    ●日本エアゾール容器協議会は2月5日、会員各社の生産量報告に基づき集計した結果、平成20年1-12月期の容器が5億3,904万缶(前年比5.0%減)、バルブが5億6,506万3,000個(前年比2.1%減)と発表した。この数字の中には、純エアゾール製品向けのほか、カセットこんろ用ボンベ、カークラー用サービス缶、ダストブロワーなど一液製品(ガス物商品)向けも含まれている。

    ●エアゾールローダーの最大手、東洋エアゾール工業(東京都千代田区、村上修社長)は2月10日、同社100%出資のタイ現地法人トーヨー・フィリング・インターナショナル(略称TFI、高柳雄一社長)の工場建設を祝賀する竣工記念セレモニーを開いた。GMP準拠の世界トップ水準のエアゾール充填工場で、日本品質を武器に同社のグローバルビジネスの橋頭保を目指す。

    ●エアゾール製品処理対策協議会(木内秀人会長)は2月26日会合を開き、エアゾール缶の廃棄処理問題で焦点となっていた処理機の譲与台数・費用総額を決めた。負担総額は約4500万円で、うち処理機譲与費用は2368万円、広報費用は2100万円。負担額は、関連ブランドメーカー(9団体)が70%、エア協および容器協が各6・7%、ガス石油機器工業会が16・3%となった。この決定により、業界の廃棄処理対策は一つの節目を迎えた。

    ●日本エアゾール協会(木内秀人会長)は4月23日理事会を開き、平成20年(1-12月期)のエアゾール生産量を5億2,580万4,000缶(前年比7.0%減)と発表した。制汗消臭剤の一部銘柄の海外委託生産化、薬事法改正に絡む殺虫剤の版替えの遅れによる生産のズレ込みに加え、リーマンショック以降の景気後退が自動車・工業用品市場を直撃した。一方、効力持続型の濃縮定量殺虫剤の台頭、ヘアスプレーや室内消臭剤の堅調受注などが収穫だった。

    ●全米消費者用特殊製品協会(CSPA)は5月6日からエアゾール部会中間総会を開き、08年の同国エアゾール生産量を36億4,324万4534缶(前年比0.3%減)と発表した。3年連続の微減となったが、それでも史上5位の生産量を確保。米業界の底力の強さと活況の持続を印象づけるものである。人体用品が好調で下支えした。

    ●独エアゾール協会(IGF)は6月9日、同国07年の同国エアゾール生産量が前年比5.6%増の14億3600万缶になっと発表した。一方、英国エアゾール協会(BAMA)が6月24日発表した同国の08年エアゾール生産量は前年比1.5%減の12億4070万缶。07年に英国を抜き世界第2位に躍り出たドイツが第3位の英国をさらに引き離したことが明らかになった。

    ●経産省発表による平成20年度の中身排出機構装着率は、全体で95.8%。19年度の70.7%wを大きく上回った。関連団体向けにかねて調査していたもので、塗料や人体用品への装着率が高く、自動車用品が低い結果となった。

    ●大手ローダー、ダイゾー(大阪市港区)は9月24日の決算役員会において、東郷重興社長が退任し、南宣之副社長(43歳)が新社長に昇格することを決めた。10月21日開催の株主総会後に正式就任。9年にわたって経営を指揮してきた東郷氏は顧問に就任、南氏は平成12年以来の再登板となる。また、吉井勝・エアゾール事業部長は留任し、副事業部長に現タイダイゾー社長の目加多聡氏が就任した。

    ●エアゾール・ローダー業界に広がった新型インフルエンザ特需は、およそ液充品だけで3000万本に迫り、エアゾール商品でも300万本の新規充填量に達していることが本紙調査で判明した。液充専門業者に比べて危険物の取り扱いノウハウに優れ、設備能力が高いことなどから受注が殺到したと見られる。吉野工業所や三谷バルブ、椿本興業、キャニヨンなどのポンプメーカーも増産対応に追われ、07年秋のリーマンショック以降の厳しい市場環境の中、久々の明るい話題となった。

    ●政府は、地球温暖化対策の一環として、環境負荷を二酸化炭素排出量に換算し製品表示する、いわゆる「見える化」を推進しているが、エアゾール製品にも適用する方向で審議が進んでいる。業界ではまず、ダストブロワーへの二酸化炭素排出量を換算表示(ただし換算するのは内容物のガスのみ)する。今後は、内容物から容器まで、原料調達にまで遡っての製造過程から廃棄過程すべての工程における排出量をまとめて換算表示する「カーボンフットプリント」の採用も進んでいくと観測されている。

    ●世界的化学品メーカーの米ハネウェルが開発したエアゾール用の新しいフッ素系噴射剤「HFOー1234ze」が化審法を通過し、近く輸入品として業界向けに供給されることが明らかになった。地球温暖化係数が6と低い同ガスは、HFC-134aおよび同152aの有力な代替品と見られており、大手有力ローダーではすでにサンプルを入手して用途開拓に向けて研究開発を進めている。

    ●ローダー各社が兼業する液充事業は近年、ブランドメーカー筋のアウトソーシング熱の高まりや急沸騰したインフル特需等の影響を追い風に、その生産量が着実な増加傾向にある。設備投資も活発で、本紙推定によるローダー業界の液充品受注量は09年で2億4千万本規模に達したと見込まれる。

    ●東洋製罐は10月26日、かねて滋賀県近江市に建設していた滋賀工場の竣工式を開いた。新工場は、東洋製罐が進める生産拠点の集約統合および再構築戦略の一環により、高槻工場からエアゾール缶の製造拠点を移管する目的で建設された。最新鋭の8色印刷機などを完備したエアゾール専門工場となる(現在1ライン)。投資総額は約100億円。高槻工場から1ライン移設追加後の年産予定量は1億2千万缶。

    ●ダリヤ、ホーユー、花王ら、大手化粧品筋がこぞって参戦し、開発ラッシュとなった泡状染毛剤は、新規充填量にしておよそ1500万缶に達したと観測されている。07年に登場した花王のスクイズフォーマーのヒットにより開発の火ぶたが切られ、泡の使い勝手、2連式の経済性が評価され、一気に開発ラッシュとなった。

  • 2008年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2009年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2009年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(木内秀人会長=東洋エアゾール工業会長)は4月23日理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成20年(2007年)1-12月期の生産数量の発表を行った。それによると、総生産量は5億2,580万4000缶、前年に比して7.0%の減少であった。制汗消臭剤の一部銘柄の海外生産シフト、薬事法改正にともなう版替えで殺虫剤生産のずれ込みなど特殊要因があり事前の予想を上回る減少率となった。昨年は、春先から効力持続型の濃縮定量ハエ蚊用殺虫剤、室内芳香剤がヒット。秋口にヘアスプレーなどで大型有力品が登場したが、リーマンショック以降顕著となった一般消費の冷え込みから、塗料や自動車・工業用品が不振だった。主要製品別に見ると、殺虫剤12.9減、塗料10.2%減、室内消臭剤13.2%増、ヘアスプレー4.5%減、一般頭髪用品6.3%減、シェービングフォーム1.8%増、医薬品10.6%増、制汗消臭剤11.6%減、防錆潤滑剤4.5%減――である。

    2008年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年
    殺虫剤小計 91,208 81,114 68,001 68,307 69,807 71,235 74,877 76,492 66,589
    空間用殺虫剤 51,254 44,670 38,230 40,456 44,033 43,358 46,824 46,424 43,367
    その他殺虫剤 39,954 36,444 29,771 27,851 25,774 27,877 28,053 30,068 23,222
    塗料小計 56,449 55,685 57,419 54,755 51,927 54,618 52,771 51,247 46,009
    家庭用品小計 83,075 64,474 72,043 70,825 69,818 73,304 72,797 68,211 70,828
    室内消臭剤 35,159 25,498 32,183 28,112 28,497 31,780 32,623 31,587 35,749
    クリーナー 25,431 16,475 18,789 16,722 15,026 18,830 20,719 18,792 19,204
    洗濯用品 2,681 2,366 2,223 1,618 1,460 1,505 1,327 1,227 1,167
    人体用品小計 289,983 301,605 286,027 290,880 289,287 286,530 272,997 283,455 264,318
    ヘアスプレー 61,444 56,219 52,957 57,060 63,405 62,882 64,965 67,883 64,830
    一般頭髪用品 101,901 97,561 98,046 91,092 80,847 74,632 71,914 70,066 65,682
    シェービングクリーム 17,091 16,072 15,401 17,046 19,158 19,716 17,911 17,338 17,644
    医薬品 22,951 19,646 18,563 15,876 11,068 15,757 14,151 12,722 14,071
    制汗消臭剤 56,050 75,529 65,858 75,124 76,685 75,008 64,487 70,619 62,453
    工業用品小計 40,861 38,469 38,403 42,367 42,604 43,579 42,479 43,844 41,494
    防錆潤滑剤 19,383 18,019 18,663 22,727 23,667 22,547 23,449 24,245 23,147
    自動車用品小計 38,941 37,049 37,493 33,449 32,010 31,755 29,039 26,071 20,494
    自動車用くもり止め 3,489 2,871 2,402 2,339 2,054 1,920 1,305 1,230 1,024
    その他自動車用品 35,452 34,178 35,091 31,110 29,956 29,835 27,734 24,841 19,470
    その他(簡易消火具など)小計 12,794 13,385 14,840 16,324 18,417 17,272 21,057 15,751 16,072
    全エアゾール総計 613,311 591,781 574,226 576,907 573,870 578,293 566,017 565,081 525,804
  • 2008年下半期の業界ハイライト

  • ●序盤の天候不順でハケの悪かった小売店頭では、猛暑到来を受けて、ようやく夏物商品が動きはじめている。有力製品分野である制汗消臭剤、殺虫剤は梅雨明けからの猛暑入り直後から販売実績を上げ始め、巻き返しに向かいつつある。加えて、近年はユニークな商材が話題となっており、熱中症対策の冷却スプレーの需要が急増、日焼け止め剤でも手の届きにくい背中にも簡単にスプレーできるためエアゾール化が相次いでいる。

    ●大手ローダー、ダイゾーは8月1日付けで、エアゾール事業部に営業本部・生産本部の本部制を導入、営業本部長に吉井勝・常務、生産本部長に宇野和男・理事が就いた。

    ●カセットこんろ用ボンベの充填各社は、異例の年内2次値上げに動きだした。2月に製品あたり10-15円の値上げを打ち出し6月ごろ決着しばかりだが、その後も騰勢を強める輸入LPG価格を受けたもの。ただし、一部の充填会社では値上げを見送っており、交渉の成り行きが注目される。

    ●大手ローダー各社は、原油高に端をはっした諸資材高騰による工場運営費などのエネルギーコスト、その他の諸経費の上昇により、充填加工代(ユーティリティー費)の値上げ是正に動き出した。市場の反発も予想されるが、不退転の覚悟で望んでいる模様。

    ●政府は、地球温暖化対策の一環として、環境負荷を二酸化炭素排出量に換算して製品に表示させて消費者に提供する、いわゆる「見える化」を推進しているが、エアゾール製品にも適用する方向で審議が進んでいる。まずは、ダストブロワーに二酸化炭素排出量を換算表示することが決定された。ただし、内容物から容器まで、原料調達にまで遡っての製造過程から廃棄過程すべての工程における排出量をまとめて換算表示する「カーボンフットプリント」とは異なり、ダストブロワーの場合は内容物のガスのみ換算表示する。あくまで企業の自主的な取り組みとなる模様。

    ●ローダー業界の液充兼業志向がいっそう強まりを見せている。ブランドメーカー側のアウトソーシング熱の高まりとローダーの多角経営戦略が合致したことによるもの。東洋エアゾール工業、日進化学、花精化学工業、プレスコなど年間数千万本を生産できるローダーを中心に、業界全体の受注規模は2億本に迫りつつある。

    ●経済産業省は8月、原材料高騰によるコストアップを十分に添加できない下請け事業者への「買いたたき」防止する狙いで、日本エアゾール協会など事業者団体に対し「買いたたきの具体的内容の明示について」と題する大臣通達書を通知した。過去一年間単価引き上げに応じないなど、具体的内容が例として明示されたことで、下請業者が相談しやすくなる。同省中小企業庁では「下請かけこみ寺」を設置、不公正な取引を相談するよう呼びかけている。

    ●有力ローダー各社が日本化粧品工業連合会が導入する「新化粧品GMP」への対応を本格化させている。新化粧品GMPは、従来のGMP基準にはなかった、アセアンGMPとの国際的整合性を目的に企業の輸出活動に支障にきたさない狙いで導入されたもので、内部監査と従業員教育、文書化・データ管理化の徹底などが盛り込んである。

    ●今年、国内に輸入されてきたエアゾール製品のトータル量は5300万缶前後、こんろ用ボンベなど一液製品を加えると1億600万缶前後に達していることがエアゾール産業新聞社の調査で明らかになった。エアゾール製品は制汗消臭剤の一時国産化の消失や男性用コロンの減速から昨年より800万缶前後減っているが、ブレーキクリーナーなど自動車・工業用品を軸に浸透。特に、中国・韓国からの輸入量が増勢で、同地域からは一液製品併せて8000万缶超が日本に輸入されている。

    ●世界的化学メーカー、米ハネウェル社の日本法人、ハネウェル・ジャパンは10月、米ハネウェル社が新たにフッ素系噴射剤「HFO-1234ze」を新開発したことを明らかにした。発泡ウレタンに用いるHFC-134aの代替需要を見込んで開発され、オゾン破壊係数0、地球温暖化係数6。米国基準では不燃性。日本向けに供給するために必要な化審法への申請・登録準備を急いでいる。

    ●脱臭LPGを供給する三愛オブリガスの親会社である三愛石油は10月、茨城県東茨城郡茨城町にエアゾール用LPGの専用脱臭工場を建設することを発表した。川崎市にある現有工場の老朽化による設備更新が背景にあり、需要家であるローダーの工場が多く点在する茨城に新工場を設けることで、シェア拡大を狙う。

    ●東洋製罐は11月、同社が来年滋賀県近江市に建設する予定の「滋賀工場」(=仮称、敷地面積3万6000坪弱。総投資額は約100億円)に、エアゾール・ブリキ缶の高速溶接製缶1ラインを設置することを明らかにした。同社では、ブリキ缶のネッカーとシーマーを同じ機械の中で行うコンビネーションマシンを備えた最新鋭機としている。また、同社では07年11月より、旧東京工場跡地に新オフィスビルを建設、11年より本社機能を移す。子会社である東洋エアゾール工業らも移転すると見込まれる。

    ●エアゾール産業新聞社の調査によると、ポンプ市場はトリガータイプや泡タイプの伸張により、08年は5億6,500本(前年は5億6,000本)に達したと推定される。トリガーポンプはミニタイプが好調で、整髪料など化粧品からカビ取り剤など家庭用品まで深く浸透。泡ポンプは染毛剤への活用が伸びを牽引した。

  • 2008年上半期の業界ハイライト

  • ●混合使用を含め07年の圧縮ガス系製品は、窒素ガス処方品約3,100万缶、炭酸ガス処方品3,200万缶、これに酸素・ヘリウム・圧縮空気・亜酸化窒素などを加えると、ほぼ前年並みの約6,700万缶と見られる。近年は環境対応や、天然志向を背景に着実に伸びている。吸入用酸素向けは前年の反動から減少しているが、2連式染毛剤、育毛トニック剤向けが堅調、室内消臭剤へも採用が広がっている。

    ●日本消防検定協会は1月中旬、07年のエアゾール簡易消火具の鑑定実績を54万1,149缶(前年比48.6%増)と発表した。3年連続の減退からの反転増で、業界関係者は「TV通販が火をつけた前回のヒットから数年が経過、すでに3年の品質保証期限が過ぎ、ようやく買い替え需要が発生してきたのでは」と好意的に見ている。

    ●日本ガス機器検査協会は、07年のカセットこんろ用ボンベの検査実績を1億2,549万1,016缶、前年比7.4%減と発表した。昨年は起伏の激しい年で、年初は記録的暖冬で生産調整が続き上半期の検査実績は前年同期比28.8%減となった。下半期巻き返したが、上半期の不振をカバーしきれれなかった。

    ●日本エアゾール協会は1月24日(水)、都内のホテルで新年賀詞交歓会を開き、木内秀人会長(現東洋エアゾール工業相談役)は、平成20年の業界の重要課題として、廃棄処理の本格化への取り組み、中身排出機構の装着徹底、地球温暖化防止対策、改正消安法対応を指摘。また、今年こそ市況浮上を克ち取るべく、新分野の開拓により、横這い基調を脱出しようと強調した。

    ●日本エアゾール容器協議会は2月13日、会員各社の生産量報告に基づき集計した結果、平成19年1-12月期の容器が5億6,719万缶(前年比0.8%減)、バルブが5億7,700万7,000個(前年比7.4%減)と発表した。この数字の中には、純エアゾール製品向けのほか、カセットこんろ用ボンベ、カークラー用サービス缶、ダストブロワーなど一液製品(ガス物商品)向けも含まれている。

    ●経済産業省鋼工業動態調査室は2月14日、化粧品統計の一環として、07年のヘアスプレーの出荷数量が6,823万6,000缶(前年比12.8%増)、出荷金額が254億2,700万円(同0.6%減)と発表した。個数、金額いずれも伸び(個数は3年連続増)、業界関係者は「若い女性の髪型に合ったヘアメイク剤としての使用提案が奏功。若い女性の使用率が上昇し、市場拡大が続いている」との見方をしている。

    ●エアゾール用バルブの有力メーカー、日本プリシジョンバルブ(埼玉県川口市、本部アメリカ)は2月26日、末次信之代表取締役社長の退任および、加藤晃一前社長の社長就任を発表した。利益計画の未達をアメリカ本部が厳しく評価したことが原因とされる。後任の加藤氏は平成18年2月まで同社の社長を務めており、同氏の30年にわたる豊富な経験と手馴れた会社運営が買われて異例の再登板となった。

    ●日本エアゾール協会(木内秀人会長)は4月23日理事会を開き、平成19年(1-12月期)のエアゾール生産量を5億6,508万1,000缶(前年比0.2%減)と発表した。昨年は春先から男性用コロン、泡状洗顔剤、不快害虫用殺虫剤の大型量販品が登場、例年を大きく上回る展開でスタートしたが、後半トーンダウンした。不快害虫用が寄与した殺虫剤やヘアスプレー、制汗消臭剤が快走、防錆潤滑剤も着実増となった、塗料、室内消臭剤、一般頭髪用品などが不振だった。

    ●全米消費者用特殊製品協会(CSPA)は5月6日からエアゾール部会中間総会を開き、07年の同国エアゾール生産量を36億5,490万110缶(前年比0.7%減)と発表した。2年連続の微減となったが、それでも史上3位の生産量を確保。米業界の底力の強さと活況の持続を印象づけるものである。人体用品が最大の分野に返り咲いた。

    ●経済産業省は5月29日、、エアゾール製品処理対策協議会に所属する関係11団体を対象に調査した中身排出機構の装着率(義務対象外の製品を除く)が70.7%に達したと発表した。関連団体向けにかねて調査していたもので、かねて塗料への装着率が98.3%と最も高く、自動車用品が30.3%と最も低い結果となった。

    ●英国エアゾール協会(BAMA)は6月11日、07年の英国エアゾール生産量が前年比2.7%増の12億5910万缶になったと発表した。これに先立ち、ドイツエアゾール協会(IGF)は07年の同国エアゾール生産量が前年比16.1%増の13億6000万缶になっと発表、ドイツが英国を抜いて世界第2位のエアゾール生産国に躍り出たことが明らかになった。

  • 2007年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2008年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2008年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(木内秀人会長=東洋エアゾール工業会長)は4月23日(水)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成19年(2007年)1-12月期の生産数量の発表を行った。それによると、総生産量は5億6508万1000缶、前年に比して0.2%の減少であった。ただ、昨年の日本のエアゾール市場は、完成品輸入が前年より約1000万缶増加したと観測され、輸入品を加えた市場配荷量は前年を上回ったと見られる。昨年は、春先から男性用コロン(輸入品)、泡状洗顔剤、不快害虫用殺虫剤の大型量販品が登場、例年とは明らかに違う好雰囲気でスタートした。しかし、7-8月からややトーンダウンし、新製品のリピートが弱く、ヘアスプレーやヘアムース剤で大型新製品が登場したものの、結局、横這い基調を脱し切れなかった。主要製品別に見ると、殺虫剤2.2増、塗料2.9%減、室内消臭剤3.2%減、ヘアスプレー4.5%増、一般頭髪用品2.6%減、シェービングフォーム3.2%減、医薬品10.1%減、制汗消臭剤9.5%増、防錆潤滑剤3.4%増――である。殺虫剤はハエ・カ用が微減となったものの、不快害虫用の大型新製品が寄与し好走、ヘアスプレー・制汗消臭剤は新製品投入、上位銘柄各社の力走で好調に推移し、ヒットした泡状洗顔剤が分類される「その他人体用品」が2ケタ増で健闘した。半面、主要製品では医薬品が大幅に減少し、塗料・室内消臭剤・シェービングフォームが不調だった。

    2007年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年
    殺虫剤小計 91,208 81,114 68,001 68,307 69,807 71,235 74,877 76,492
    空間用殺虫剤 51,254 44,670 38,230 40,456 44,033 43,358 46,824 46,424
    その他殺虫剤 39,954 36,444 29,771 27,851 25,774 27,877 28,053 30,068
    塗料小計 56,449 55,685 57,419 54,755 51,927 54,618 52,771 51,247
    家庭用品小計 83,075 64,474 72,043 70,825 69,818 73,304 72,797 68,211
    室内消臭剤 35,159 25,498 32,183 28,112 28,497 31,780 32,623 31,587
    クリーナー 25,431 16,475 18,789 16,722 15,026 18,830 20,719 18,792
    洗濯用品 2,681 2,366 2,223 1,618 1,460 1,505 1,327 1,227
    人体用品小計 289,983 301,605 286,027 290,880 289,287 286,530 272,997 283,455
    ヘアスプレー 61,444 56,219 52,957 57,060 63,405 62,882 64,965 67,883
    一般頭髪用品 101,901 97,561 98,046 91,092 80,847 74,632 71,914 70,066
    シェービングクリーム 17,091 16,072 15,401 17,046 19,158 19,716 17,911 17,338
    医薬品 22,951 19,646 18,563 15,876 11,068 15,757 14,151 12,722
    制汗消臭剤 56,050 75,529 65,858 75,124 76,685 75,008 64,487 70,619
    工業用品小計 40,861 38,469 38,403 42,367 42,604 43,579 42,479 43,844
    防錆潤滑剤 19,383 18,019 18,663 22,727 23,667 22,547 23,449 24,245
    自動車用品小計 38,941 37,049 37,493 33,449 32,010 31,755 29,039 26,071
    自動車用くもり止め 3,489 2,871 2,402 2,339 2,054 1,920 1,305 1,230
    その他自動車用品 35,452 34,178 35,091 31,110 29,956 29,835 27,734 24,841
    その他(簡易消火具など)小計 12,794 13,385 14,840 16,324 18,417 17,272 21,057 15,751
    全エアゾール総計 613,311 591,781 574,226 576,907 573,870 578,293 566,017 565,081
  • 2007年下半期の業界ハイライト

  • ●東洋エアゾール工業の木内秀人会長は6月29日に記者会見し、タイ・バンコク郊外にエアゾール工場を建設すると正式に発表した。工場建設予定地はラヨーン県工場団地内で、約3万5千平方メートルの敷地。08年10月完成・稼動を予定してる。最大手の同社のタイ進出で、業界のグローバル対応は一段と加速してきた。

    ●フランス・エアゾール協会(CFA)は8月14日、06年の同国エアゾール生産量が5億6711万3千缶(前年比0・2%増)になったと発表した。シェービングフォーム、医薬品が大きく伸び、制汗消臭剤・ヘアスプレーなど有力な製品分野が減退した。

    ●欧州エアゾール連盟(FEA)は8月21日、2006年の欧州エアゾール生産量が51億3770万缶(前年比2・9%増)に達したと発表した。加盟19カ国の報告集計で、ドイツ・フランス・オランダ・イタリアなどが健闘し、家庭用品分野が好調、人体用品分野が微減だった。7年連続で史上最高記録を更新、欧州業界の底力を強く印象づけた。

    ●原油高騰によるエアゾール用諸資材の続騰は波状的に業界を襲い、ブランドメーカー筋への価格転嫁交渉に苦慮している。脱臭LPG、アルミ缶、ブリキ缶、バルブ、キャップ、アルコール、HFC-134a、イソペンタン、同ブタン、段ボール、石油系溶剤など軒並み続騰、ローダー筋は苦境に立たされて、収益悪化を招いている。

    ●経済産業省鋼工業動態調査室は9月中旬、化粧品統計の一環として、07年上半期のヘアスプレーの出荷数量が28,015,000缶(前年比1・6%減)、出荷金額は117億6,300万円(同0・5%増)と発表した。有力関係メーカー筋は、「07年の上半期の出荷量が微減になったのは、前年同期が大きく伸びたことの一時的な反動。若い女性の髪型がロングになり、アレンジした髪をキープしたいというニーズは高い」と、市場の底固さを認めている。

    ●欧州エアゾール連盟(FEA)主催の第26回国際エアゾール会議および第16回国際エアゾール展示会が9月中旬、英国マンチェスター市で開かれ、53カ国から2100名の世界の業界人が参加した。展示会には、東洋エアゾール工業、ダイゾー、三谷バルブ、住友化学の日本企業4社が出展、注目された。

    ●エアゾール産業新聞社は、都道府県高圧ガス担当課などの協力を得て、全国のエアゾール充填工場の実態(確認)調査を行ってきたが、9月中旬に結果がまとまった。それによると、工場総数は43。2年前に比べ、3工場(3社)が撤退、1工場(1社)が自家充填メーカーとして新規参入した。

    ●エアゾール産業新聞社の調査によると、ポンプ市場は全品種にわたって伸張し、07年は5億6,000本(前年は5億3,000本)に達したと推定される。とりわけ泡ポンプが洗顔剤のブレークなどで著増、エアレスの潮流(HVD、デラミ)が定着してきたのが最近の特徴である。

  • 2007年上半期の業界ハイライト

  • ●混合使用を含め06年の圧縮ガス系製品は、窒素ガス処方品約2,900万缶、炭酸ガス処方品3,300万缶、これに酸素・ヘリウム・圧縮空気・亜酸化窒素などを加えると、前年比400万缶増の約6,700万缶と見られる。天然志向を背景に着実に伸びており、2連式染毛剤、育毛トニック剤の増勢を反映し、吸入用酸素のブレークが寄与した。

    ●日本消防検定協会は1月中旬、06年のエアゾール簡易消火具の鑑定実績を36万4,126缶(前年比47.3%減)と発表した。3年連続の減退であるが、簡便使用の利便性認知がカギと業界関係者は見ている。

    ●日本ガス機器検査協会は、06年のカセットこんろ用ボンベの検査実績を1億3,548万9,900缶、前年比6.0%増と発表した。前季からの在庫薄(厳冬の影響)と値上げ絡みの仮需発生が増勢の要因となった。

    ●日本エアゾール協会は1月24日(水)、都内のホテルで新年賀詞交歓会を開き、木内秀人会長(現東洋エアゾール工業会長)は、平成19年の業界の重要課題として、廃棄処理の本格化への取り組み、市場創出型商品の大型新規開発、諸資材高騰の円滑転嫁、地球温暖化ガスやVOC排出抑制などを挙げた。

    ●日本エアゾール容器協議会は2月8日、会員各社の生産量報告に基づき集計した結果、平成18年1-12月期の容器は5億7,119万6,000缶(前年比1.1%減)、バルブは6億2,338万4000個(前年比8.1%増)と発表した。この数字の中には、純エアゾール製品向けのほか、カセットこんろ用ボンベ、カークラー用サービス缶、ダストブロワーなど一液製品(ガス物商品)向けも含まれている。

    ●経済産業省鋼工業動態調査室は2月14日、化粧品統計の一環として、06年のヘアスプレーの出荷数量は6,048万9,000缶(前年比1.7%増)、出荷金額は252億7,200万円(同0.3%減)と発表した。業界関係者は「若い女性の髪型に合ったヘアメイク剤としての使用提案が奏功。若い女性の使用率が上昇し、回復歩調を強めている」との見方をしている。

    ●エアゾール受託充填会社の有力筋であるエア・ウォーター・ゾル株式会社(東京都千代田区、資本金4億円、川合弘社長)とキョーワ工業(大阪市淀川区、資本金3億3,000万円、尾上英俊社長)は7月1日付けで合併、新生エア・ウォーター・ゾルが発足した。新会社は年間売上げ高138億円、総充填量7,800万缶(液充含む)。

    日本エアゾール協会(木内秀人会長)は4月19日理事会を開き、平成18年(1-12月期)のエアゾール生産量を5億6,601万7,000缶(前年比2.1%減)と発表した。ハエ・カ用殺虫剤とクリーナー類が伸び、ヘアスプレー・室内消臭剤が堅調、制汗消臭剤が不振だった。

    ●全米消費者用特殊製品協会(CSPA)は5月8日からエアゾール部会中間総会を開き、06年の同国エアゾール生産量を36億7,979万5,283缶(前年比1.6%減)と発表した。これは微減だったものの、依然、史上2位の記録。米業界の底力の強さと活況の持続を印象づけるものである。家庭用品が最大の分野となった。

  • 2006年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2007年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2007年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(木内秀人会長=東洋エアゾール工業社長)は4月19日(木)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成18(2006)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
     それによると、総生産数量は5億6,601万7,000缶、前年に比して2.1%の減少で、事前の予想を上回る減少率となった。これは一部会員企業から報告修正があったため。昨年の日本のエアゾール市場は、際立つ大型新企画品投入の動きは少なかったが、携帯用吸入酸素・温水洗浄便座(ウォシュレット)用ノズル洗浄剤がヒット、衣類用瞬間冷却剤の有力新規品が登場し、ヘアスプレーや殺虫剤、2連式染毛剤など大型市場の堅調が下支えした。
     主要製品別にみると、ハエ・カ用殺虫剤8.0%増(殺虫剤全体は5.1%増)、塗料3.4%減、室内消臭剤2.7%増、クリーナー10.0%増、ヘアスプレー3.3%増、一般頭髪用品3.6%減、シェービングフォーム9.2%減、医薬品10.2%減、制汗消臭剤14.0%減、防錆潤滑剤4.7%増――である。
     ハエ・カ用殺虫剤が前年からの繰り越し在庫が少なく快走、ヘアスプレー・室内消臭剤が上位銘柄の力走で堅調に推移し、便座用ノズル洗浄剤がヒットしたクリーナー、開発ラッシュとなった吸入用酸素が分類される「その他」が、それぞれ2ケタ増で健闘した。半面、主要製品では制汗消臭剤が大幅に減少し、医薬品、シェービングフォーム、塗料が不振だった。

    2006年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年 2006年
    殺虫剤小計 68,264 79,810 91,208 81,114 68,001 68,307 69,807 71,235 74,877
    空間用殺虫剤 40,174 49,851 51,254 44,670 38,230 40,456 44,033 43,358 46,824
    その他殺虫剤 28,090 29,959 39,954 36,444 29,771 27,851 25,774 27,877 28,053
    塗料小計 59,695 58,880 56,449 55,685 57,419 54,755 51,927 54,618 52,771
    家庭用品小計 73,535 81,340 83,075 64,474 72,043 70,825 69,818 73,304 72,797
    室内消臭剤 28,896 27,044 35,159 25,498 32,183 28,112 28,497 31,780 32,623
    クリーナー 22,075 32,078 25,431 16,475 18,789 16,722 15,026 18,830 20,719
    洗濯用品 2,979 2,937 2,681 2,366 2,223 1,618 1,460 1,505 1,327
    人体用品小計 311,037 320,281 289,983 301,605 286,027 290,880 289,287 286,530 272,997
    ヘアスプレー 62,490 60,671 61,444 56,219 52,957 57,060 63,405 62,882 64,965
    一般頭髪用品 112,824 123,124 101,901 97,561 98,046 91,092 80,847 74,632 71,914
    シェービングクリーム 18,391 20,288 17,091 16,072 15,401 17,046 19,158 19,716 17,911
    医薬品 24,154 25,506 22,951 19,646 18,563 15,876 11,068 15,757 14,151
    制汗消臭剤 61,339 63,730 56,050 75,529 65,858 75,124 76,685 75,008 64,487
    工業用品小計 40,452 40,656 40,861 38,469 38,403 42,367 42,604 43,579 42,479
    防錆潤滑剤 15,539 17,798 19,383 18,019 18,663 22,727 23,667 22,547 23,449
    自動車用品小計 41,439 38,786 38,941 37,049 37,493 33,449 32,010 31,755 29,039
    自動車用くもり止め 3,846 3,087 3,489 2,871 2,402 2,339 2,054 1,920 1,305
    その他自動車用品 37,593 35,699 35,452 34,178 35,091 31,110 29,956 29,835 27,734
    その他(簡易消火具など)小計 13,052 14,280 12,794 13,385 14,840 16,324 18,417 17,272 21,057
    全エアゾール総計 607,474 633,953 613,311 591,781 574,226 576,907 573,870 578,293 566,017
  • 2006年下半期の業界ハイライト

  • ●日本ガス機器検査協会は7月10日、カセットこんろ用ボンベの上半期(1-6月)の検査実績が、前年同期比45.9%増、5,552万46缶になったと発表した。諸資材高騰を転嫁する製品値上げの仮需、厳冬による需要増などによって生産急増となった。

    ●経産省化粧品統計は8月10日、6月分集計を発表したが、それによると1-6月累計でヘアスプレーは2,847万2,000缶、117億5,700万円の出荷高となった。前年同期比で出荷缶数が6.4%、出荷金額が2.6%、いずれも増加した。若い女性の髪型の変化に合ったヘアメイク剤としての使用提案を訴求したのが浸透しつつある、と関係メーカー筋は見ている。

    ●フランス・エアゾール協会(CFA)は8月25日、05年の同国エアゾール生産量を5億6,600万缶(前年比0.9%減)と発表した。制汗消臭剤が著しい伸びを見せたが、ヘアスプレー、室内消臭剤、医薬品などが減退した。

    ●ブレークしている吸入用酸素が期待商材として注目されているが、口火を切ったのは白元が5月に発売した「オーツーサプリ」。同製品はコンビニエンスストアの最大手、セブン-イレブンとの共同開発品で、CVSルートに全国展開して150万缶以上の大ヒットとなり、新たに後発参入した5-6社が追走している。

    ●欧州エアゾール連盟(FEA)は9月20日、加盟20カ国の05年のエアゾール生産量を調査集計し、49億9,148万缶(前年比2.8%増)と発表した。50億缶の大台にあと一歩と迫ったが、イギリス、ドイツ、イタリアが伸張した。

    ●微増基調が続くポンプ市場は、06年は5億3,000万本に達すると観測される(本紙推定)。品種(形態)別では、フィンガースプレーポンプがヘアケア用の低迷から減少しているものの、他はいずれも微増推移である。大型新製品投入でディスペンサーが伸張、除菌消臭剤のヒットなどでトリガータイプも増勢、高級志向のワンドロップタイプもいぜん勢いがある。

    ●日本エアゾール協会(木内秀人会長)は11月22日、東京千代田区の東京會舘で、創立50周年記念パーティーを盛大に開いた。招待参加者180名は、日本のエアゾール産業の礎を築いた先人たちの労苦や熱情に思いを馳せながら、新たな50周年に向け、業界発展へ決意を誓い合った。

  • 2006年上半期の業界ハイライト

  • ●日本アルコール販売は、ヘアスプレー用途を主力にするエアゾール頭髪用アルコールの05年販売実績を7,735キロリットルと発表した。前年比で3.8%増。ヘアスプレーは堅調に推移しているが、エアコン洗浄剤など他用途分が集計上の都合で混入している。

    ●日本消防検定協会は1月初旬、05年のエアゾール簡易消火具の鑑定実績を63万1,103缶(前年比52.9%減)と発表した。03年の大幅増のあと04-05年と2年連続で大幅減となった。

    ●日本エアゾール協会は1月18日(水)、都内のホテルで新年賀詞交歓会を開き、木内秀人会長(東洋エアゾール工業社長)は、平成18年の業界の重要課題として、市場創出型の大型新規品開発、諸資材高騰の転嫁、使用済み缶の廃棄処理対策の具体的な実行展開を挙げた。

    ●日本ガス機器検査協会は、05年のカセットこんろ用ボンベの検査実績を1億2,780万1,738缶、前年比3.9%増と発表した。厳冬で11月、12月に需要が急増した。

    ●本紙の調査によると、環境対応・自然志向を背景に、液化ガスとの混合使用も含め圧縮カガス製品は05年6200万缶に達した。主な内訳けは、窒素ガス処方品3,400万缶(2連式製品は2缶で算出)、炭酸ガス処方品2,600万缶、これに圧縮空気・ヘリウム・亜酸化窒素などを加えると、6,200万缶を超える。2連式染毛剤の復調と窒素採用の水性室内消臭剤のヒットが寄与した。

    ●日本エアゾール容器協議会は2月8日、会員各社の生産量報告に基づき集計した結果、平成17年1-12月期の容器は5億7,716万9,000缶(前年比1.1%増)、バルブは5億7,691万5000個(前年比2.7%減)と発表した。この数字の中には、一般にエアゾール製品向けのほか、カセットこんろ用ボンベ、カークラー用サービス缶、ダストブロワーなど一液製品(ガス物商品)向けも含まれている。

    ●経済産業省鋼工業動態調査室は2月中旬までに、化粧品統計の一環として、05年のヘアスプレーの出荷数量は5,938万缶(前年比3.4%増)、出荷金額は253億4,000万円(同2.6%減)と発表した。業界関係者は「若い女性層に的を絞ったマーケティング戦略が奏功、その使用率が上昇している」との見方をしている。

    ●日本エアゾール協会(木内秀人会長)は4月21日理事会を開き、平成17年(1-12月期)のエアゾール生産量を5億7,829万3,000缶(前年比0.8%減)と発表した。室内消臭剤とクリーナー類の活況が目立ち、殺虫剤微増、制汗消臭剤微減、頭髪用品が不振だった。

    ●カセットこんろ用ボンベの充填各社が5月からブタン高騰を理由に製品当たり10円前後の値上げを打ち出している。日本瓦斯、小池化学、東邦金属工業、東海など各社は、このままでは収益圧迫が著しく座視できないとしている。

    ●全米消費者用特殊製品協会(CSPA)は5月9日にエアゾール部会中間総会を開き、05年の同国エアゾール生産量を37億3,830万缶(前年比2.4%増)と発表した。これは史上最高記録を更新したもので、米国業界の底力の強さと活況の持続を印象づけるものである。

    ●日本エアゾール協会(木内秀人会長)は5月26日、都内の東京会館で通常総会を開き、廃棄エアゾール缶の処理対策の具体的実行プログラム(中身排出機構装着の徹底・廃棄処理機の業界提供・消費者窓口の整備強化・消費者啓発PRの実施)への取り組み促進を決議した。

    ●独エアゾール協会(IGA)は5月30日、05年の同国エアゾール生産量を10億8,800万缶(前年比10.2%増)と発表した。制汗消臭剤の活況が寄与した。

    ●エアゾール産業新聞社は、インターネット市場調査の最大手、ヤフーリサーチに依頼してエアゾール製品に関する女性成人消費者の意識調査を実施し、6月25日に結果を公表した。それによると、エアゾール製品の使用率は82%、年間消費量は1本以上5本未満が53%、売れ筋商品は殺虫剤・ヘアスプレー・制汗消臭剤の順。重視している購買動機は「環境・安全」「効能効果」「使い易さ」が上位。廃棄処理の際、中身排出機構装着を89%が支持している。

  • 2005年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2006年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2006年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(木内秀人会長=東洋エアゾール工業社長)は4月21日(金)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成17(2005)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
     それによると、総生産数量は5億7,829万3,000缶、前年に比して0.8%の増加で、事前の予想を上回った。昨年の日本のエアゾール市場は、際立つ大型新企画品投入の動きは少なかったが、室内消臭剤・衣類用花粉付着防止剤の大型新規品はじめ塗料・シェービングフォーム・エアコン洗浄剤・ガラスクリーナー・人体用害虫忌避剤などが堅調に推移し、業界受注を下支えした。
     主要製品別にみると、ハエ・カ用殺虫剤1.5%減(殺虫剤全体は2.0%増)、塗料5.2%増、室内消臭剤11.5%増、クリーナー25.3%増、ヘアスプレー0.8%減、一般頭髪用品7.7%減、シェービングフォーム2.9%増、医薬品42.4%増、制汗消臭剤2.2%減、防錆潤滑剤4.7%減、くもり止め6.5%減――である。
     室内消臭剤が大型新規品投入で快走、クリーナー類ではガラスクリーナーの最大手銘柄が再国産化、エアコン洗浄剤が復調し、天候に恵まれた塗料、ゴキブリ・アリ・不快害虫用殺虫剤、シェービングフォームが堅調だった。半面、主要製品ではハエ・カ用殺虫剤、ヘアスプレー、制汗消臭剤が微減で推移し、一般頭髪用品が不振だった。

    2005年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年 2005年
    殺虫剤小計 68,264 79,810 91,208 81,114 68,001 68,307 69,807 71,235
    空間用殺虫剤 40,174 49,851 51,254 44,670 38,230 40,456 44,033 43,358
    その他殺虫剤 28,090 29,959 39,954 36,444 29,771 27,851 25,774 27,877
    塗料小計 59,695 58,880 56,449 55,685 57,419 54,755 51,927 54,618
    家庭用品小計 73,535 81,340 83,075 64,474 72,043 70,825 69,818 73,304
    室内消臭剤 28,896 27,044 35,159 25,498 32,183 28,112 28,497 31,780
    クリーナー 22,075 32,078 25,431 16,475 18,789 16,722 15,026 18,830
    洗濯用品 2,979 2,937 2,681 2,366 2,223 1,618 1,460 1,505
    人体用品小計 311,037 320,281 289,983 301,605 286,027 290,880 289,287 286,530
    ヘアスプレー 62,490 60,671 61,444 56,219 52,957 57,060 63,405 62,882
    一般頭髪用品 112,824 123,124 101,901 97,561 98,046 91,092 80,847 74,632
    シェービングクリーム 18,391 20,288 17,091 16,072 15,401 17,046 19,158 19,716
    医薬品 24,154 25,506 22,951 19,646 18,563 15,876 11,068 15,757
    制汗消臭剤 61,339 63,730 56,050 75,529 65,858 75,124 76,685 75,008
    工業用品小計 40,452 40,656 40,861 38,469 38,403 42,367 42,604 43,579
    防錆潤滑剤 15,539 17,798 19,383 18,019 18,663 22,727 23,667 22,547
    自動車用品小計 41,439 38,786 38,941 37,049 37,493 33,449 32,010 31,755
    自動車用くもり止め 3,846 3,087 3,489 2,871 2,402 2,339 2,054 1,920
    その他自動車用品 37,593 35,699 35,452 34,178 35,091 31,110 29,956 29,835
    その他(簡易消火具など)小計 13,052 14,280 12,794 13,385 14,840 16,324 18,417 17,272
    全エアゾール総計 607,474 633,953 613,311 591,781 574,226 576,907 573,870 578,293
  • 2005年下半期の業界ハイライト

  • ●英国エアゾール協会(BAMA)は6月30日、04年の同国エアゾール生産量を13億4,120万缶(前年比0・4%減)と発表した。シェービングフォームが著増したほか、制汗消臭剤・自動車用品などが健闘したが、50%以上のシェアをもつ輸出が減少した。

    ●受託充填量で業界3位のエア・ウォーター・ゾルの新社長に川合弘氏(松下冷機から転出)が就任した。川合新社長は富山県出身、59歳。

    ●エアゾール産業新聞社は、都道府県高圧ガス担当課や主要資材メーカーなどの協力を得て、全国のエアゾール充填工場の確認調査を行った。その結果、7月上旬現在、全国で45のエアゾール充填工場があり、充填工場の多い順に、茨城県7、兵庫県6、埼玉県5、大阪府および愛知県各4であることが判明した。

    ●欧州エアゾール連盟(FEA)は9月22日、加盟20カ国の04年のエアゾール生産量を調査集計し、48億5,067万1,000缶(前年比0・4%増)と発表した。ドイツ、フランス、オランダなどが伸長した。

    ●エアゾール産業新聞社の調査によると、11月現在、ポンプ市場は再び増勢に転じ、05年製販実績は5億2,000万本(前年は4億9,000万本)に達する見通しである。ワンドロップローションタイプが洗顔・美白剤向けに活発に投入され、花粉関連商材向けにトリガータイプが採用されたことが、収穫となっている。

    ●廃棄エアゾール缶の処理対策は、エアゾール業界と地方自治体(全国都市清掃会議)との間で、①中身排出機構の早期装着徹底②廃棄処理機の業界提供③中身残留缶や中身排出機構の取り扱いに関するブランドメーカーの消費者窓口の設置・強化④消費者啓発の集中努力――で大筋合意した。関係業界の各団体は、11月15日のエアゾール製品処理対策協議会でそれぞれ合意事項を承認し、自治体に先行譲与する処理機の費用負担比率をブランドメーカー73%、容器メーカー15%、ローダー12%と決めた。

  • 2005年上半期の業界ハイライト

  • ●日本アルコール販売は、ヘアスプレー用途を主力にするエアゾール頭髪用アルコールの04年販売実績を7,455キロリットルと発表した。前年比で0.6%増。ヘアスプレーの大型新製品の参入が寄与したと見られる。

    ●日本消防検定協会は1月初旬、04年のエアゾール簡易消火具の鑑定実績を146万7,493缶(前年比35.1%減)と発表した。03年の大幅増の反落で減少したが、02年以前の年間量50-60万缶規模から比較すると、いぜん3倍近い高水準を維持している。

    ●日本エアゾール協会は1月19日(水)、都内で新年賀詞交歓会を開き、冨田猛由会長(東洋エアゾール工業特別顧問)は平成17年の業界の重要課題として大型新製品の投入・新市場の創出による市場再生、進展する業界企業の合併再編、諸資材続騰、具体化する廃棄処理対策の進展などを挙げた。

    ●日本ガス機器検査協会は04年のカセットこんろ用ボンベの検査実績を1億2,302万缶、前年比2.6%増と発表した。中国・韓国からの輸入品値上げで、国産比率が再上昇したのが特徴。

    ●日本エアゾール容器協議会は2月15日、会員各社の報告に基づき集計結果を集めていた平成16年1-12月期の容器およびバルブの生産量調査の結果を発表した。それによると、容器は5億7,067万1000缶(前年比0.6%減)、バルブは5億9310万8000個(同1.5%減)。この数字の中には、一般エアゾール製品のほか、カセットこんろ用ボンベ、カークラー用サービス缶など一液製品(ガス物商品)も含まれている。

    ●経済産業省鋼工業動態調査室は2月中旬までに、化粧品統計の一環として、04年のヘアスプレーの出荷数量は5,745万缶(前年比1.8%減)、出荷金額は247億600万円(同0.6%減)と発表した。業界関係者は「若い女性の需要再開拓が一服し、安定傾向にある」との見方をしている。

    ●厚生労働省医薬食品局食品安全部は3月22日、食品衛生法施行規則を一部改正する省令(同省令第34号)を官報告示し、エアゾール食品用プロペラント、亜酸化窒素(笑気ガス)を食品添加物として認可した。当面、認可対象はホイップクリームへの適用に限定される。

    ●一液製品(ガス物商品)のトータル市場は、底固い展開を見せるカセットこんろ用ボンベ1億2,200万缶、やや伸び悩み傾向のカークーラー用サービス缶940万缶、HFC-152aへの転換が進むブロワー600万缶、さらにライター用ボンベ500万缶、トーチ用ボンベ360万缶などを加えると、全体で1億5,200-1億5,300万缶と微増市場を形成している。

    ●日本エアゾール協会(冨田猛由会長)は4月20日理事会を開き、平成16年(1-12月期)のエアゾール生産量を5億7,387万缶(前年比0.5%減)と発表した。ヘアスプレーとシェービングフォームの活況が目立ち、殺虫剤や制汗消臭剤は微増、医薬品が不振だった。

    ●全米消費者用特殊製品協会(CSPA)は5月上旬に恒例のエアゾール部会中間総会を開き、04年の同国エアゾール生産量を36億5,048万5,000缶(前年比2.8%増)と発表した。これは史上最高記録を更新したもので、米国業界の底力の強さと活況の持続を印象づけるものである。

    ●独エアゾール協会(IGA)は5月23日、04年の同国エアゾール生産量を9億8,700万缶(前年比1.8%増)と発表した。ヘアスプレーの活況が寄与した。

    ●日本エアゾール協会(冨田猛由会長)は5月27日、都内で第50回通常総会を開き、廃棄エアゾール缶の処理対策の具体化が一段と必要になったとして、取り組み推進を決議した。

    ●業界と地方自治体(全国都市清掃会議)に加え、経産省と環境省の官民4者による各種会合を通じて、廃棄エアゾール缶の処理対策は、中身排出機構の早期装着徹底、廃棄処理機の業界提供、中身残留缶処理や中身排出機構の取り扱いに関するブランドメーカーの相談窓口の設置という大きな方向性が見えてきた。業界内部と業界および地方自治体による2つの実務者ワーキンググループが設置され、具体的な推進案の細部をつめる検討が6月から始まった。

  • 2004年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2005年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2005年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(冨田猛由会長=東洋エアゾール工業特別顧問)は4月20日(水)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成16(2004)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
     それによると、総生産数量は5億7,387万0,000缶、前年に比して0.5%の減少となった。昨年は個人消費の弱含みを背景基調にしながらも、ヘアスプレー、シェービングフォームが快走、ハエ・カ用殺虫剤、制汗消臭剤、防錆潤滑剤が堅調に推移し、風呂用芳香剤・泡状ヘアマニキュア剤、育毛トニック剤などの有力品を含む活発な新商品・リニューアル品の投入が業界受注を下支えした。
     主要製品別に見ると、ハエ・カ用殺虫剤8.8%増(殺虫剤全体は2.2%増)、塗料5.2%減、室内消臭剤1.4%増、クリーナー10.1%減、ヘアスプレー11.1%増、一般頭髪用品11.2%減、シェービングフォーム12.4%増、医薬品30.1%減、制汗消臭剤2.1%増、防錆潤滑剤4.1%増、くもり止め12.2%減、簡易消火具32.2%減 ─ である。
     ヘアスプレーが大型有力品の相次ぐ投入で快走、シェービングフォームが活況を呈し、記録的な猛暑で殺虫剤、制汗消臭剤が微増を確保した。半面、塗料、一般頭髪用品、医薬品、自動車用品などの主要製品が不振だったことから、前年を下回った。

    2004年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年 2004年
    殺虫剤小計 68,264 79,810 91,208 81,114 68,001 68,307 69,807
    空間用殺虫剤 40,174 49,851 51,254 44,670 38,230 40,456 44,033
    その他殺虫剤 28,090 29,959 39,954 36,444 29,771 27,851 25,774
    塗料小計 59,695 58,880 56,449 55,685 57,419 54,755 51,927
    家庭用品小計 73,535 81,340 83,075 64,474 72,043 70,825 69,818
    室内消臭剤 28,896 27,044 35,159 25,498 32,183 28,112 28,497
    クリーナー 22,075 32,078 25,431 16,475 18,789 16,722 15,026
    洗濯用品 2,979 2,937 2,681 2,366 2,223 1,618 1,460
    人体用品小計 311,037 320,281 289,983 301,605 286,027 290,880 289,287
    ヘアスプレー 62,490 60,671 61,444 56,219 52,957 57,060 63,405
    一般頭髪用品 112,824 123,124 101,901 97,561 98,046 91,092 80,847
    シェービングクリーム 18,391 20,288 17,091 16,072 15,401 17,046 19,158
    医薬品 24,154 25,506 22,951 19,646 18,563 15,876 11,068
    制汗消臭剤 61,339 63,730 56,050 75,529 65,858 75,124 76,685
    工業用品小計 40,452 40,656 40,861 38,469 38,403 42,367 42,604
    防錆潤滑剤 15,539 17,798 19,383 18,019 18,663 22,727 23,667
    自動車用品小計 41,439 38,786 38,941 37,049 37,493 33,449 32,010
    自動車用くもり止め 3,846 3,087 3,489 2,871 2,402 2,339 2,054
    その他自動車用品 37,593 35,699 35,452 34,178 35,091 31,110 29,956
    その他(簡易消火具など)小計 13,052 14,280 12,794 13,385 14,840 16,324 18,417
    全エアゾール総計 607,474 633,953 613,311 591,781 574,226 576,907 573,870
  • 2004年下半期の業界ハイライト

  • ●フランス・エアゾール協会(CFA)は7月28日、03年の同国エアゾール生産量を5億5100万缶(前年比2・8%増)と発表した。医薬品の大幅増が続いており、制汗消臭剤、家庭用品が伸びた。

    ●石油系諸資材が急騰、脱臭LPGの最高値が続き、段ボール、溶剤、樹脂原料、シュリンクフィルムなど軒並み値上がりし、業界に深刻な影響を与えている。ブリキ缶も鋼材価格の急騰を背景に2次にわたる値上げが実施され、転嫁に苦しむローダー筋は得意先に理解を訴えた。

    ●輸入LPG、ブリキ缶など主要資材の高騰を理由に、カセットこんろボンベの充填各社は、8~9月にかけて同ボンベの工場クラ出し価格の値上げを打ち出した。製品当たり5~7円の巾で、韓国からの輸入品の積み出し価格も平均10%値上げした。

    ●欧州エアゾール連盟(FEA)は9月16日、03年の欧州エアゾール生産量を48億2959万7000缶(前年比1・8%)と発表、史上最高の記録を更新した。伸長した国はフランス、イタリア、オランダ、東欧諸国である。人体用品、家庭用品、食品などが堅調だった。

    ●04年のエアゾール市況は、横這い基調で推移した。春の早期展開で好ダッシュした制汗消臭剤と大型新製品の投入が目立ったヘアスプレーがリードし、泡状ヘアマニキュア剤や風呂用芳香剤、さらに育毛トニック剤の大型投入があったが、小ロット化、在来品の在庫圧縮などで、数量的には伸び悩んでいる。

    ●小池化学(本社・東京都墨田区錦糸)の小池清次社長は9月28日、中堅ローダーである中央エアゾール化学の株式取得を続けた結果、小池化学の中央エアの持株比率が52%の筆頭株主となり、中央エアを連結決算の対象となる完全子会社にすると発表した。

    ●エアゾール産業新聞社は、使用済みエアゾール缶の廃棄処理問題が正念場を迎えているために、欧米12カ国の関係業界団体に質問状を送り、各国の対策の現状と実態を探った。回答結果をみると、家庭から排出される中身残留缶を含む使用済みエアゾール缶は、地方自治体の責任で処理されており、事業費の財源は各種税金でまかなうのが原則であることが、世界の大勢として浮き彫りになった。

    ●食品安全委員会(寺田雅彦委員長)は10月28日、エアゾール食品用プロペラント、亜酸化窒素(笑気ガス)の食品健康管理評価について審議し、「安全性評価に問題ない」というい結論を出した。薬事・食品衛生審議会の審議・答申を経て、05年5月ごろ正式に認可される公算が強まった。

    ●拡大基調を続けてきたポンプ市場は、関係メーカー各社の観測によると、04年は前年並みの4億9000万本前後になった模様である。有力ブランドメーカー筋が詰め替え用を投入して大幅減となったディスペンサーポンプを泡ポンプ、トリガーポンプ、ワンドロップローションなどがカバーした。

    ●エアゾール缶適正処理推進委員会(冨田猛由委員長=日本エアゾール協会会長)は、11月24日に第一回会合を開いた。同委員会は、使用済みエアゾール缶の最適な回収・リサイクルシステムを構築するために必要な調査を実施するのが目的で、経済産業省化学課が設置したもの。その結果を踏まえ、随時、地方自治体(全都清)の担当者との本格的な討議に入る。

  • 2004年上半期の業界ハイライト

  • 日本エアゾール協会は1月22日、都内で新年賀詞交歓会を開き、冨田猛由会長(東洋エアゾール工業特別顧問)は平成16年度の業界の重要課題として大型新規品の開発投入などによる市場浮上を期待し、使用済み缶の廃棄処理対策の一段の取り組み強化・行政サイドとの本格交渉への進展見通しを強調した。

    ●産業用ガスの大手、エア・ウォーター(本社・大阪市中央区、青木弘CEO)と中堅ローダー、キョーワ工業(本社・大阪市淀川区、関直彦CEO)は2月12日、エアゾール事業における包括的な業務提携並びに資本提携について正式に合意した。エア・ウォーターは、これにより両社のエアゾール事業のシナジー(相乗)効果を活かし拡大発展を目指すとしている。

    ●日本ガス機器検査協会は03年のカセットこんろ用ボンベの検査実績を1億1987万缶、前年比0・2%減と発表した。暖冬により実需が伸び悩んだものの、関係筋は底固い動きとの見方が大勢。

    ●経済産業省鋼工業動態調査室は2月中旬までに、化粧品統計の一環として、03年のへアスプレーの出荷数量は5852万5000缶(前年比8・0%増)、出荷金額は248億5000万円(同0・7%増)と発表した。若年層にセミロングに合ったヘアメイク剤としての要素を訴求した新大型ヘアスプレーなどの投入があり、市場はやや回復してきた。

    ●使用済みエアゾール缶の廃棄処理対策が地方自治体など行政とのルール化交渉で厳しさを増しているのを背景に、塗料などを中心にガス抜きキャップの採用率が高まり、3月現在、4200万個に達している。

    ●日本エアゾール協会(冨田猛由会長)は4月23日理事会を開き、平成15年(1-12月)のエアゾール生産量を5億7691万7000缶(前年比0・5%増)と発表した。制汗消臭剤の活況、ヘアスプレーの復調をはじめ、防錆潤滑剤・簡易消火具が著増した。半面、塗料・医薬品・室内消臭剤・一般(その他)頭髪用品・医薬品など主要製品が伸び悩んだ。

    ●英国エアゾール協会(BAMA)は5月1日、03年の同国エアゾール生産量を13億4640万缶(前年比4・7%減)と発表した。制汗消臭剤、医薬品が急増した。

    ●全米消費者用特殊製品協会(CSPA)は5月上旬に恒例のエアゾール部会中間総会を開き、03年の同国エアゾール生産量を35億5076万7000缶(前年比0・9%増)と発表した。これは従来の史上最高記録だった前年を上回るもので、好況を維持している。

    ●一液製品(ガス物商品)のトータル市場は、輸入品比率が高くなったカセットこんろ用ガスボンベ1億2000万缶、堅調なカークーラー用サービス缶960万缶、HFC-152aへの転換が徐々に進むブロワー600万缶、ライター用ガスボンベ570万缶、トーチ用ボンベ430万缶など、全体で1億5200万缶の市場を形成している。

    ●独エアゾール協会(IGA)は5月20日、03年の同国エアゾール生産量を9億7000万缶(前年比0・3%減)と発表した。制汗消臭剤の大幅増が目立つ。

    ●日本エアゾール協会(冨田猛由会長)は5月28日、都内で第48回通常総会を開き、使用済みエアゾール缶の廃棄処理対策が正念場を迎えたとして、緊急を要する最重要課題に位置づけ、その強力な推進を決議した。

    ●有力ローダー、エア・ウォーター・ゾルは6月18日に株主総会を開き、新社長に見野忠嗣氏(エア・ウォーター副社長)を選任した。見野氏は会長を兼任する。

    ●最大手ローダー、東洋エアゾール工業は6月23日株主総会を開き、代表取締役社長に木内秀人氏(東京製缶埼玉工場長)を新任するとともに、吉田康美氏(東部営業部門担当)を常務、阿部伸(三重工場長)・尾形研(生産管理部長)・多田晃(研究開発部長兼品質管理部長)の各氏を取締役に昇格する新役員人事を決めた。

  • 2003年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2004年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2004年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(冨田猛由会長=東洋エアゾール工業特別顧問)は4月23日(金)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成15(2003)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
     それによると、総生産数量は5億7,690万7,000缶、前年に比して0.5%の増加で、下げ止まり感を裏付ける結果となった。昨年は個人消費の底這い不況を背景基調にしながらも、制汗消臭剤の活況、ヘアスプレーの復調、防錆潤滑剤・簡易消火具が快走したのに加え、育毛剤・防ダニ剤・ゴキブリ用捕獲剤・スプレーストッキング剤などの中堅有力品の活発な投入が業界受注を下支えした。
     主要製品別に見ると、殺虫剤0.4%増、塗料4.6%減、室内消臭剤12.6%減、クリーナー11.0%減、ヘアスプレー6.8%増、一般頭髪用品7.1%減、シェービングフォーム10.7%増、医薬品14.5%減、制汗消臭剤14.1%増、防錆潤滑剤21.8%増、くもり止め2.6%減、簡易消火具286.5%増 ─ である。
     制汗消臭剤が快走、ヘアスプレーが復調し、有力銘柄が再国産化した防錆潤滑剤が大幅に伸びた。また、TV通販に登場したことからブームとなった簡易消火具が急伸し、活発な新製品投入でシェービングフォームが好調に推移した。塗料、室内消臭剤、一般頭髪用品、医薬品などの主要製品が不振だったが、4年ぶりで増加に転じた。なお、昨年の統計から殺虫剤は「ハエ・カ用」と「その他殺虫剤」に区分を変更し(「塗布用殺虫剤」から改称)、人体用の「携帯スプレー」の区分は廃止された。

    2003年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年 2003年
    殺虫剤小計 68,264 79,810 91,208 81,114 68,001 68,307
    空間用殺虫剤 40,174 49,851 51,254 44,670 38,230 40,456
    その他殺虫剤 28,090 29,959 39,954 36,444 29,771 27,851
    塗料小計 59,695 58,880 56,449 55,685 57,419 54,755
    家庭用品小計 73,535 81,340 83,075 64,474 72,043 70,825
    室内消臭剤 28,896 27,044 35,159 25,498 32,183 28,112
    クリーナー 22,075 32,078 25,431 16,475 18,789 16,722
    洗濯用品 2,979 2,937 2,681 2,366 2,223 1,618
    人体用品小計 311,037 320,281 289,983 301,605 286,027 290,880
    ヘアスプレー 62,490 60,671 61,444 56,219 52,957 57,060
    一般頭髪用品 112,824 123,124 101,901 97,561 98,046 91,092
    シェービングクリーム 18,391 20,288 17,091 16,072 15,401 17,046
    医薬品 24,154 25,506 22,951 19,646 18,563 15,876
    制汗消臭剤 61,339 63,730 56,050 75,529 65,858 75,124
    工業用品小計 40,452 40,656 40,861 38,469 38,403 42,367
    防錆潤滑剤 15,539 17,798 19,383 18,019 18,663 22,727
    自動車用品小計 41,439 38,786 38,941 37,049 37,493 33,449
    自動車用くもり止め 3,846 3,087 3,489 2,871 2,402 2,339
    その他自動車用品 37,593 35,699 35,452 34,178 35,091 31,110
    その他(簡易消火具など)小計 13,052 14,280 12,794 13,385 14,840 16,324
    全エアゾール総計 607,474 633,953 613,311 591,781 574,226 576,907
  • 2003年の業界ハイライト

  • ●日本エアゾール協会は1月24日、都内で新年賀詞交歓会を開き、冨田猛由会長(東洋エアゾール工業相談役)は平成15年度の業界の重要課題として大型新規品の開発投入などによる市場の再生、使用済み缶の廃棄処理対策の進展を強調した。

    ●日本ガス機器検査協会は02年のカセットコンロ用ボンベの検査実績を1億2233万缶、前年比10・4%増と発表した。韓国からの輸入品の増加が背景にあるとの見方が大勢。

    ●環境対応の市場要求が高まるにつれ、圧縮ガス系エアゾール製品の年間製販量は強い増勢基調にある。本紙調査によると、液化ガスとの混合ガス品を含めて、窒素ガス処方品3600万缶、炭酸ガス2800万缶をはじめ、圧縮空気・ヘリウムその他で約6500万缶前後になったと観測されている。2連式染毛剤の増産が大きく貢献。

    ●経済産業省鋼工業動態調査室は2月中旬までに、化粧品統計の一環として、02年のへアスプレーの出荷数量は5420万6000缶(前年比1・9%増)、出荷金額は246億8800万円(同3・6%増)と発表した。

    ●環境省廃棄物・リサイクル対策部は2月20日、国会提出を予定している廃棄物処理・清掃法改正案に関連して、「適正処理困難物」を政令指定する条文を削除、見送る方針を明らかにした。使用済みエアゾール缶が指定対象製品のひとつに例示されていたことから、業界は強い反対を表明していた。

    ●日本エアゾール容器協議会(郡司実代表幹事)は02年のエアゾール容器生産量を5億9170万5000缶(前年比1・2%減)、バルブ生産量を6億1086万4000個(同2・7%減)と発表した。

    ●一液製品(ガス物商品)のトータル市場は、輸入品増が続くカセットコンロ用ガスボンベ1億2000万缶、堅調なカークーラー用サービス缶950万缶はじめ、ライター用ガスボンベ570万缶、トーチ用ガスボンベ480万缶、ブロワ―470万缶、キャンプ用ガスボンベ240万缶、スポーツ用冷却剤160万缶など1億5600万缶の市場を形成している(本紙調査)。

    ●日本エアゾール協会(冨田猛由会長)は4月23日理事会を開き、平成14年(1-12月)のエアゾール生産量を5億7422万6000缶(前年比3・0%減)と発表した。室内消臭剤が大幅増し、2連式染毛剤・泡状シャンプーなど大型量販品の投入があった一般頭髪用品が増勢に転じたが、殺虫剤・制汗消臭剤・ヘアスプレー・医薬品などの主要製品の不振が響いた。

    ●英国エアゾール協会(BAMA)は4月28日、02年の同国エアゾール生産量を14億1230万缶(前年比1・6%増)と発表した。人体用品部門の伸びが続いている。

    ●全米消費者用特殊製品協会(CSPA)は5月中旬に恒例のエアゾール部会中間総会を開き、02年の同国エアゾール生産量を35億1805万缶(前年比13・7%増)と発表した。これは従来の史上最高記録だった96年を9・6%上回るもので、驚異的な復活劇を印象づけた。ただ、高伸長の結果の出方について、調査方法の改良(変更)を指摘する声もある。

    ●日本エアゾール協会は5月28日都内で、第48回通常総会を開き、会長に冨田猛由氏(東洋エアゾール工業特別顧問)、副会長に南宣之氏(ダイゾー副社長)、小池清次氏(小池化学社長)を選任した。また、日本エアゾール・ヘアラッカー工業組合は5月22日、静岡県熱海市で第42回通常総会を開き、理事長に古谷二郎氏(ニューヘヤー化粧料本舗社長)、副理事長に松本幸康氏(花精化学工業社長)を選出した。

    ●独エアゾール協会(IGA)は5月26日、02年の同国エアゾール生産量を9億7300万缶(前年比1・9%増)と発表した。人体用品、殺虫剤が堅調に推移している。

    ●産業用ガスの大手、エア・ウォーター(本社・大阪市中央区東心斎橋、資本金155億1200万円、青木弘CEO)は6月5日までに、すでに傘下に収めているエアゾール充填3社(東京エアゾル化学、A・W・Iゾル、近畿エアゾル工業)の合併を10月1日に実現することを明らかにした。合併新社の社名は「エア・ウォーター・ゾル株式会社」、資本金は4億円(エア・ウォーターが100%出資)。新社長及び役員人事は8月15日現在、未定。

    ●エアゾール産業新聞社は、全国のエアゾール充填工場の確認調査を行ったが、03年7月現在、47工場となり、会社数で見ると、営業用生産している会社は42社。業務内容的に見ると、受託充填主体28社、自家充填主体14社である。

    ●フランス・エアゾール協会(CFA)は7月9日、同国の02年エアゾール生産量を5億3600万缶(前年比2.4%増)と発表した。医薬品が大幅に増加したのが目立つ。

    ●経産省鋼工業動態調査室は8月13日、化粧品の上半期統計を発表したが、このうち、ヘアスプレーは2723万3000個(缶)、112億9200万円となった。前年同期比では販売個数が11.3%、販売金額が0.6%増。一部に「ヘアスプレー復調の兆し」の見方も。

    ●産業用ガスの大手、エア・ウォーター(本社・大阪市中央区、青木弘CEO)は9月10日、グループ傘下のエアゾール充填3社を統合合併した新会社「エア・ウォーター・ゾル」の役員人事を発表した。初代社長には結城博夫氏(旧東京エアゾル化学社長)、常務取締役営業本部長に篠原幸雄氏(旧A.W.Iゾル専務)、同管理本部長に澤木暁氏(旧東京エアゾル化学取締役)が就任した

    ●03年の下半期のエアゾール市況は、冷夏に見舞われた制汗消臭剤や殺虫剤の動きが気になるが、ヘアスプレー、泡状スタイリング剤など頭髪用品を中心に大型新製品・リニューアル品の投入が活発化、50~100万缶クラスの中規模ロット品が相次いで投入されるなど、ようやく下げ止まり観測が強まってきた。

    ●欧州エアゾール連盟(FEA)は10月9日、02年の欧州エアゾール生産量を47億4576万3000缶、前年比1.5%増と発表した。同連盟に加入している20カ国の報告を集計したもので、史上最高を記録した。

    ●食品安全委員会は12月9日、エアゾール食品用プロペラント、亜酸化窒素(笑気ガス)の食品添加物指定に関して、12月17日の第3回添加物専門委員会で亜酸化窒素の食品健康評価を始めることを明らかにした。

    ●ポンプ製品市況は、03年の製販実績が4億9000万本(2000万本増)に達する見通しである。トリガーポンプの善戦、泡ポンプの拡大基調などで漸増傾向が続いている。ポンプメーカー各社が明らかにした。

  • 2002年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2003年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2003年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(冨田猛由会長=東洋エアゾール工業相談役)は4月23日(水)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成14(2002)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
     それによると、総生産数量は5億7,422万6,000缶、前年に比して3.0%の減少で、事前の予想よりも低い減少率でとどまった。昨年は個人消費の根強い底這い不況を背景基調にしながらも、2連式染毛剤の快走、室内消臭剤の大型品投入、洗鼻剤の開発ラッシュ、泡状頭髪品の量販品登場など有力な新企画・リニューアル品の投入は活発だったが、殺虫剤の生産調整減、6月低温による制汗消臭剤の減速の影響を埋め切れなかった。
     主要製品別に見ると、空間用殺虫剤14.4%減、塗布用殺虫剤18.3%減、塗料3.1%増、室内消臭剤26.2%増、クリーナー14.0%増、ヘアスプレー5.8%減、一般頭髪用品0.5%増、シェービングフォーム4.2%減、医薬品5.5%減、制汗消臭剤12.8%減、防錆潤滑剤3.6%増、くもり止め16.3%減 ─ である。
     室内消臭剤が快走、エアコン洗浄剤が復調機運に乗ったクリーナーが急伸、2連式染毛剤、泡状シャンプー・コンディショナーの大型量販品投入があった一般頭髪用品が微増に転じ、また有力銘柄が完成品輸入から国産化に移行した防錆潤滑剤や塗料の各品目が堅調に推移した。しかし、殺虫剤、制汗消臭剤、ヘアスプレー、シェービングフォーム、医薬品などの主要製品が不振で、3年連続の減少となった。

    2002年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 1998年 1999年 2000年 2001年 2002年
    殺虫剤小計 68,264 79,810 91,208 81,114 68,001
    空間用殺虫剤 40,174 49,851 51,254 44,670 38,230
    その他殺虫剤 28,090 29,959 39,954 36,444 29,771
    塗料小計 59,695 58,880 56,449 55,685 57,419
    家庭用品小計 73,535 81,340 83,075 64,474 72,043
    室内消臭剤 28,896 27,044 35,159 25,498 32,183
    クリーナー 22,075 32,078 25,431 16,475 18,789
    洗濯用品 2,979 2,937 2,681 2,366 2,223
    人体用品小計 311,037 320,281 289,983 301,605 286,027
    ヘアスプレー 62,490 60,671 61,444 56,219 52,957
    一般頭髪用品 112,824 123,124 101,901 97,561 98,046
    シェービングクリーム 18,391 20,288 17,091 16,072 15,401
    医薬品 24,154 25,506 22,951 19,646 18,563
    制汗消臭剤 61,339 63,730 56,050 75,529 65,858
    工業用品小計 40,452 40,656 40,861 38,469 38,403
    防錆潤滑剤 15,539 17,798 19,383 18,019 18,663
    自動車用品小計 41,439 38,786 38,941 37,049 37,493
    自動車用くもり止め 3,846 3,087 3,489 2,871 2,402
    その他自動車用品 37,593 35,699 35,452 34,178 35,091
    その他(簡易消火具など)小計 13,052 14,280 12,794 13,385 14,840
    全エアゾール総計 607,474 633,953 613,311 591,781 574,226
  • 2002年の業界ハイライト

  • ●エアゾール業界のグローバル対応は益々進展し、2大ローダーのタイ生産拠点構築に加え、有力ローダーの小池化学と韓国・大陸製缶、日本瓦斯と中国・ラーヤケミカル社との提携は、単なる技術援助から生産委託に向かっている。スズカファインも、中国・韓国のローダー数社との提携を模索している。

    ●フランス・エアゾール協会は7月11日、01年の同国エアゾール生産量は5億2,340万缶、前年比7・4%減と発表した。ヘアスプレー、泡状スタイリング剤などの大幅減が響いた。

    ●産業用ガスの大手、エア・ウォーターの傘下に入ったA・W・I・ゾルの新社長に寺田正志氏(前柏化学工業社長)、専務に篠原幸雄氏(エア・ウォーター産業事業部課長)がそれぞれ就任した。7月10日発表。

    ●厚生労働省食品保険部基準課は7月31日、エアゾール食品用プロペラント「亜酸化窒素(笑気ガス)」が新たに追加する食品添加物の指定候補リストに入っていることを明らかにした。薬事・衛生審議会の検討を経て、03年夏に許可される公算が高まっている。

    ●東京都23区の清掃事業を統括する「東京23区清掃協議会」は8月末からの1カ月間、都23区でエアゾール缶・カセットコンロボンベの使い切り排出キャンペーンを実施した。公共施設・集積場でのポスター掲示、収集車へのステッカー貼付、公共施設での小冊子配布による広報活動で、使い切り排出の徹底を図る。

    ●一方、同キャンペーン実施に伴い、同協議会から協力要請を受けたエアゾール製品処理対策協議会(事務局・日本エアゾール協会)は、台東・練馬両区で排出実態調査を行った。キャンペーン実施前と実施後にそれぞれ家庭から排出されたエアゾール缶等を試料として回収、キャンペーン効果を検証するが狙い。結果は12月をメドに報告書作成のため、まとめる。

    ●経産省鋼工業動態調査室は8月14日、化粧品統計の一環としてヘアスプレーの02年上半期(1―6月)の生産・出荷量は2,446万缶、112億2,300万円と発表した。前年同期比で販売個数が0・5%減、販売個数が2・5%増となった。関係筋は「下げ止まりの兆しも」とコメント。

    ●厚生労働省食品保険部基準課は9月11日、エアゾール食品用プロペラント、亜酸化窒素(笑気ガス)の食品添加物指定の共同申請を受理したことを明らかにした。共同申請していたのは、三栄源エフ・エフ・アイ、米国乳製品輸出協会、キョーワ工業、住友精化の4社。欧米ではエアゾール食品は巨大市場を形成しており、不況に見舞われている日本業界では、新たな起爆剤として大いに開発熱が高まりつつある。すでに水面下で乳業メーカーを中心に食品各社の商品開発の動きは激しくなっている。

    ●欧州エアゾール連盟(FEA)は10月24日、01年の欧州エアゾール生産量を46億7,583万1千缶、前年比4・2%増と発表した。同連盟に加盟する20カ国の年間生産量を集計報告したもの。英、独、伊、オランダなど各国が伸び、史上最高を記録した。

    ●石油輸入価格の急騰などを理由に、主要資材である脱臭LPGは11月出荷分からキロ15~20円、DMEは12月出荷分からキロ20円、HFC-134aは同80円の値上げを相次いで打ち出した。関係各社は、ユーザー筋と値上げ交渉に入っているが、業界は春先出荷に向けて繁忙期に入っており、苦境にたたされている。

    ●02年の日本のポンプ市場は、漸増基調で前年を上回る4億7,000万本前後の年間製販量に達する見込みである。3ccディスペンサーの下げ止まり、1ccディスペンサー・ローションポンプの堅実増、化粧品用途も含めたトリガータイプの善戦が要因に挙げられる。品種別の推定年間生産量はディスペンサーポンプ(3cc、1cc)約2億1千万本、フィンガースプレーポンプ約1億1,500万本、トリガーポンプ約8,800万本、ローションポンプ5,100万本、その他2,100万本である。

  • 2001年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2002年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2002年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(冨田猛由会長=東洋エアゾール工業相談役)は4月25日(木)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成13(2001)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
     それによると、総生産数量は5億9,178万1,000缶で、前年に比して3.5%の減少である。昨年はモノみな売れない消費の底這い不況を背景にしながらも、制汗消臭剤が快走、各種スキンケア剤・育毛トニック剤など有力な新企画品・リニューアル品の活発な投入が目立ったが、前年までに大ブレークした全量噴霧式くん蒸剤、エアコン洗浄剤の在庫調整による生産減、加速した在来品の目減りを埋めきれなかった。
     主要製品別に見ると、空間用殺虫剤12.8%増、塗布用殺虫剤8.8%減、塗料1.4%減、室内消臭剤27.5%減、クリーナー35.2%減、ヘアスプレー8.5%減、一般頭髪用品4.3%減、シェービングフォーム6.0%減、医薬品14.4%減、制汗消臭剤34.8%増、防錆潤滑剤7.0%減、くもり止め17.7%減 ─ である。
     制汗消臭剤が快走、各種スキンケア剤で大型有力品投入があった「その他人体用品」(20.2%増)が大幅に伸びたが、殺虫剤、塗料、室内消臭剤、クリーナー、ヘアスプレー、一般頭髪用品、シェービングフォーム、医薬品、防錆潤滑剤、くもり止めなど主要製品が軒並み不振だった。

    2001年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 1998年 1999年 2000年 2001年
    殺虫剤小計 68,264 79,810 91,208 81,114
    空間用殺虫剤 40,174 49,851 51,254 44,670
    その他殺虫剤 28,090 29,959 39,954 36,444
    塗料小計 59,695 58,880 56,449 55,685
    家庭用品小計 73,535 81,340 83,075 64,474
    室内消臭剤 28,896 27,044 35,159 25,498
    クリーナー 22,075 32,078 25,431 16,475
    洗濯用品 2,979 2,937 2,681 2,366
    人体用品小計 311,037 320,281 289,983 301,605
    ヘアスプレー 62,490 60,671 61,444 56,219
    一般頭髪用品 112,824 123,124 101,901 97,561
    シェービングクリーム 18,391 20,288 17,091 16,072
    医薬品 24,154 25,506 22,951 19,646
    制汗消臭剤 61,339 63,730 56,050 75,529
    工業用品小計 40,452 40,656 40,861 38,469
    防錆潤滑剤 15,539 17,798 19,383 18,019
    自動車用品小計 41,439 38,786 38,941 37,049
    自動車用くもり止め 3,846 3,087 3,489 2,871
    その他自動車用品 37,593 35,699 35,452 34,178
    その他(簡易消火具など)小計 13,052 14,280 12,794 13,385
    全エアゾール総計 607,474 633,953 613,311 591,781
  • 2001年の業界ハイライト

  • ●上半期のエアゾール市場は、制汗消臭剤、スキンケア剤の大型品投入などがリードしたが、在来品の目減りに加え、エアコン洗浄剤・全量噴霧式くん蒸殺虫剤の生産調整による減産を埋めきれず、前年同期比3~5%下回って推移していると、業界筋は観測。

    ●エアゾール産業新聞社は、都道府県高圧ガス担当課などの協力を得て、全国のエアゾール充填工場の確認調査を実施した。この結果、7月中旬現在、全国のエアゾール充填工場の所在数は52工場で、うち許可工場47、届け出工場5である。都道府県別では、埼玉及び大阪7、茨城6が上位である。

    ●エアゾール喘息薬メーカー、大日本製薬は8月8日、充填設備のある大阪工場の閉鎖に伴い、自家充填から撤退することを明らかにした。今後は英スリーエムからの輸入品「アイロミール」等の販売に専念する。

    ●ポンプメーカーの最大手、吉野工業所は9月、2001年の同社製各種ポンプ製品の製販量は、2億3千本、前年比約3%増になるとの見通しを明らかにした。しかし、厳しい低コスト要求が続き、金額的には3%減になる見込み。

    ●第23回FEA国際エアゾール会議(欧州エアゾール連盟主催、オランダ・エアゾール協会主管)が9月25-27日の3日間、オランダ・マーストリヒト市で35カ国約600名の世界の業界人を集め、盛大に開かれた。中身処方と部材開発が一体化した新機能商品投入で、欧州業界は安定した成長を遂げている。

    ●同国際会議に併設した商談ブースに、日本の専門会社として初めてダイゾー、三谷バルブの2社が出展して注目を集めた。

    ●大手ローダー、ダイゾーの南宣之副社長は9月26日記者会見し、同社7月期決算のエアゾール関連売上高は216億円(前期比8%減)、充填実績1億7,200万缶(同3.5%減)と発表した。

    ●産業ガスの大手、エア・ウォーター(本社・大阪市中央区東心斎橋、青木CEO)が柏化学の営業権を取得して設立した新会社「AWIゾル」は10月19日、茨城工場(同県東茨城郡美野里町)の竣工披露パーティーを開いた。同工場の生産能力は、エアゾール充填7ライン編成で年間3,650万缶、液充3ライン体制で同1,100万本である。

    ●有力ローダー、プレスコ(本社・東京都品川区)は11月12日、新高輪プリンスホテルに250名の招待客を集め、岡谷武彦新社長の披露パーティーを開いた。新社長は雅彦会長の子息で、43才。

    ●欧州エアゾール連盟(FEA)は10月25日、2000年の欧州エアゾール生産量を44億8834万缶9000缶、前年比2.0%増と発表した。同連盟に加盟する20カ国の報告を集計したもので、史上最高の記録となった。

    ●ポンプメーカー筋の情報を総合すると、2001年の各種ポンプの年間製販量は、約4億4000万本になる見通しで、主力の3ccディスペンサーが下げ止まりから反転したこともあり、微増の展開となっている。

    ●エア・ウォーターは11月26日、業界第3位の有力ローダー、東京エアゾル化学(本社・東京都豊島区南池袋、浅井伴泰社長)の発行済み株式を同30日をもって100%引き受け、取得することを明らかにした。すでに傘下に入っているAWIゾル、近畿エアゾル工業と合わせ、エア・ウォーターグループのエアゾール充填事業の売上高は111億円、年間充填量は5,000万缶を超える「新しい第3勢力の出現」となった。近年最大の衝撃的ニュースとして業界各方面に波紋を広げている。

  • 2000年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2001年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2001年5月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(冨田猛由会長=東洋エアゾール工業相談役)は4月26日(木)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成12(2000)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
     それによると、総生産数量は6億1,331万1,000缶で、前年に比して3.3%の減少である。昨年は根強い消費不況を背景にしながらも、春先は全量噴霧式ゴキブリ用くん蒸剤の大ブレーク、ハエ・カ用殺虫剤の快走で好出足を見せた。しかし、4月過ぎからトーンダウンし、下半期は底割れの展開となった。外用薬・室内消臭剤・パウダー型人体用害虫忌避剤・泡状スキンケア剤など新商品、リニューアル品の投入は活発だったが、頭髪用化粧品を先頭にした在来品のランニング注文が薄く、新製品のカラ振りによる減退をリカバリーできなかった。
     主要製品別に見ると、空間用殺虫剤2.8%増、塗布用殺虫剤33.4%増、塗料4.0%減、室内消臭剤30.0%増、クリーナー20.7%減、ヘアスプレー1.3%増、一般頭髪用品17.2%減、シェービングフォーム15.8%減、医薬品10.0%減、制汗消臭剤12.1%減、防錆潤滑剤8.9%増、くもり止め13.0%増 ─ である。
     塗布用殺虫剤、室内消臭剤が大幅に伸び、空間用殺虫剤、ヘアスプレー、防錆潤滑剤、くもり止めが堅調だったが、塗料、クリーナー、一般頭髪用品、医薬品、制汗消臭剤、シェービングフォームが不振だった。

    2000年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 1998年 1999年 2000年
    殺虫剤小計 68,264 79,810 91,208
    空間用殺虫剤 40,174 49,851 51,254
    その他殺虫剤 28,090 29,959 39,954
    塗料小計 59,695 58,880 56,449
    家庭用品小計 73,535 81,340 83,075
    室内消臭剤 28,896 27,044 35,159
    クリーナー 22,075 32,078 25,431
    洗濯用品 2,979 2,937 2,681
    人体用品小計 311,037 320,281 289,983
    ヘアスプレー 62,490 60,671 61,444
    一般頭髪用品 112,824 123,124 101,901
    シェービングクリーム 18,391 20,288 17,091
    医薬品 24,154 25,506 22,951
    制汗消臭剤 61,339 63,730 56,050
    工業用品小計 40,452 40,656 40,861
    防錆潤滑剤 15,539 17,798 19,383
    自動車用品小計 41,439 38,786 38,941
    自動車用くもり止め 3,846 3,087 3,489
    その他自動車用品 37,593 35,699 35,452
    その他(簡易消火具など)小計 13,052 14,280 12,794
    全エアゾール総計 607,474 633,953 613,311
  • 2000年の業界ハイライト

  • ●日本消防検定協会は1月10日までに、平成11年のエアゾール簡易消火具の鑑定実績を前年比1.2%増、48万4,279缶と発表した。

    ●大正製薬は1月14日、前年9月に撤退を表明した殺虫剤「ワイパア」ブランドの商標使用権を有償貸与することを明らかにした。販売に関する商標使用権は白元、製造に関する商標使用権は5社、特にエアゾール殺虫剤は小池化学に貸与する。

    ●日本エアゾール協会は1月21日、新年賀詞交換会を開き、冨田猛由会長(東洋エアゾール工業社長)は使用済みエアゾール缶の廃棄リサイクルシステムの構築を目指し、エアゾール剤型の優位性を活かした新商品の投入による市場の活性化を強調した。

    ●日本ガス機器検査協会が、カセットコンロ用ボンベの1999年の検査実績を前年比43.1%増、1億3,523万478缶になったと発表。史上最高の記録で、いわゆるY2K特需によるものである。

    ●日本アルコール販売は、エアゾール頭髪化粧品用アルコールの1999年販売実績を9,878キロリットル(前年比7.5%増)と発表した。

    ●前年から著しい市場拡大を見せていた全量噴霧式ゴキブリ用くん蒸剤は、春の生産出荷期を迎え、一段と大ブレークの展開となり、一気に2,000万缶の市場形成となった。アース製薬、中外製薬の2強を追い、殺虫剤大手の大日本除虫菊の参入で、熱い商戦の行方が注目されている。

    ●昨年、大ヒット商品となったエアゾール式エアコン洗浄剤は、その反落が懸念されていたが、予想以上の根強さを見せ、今季もアース製薬、小林製薬を軸に1,300万缶の市場配荷量となった。

    ●2月中旬に発表された通産省の化粧品統計によると、平成11年のヘアスプレー実績は販売個(缶)数は5,858万個(前年比0.7%減)、販売金額は262億円(同2.2%減)となった。

    ●エアゾール用脱臭LPGの1999年需要量は、関係筋の情報を総合すると、28,500―29,000万トンだったと推定される。エアコン洗浄剤や殺虫剤の増産が寄与したと見られる。

    ●日本エアゾール協会は3月15日、通産省の助成金を得て実施した「エアゾール缶等排出実施調査」の結果をまとめ、概要を発表した。東京都台東区、埼玉県川口市の計4ヶ所を対象に行ったもので、チラシやポスターによる事前の「使いきり排出」の啓発PRの有効性を強調している。

    ●エアゾール用DMEの1999年需要量は、関係筋が11,000トン前後と大幅増を観測している。全量噴霧式ゴキブリ用くん蒸剤向けの伸びが主因で、育毛トニック剤や外用薬への採用も定着しつつある。

    ●日本エアゾール容器協議会は5月18日、会員を対象にした平成11年生産実績が容器6億9,371万9千缶(同6.0%増)、バルブ7億441万1千個(同3,4%増)である。容器の用途別内訳けで見ると、一般用エアゾール缶は6億1,457万4千個(同6.0%増)、コンロ用ボンベ6,612万1千缶(同26.2%増)、サービス缶・ブロワ―は1,107万9千缶(同8.4%増)、その他194万5千缶(同10.1%減)である。コンロ用ボンベ向けが2ケタ増になったのは、Y2K特需によるものである。

    ●ポンプ製品市場は、詰め替え容器の普及が一段落し、前年の3億8千万本の製販量を上回る展開になっている、とりわけトリガー型の増勢基調が目立っている。

    ●エアゾール受託充填業界の最大手、東洋エアゾール工業の新社長に三宅浩一氏(前・東洋製罐取締役仙台工場長)が就任した。

    ●米欧主要各国のエアゾール協会は6月中旬までに1999年のエアゾール生産量を相次いで発表した。それによると、アメリカ32億230万缶(前年比2.1%増)、イギリス13億6,260万缶(同7.7%減)、ドイツ8億4,800万缶(同3.4%増)である。イギリスの減少は、医薬品の集計方法の変更によるもので、同分野を除くと3.0%増となる。

    ●受託充填業界の大手、大阪造船所(本社・大阪市港区福崎)は6月29日、臨時株主総会を開き、代表権をもった新社長に旧・日本債券信用銀行元頭取、東郷重興氏(57才)を選任した。また、8月1日から社名を「株式会社ダイゾー」に改称することを決めた。

    ●通産省化学統計調査室は8月中旬、平成12年上半期(1-6月)のヘアスプレーの出荷実績を2,529万2千個(缶)、113億4,300万円と発表した。前年同期比でみると、販売個数が7.4%、販売金額が6.0%といずれも減少した。

    ●通産省基礎産業局オゾン層保護対策室は8月30日、地球温暖化ガスHFC-134aの代替噴射剤として、サンプル供給が始まったHFC-152aにつき、評価する見方を示した。

    ●一気に大型市場に成長した全量噴霧式ゴキブリ用くん蒸剤は、関係各社の情報を総合すると、今季の生産量は2千万缶の大台にのり、大量の宣伝で店頭実販量は前季に比べ50%増になった模様である。

    ●藤沢薬品工業は9月11日、エアゾール喘息薬として初めて噴射剤にHFC-227eaを採用した新製品「インタール・エアロゾル」を開発市販した。喘息薬向けの代替フロンHFC-227eaの採用によって、喘息薬の代替品開発は新たな展開を見せている。

    ●受託充填業界の大手、ダイゾー(東郷重興社長)は9月27日、計画を進めていたタイのエアゾール充填工場建設を正式に発表した。同社のグローバル戦略の一環で、2001年夏をメドに工場の稼動を予定している。

    ●夏の商戦のあと、平成12年秋のローダー市況は、ハエ・蚊用殺虫剤の堅調、全量噴霧式くん蒸剤の大ブレーク、頭髪用化粧品の不振など、品目や銘柄によって”受注格差”がハッキリとした明暗入り交じる展開となった。全般的に前年比3-5%下回る動きとの観測が強まっている。しかし、外用薬・室内消臭剤・パウダー型人体用害虫忌避剤・泡状スキンケア剤の活況、洗鼻剤・靴下用消臭剤・化粧水など新しい有望商材の台頭など、平成13年上半期にかけての市況浮上を期待する向きが多い。

    ●容器包装リサイクル法の4月からの完全施行に対応して、肩カバーやスパウトなど取り外し容易なアタッチメント類の採用、プラスチック部材の減量化(肩カバー、収縮フィルムの廃止など)、ガス抜きキャップの採用など、業界の廃棄リサイクル対策が進展している。

    ●2年連続減退したポンプ製品市場は、秋の関係各社の観測によると、詰め替え容器の普及が一段落したことによる3ccディスペンサーの下げ止まりを主要因に、4億2千万本(前年は3億8千万本)前後と、年間製販量が復調する公算が濃厚である。トリガータイプの頭髪用・ボディ用化粧品への採用活発化も一因である。

    ●国民生活センター(糠谷真平理事長)は11月20日、日本エアゾール協会に対し、エアゾール製品の事故防止に関するテスト結果と要望書を送り、業界に協力を呼びかけた。業界への要望は、①安全性の高い原材料を使用した商品開発②「ガス抜きキャップ」など安全かつ容易にガスを抜くことができる構造③より具体的なガス抜き方法・適切な廃棄方法の表示④他剤型商品の選択肢を増やして欲しい――などである。

    ●欧州エアゾール連盟(FEA)は、1999年の欧州各国の統計生産量を43億9,888万缶、前年比0.2%減を発表した。ドイツが伸び、イギリス、フランスが減少した。12月末の異例の遅延発表である。

  • 1999年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2000年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2000年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(冨田猛由会長=東洋エアゾール工業社長)は4月20日(木)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成11(1999)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
     それによると、総生産数量は6億3,395万3千缶で、前年に比して4.4%の増加である。昨年は根強い消費不況を背景にしながらも、エアコン洗浄剤の爆発的な開発ブームと全量噴射のゴキブリ用くん蒸剤のヒットが、上半期の業界受注をリードし好出足を見せた。秋口には久しく不振だった泡状ヘアスタイリング剤がリバイバル的な動きを強め、育毛トニック剤・化粧水・外用薬・人体用害虫忌避剤など新企画品やリニューアル品の投入が活発だった。7月後半からの猛暑、9、10月の残暑で夏物商品の店頭消化が進んだのも好因で、通年では2年連続のマイナス成長から再浮上を果たした。
     主要製品別にみると、空間用殺虫剤24.1%増、塗布用殺虫剤6.7%増、塗料1.5%減、室内消臭剤6.4%減、クリーナー45.3%増、ヘアスプレー2.9%減、一般頭髪用品9.1%増、シェービングフォーム10.3%増、医薬品5.6%増、制汗消臭剤3.9%増、防錆潤滑剤14.5%増、くもり止め19.7%減 ─ である。
     空間用殺虫剤、クリーナーが大幅に伸び、一般頭髪用品が復調、塗布用殺虫剤、シェービングフォーム、医薬品、制汗消臭剤、防錆潤滑剤が堅調だったが、塗料、室内消臭剤、ヘアスプレー、くもり止めが不振だった。

    1999年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 1995年 1996年 1997年 1998年 1999年
    殺虫剤 50,419 66,397 51,407 68,264 79,810
    塗料 56,140 59,217 62,838 59,695 58,880
    室内消臭剤 22,570 31,229 27,002 28,896 27,044
    クリーナー 23,700 21,844 20,109 22,075 32,078
    洗濯用品 8,861 4,933 3,537 2,979 2,937
    ヘアスプレー 77,554 66,251 65,839 62,490 60,671
    一般頭髪用品 179,993 158,398 131,451 112,824 123,124
    シェービングクリーム 23,436 22,214 18,450 18,391 20,288
    医薬品 18,983 22,715 23,579 24,154 25,506
    制汗消臭剤 55,319 72,861 68,349 61,339 63,730
    防錆潤滑剤 22,239 16,640 16,139 15,539 17,798
    自動車用くもり止め 2,940 3,079 3,313 3,846 3,087
    その他自動車用品 39,847 43,764 38,890 37,593 35,699
    全エアゾール総計 669,010 682,811 621,170 607,474 633,953
  • 1999年の業界ハイライト

  • ●日本エアゾール協会は1月22日、新年賀詞交歓会を開いたが、冨田猛由会長はエアゾール剤型の優位性による市場成長力に自信を示すとともに、「ことしの業界の重要課題として使用済み缶の廃棄対策とHFC排出抑制策を挙げたい」と強調した。

    ●厚生省医薬安全局は1月28日、外用薬を中心にした一部医薬品を新医薬部外品に移行させ、コンビニなど一般小売店での販売を解禁した。4月から実施に入ったが、エアゾール外用薬の開発にも拍車がかかると期待されている。

    ●泡状タイヤクリーナーの特許係争で、特許審判で勝訴したタイホー工業(小坂田弘三社長)は、呉工業を相手取り損害賠償請求、製造差し止めを求めて告訴した。2月末から東京地裁で口頭弁論が進められているが、タイホー工業は呉工業に続き、ジョンソンにも訴訟を起こした。

    ●春の新製品開発は前年に比べ活発で、期待商材としてエアコン洗浄剤・全量噴射のゴキブリ用くん蒸剤・網戸用殺虫剤・頭皮用ローション・化粧水など注目されている。

    ●最大手ローダー・東洋エアゾール工業(冨田猛由社長)は2月21日、本社・筑波工場を対象に、業界で初めてISO9001の認証を取得したと発表した。

    ●容器包装リサイクル法対策として、アクチュエ-ターやスパウト、肩カバーなど取り外しが容易なアタッチメント類の採用が加速している。また、ガス抜き機構の採用も目立ち始めた。

    ●岩谷産業(楊井立夫社長)は、富士車輌(新谷栄資社長)と共同で、使用済み缶を大量かつ安全に処理し、缶素材のリサイクルを可能にする世界初の大型本格機を開発した。この廃棄処理機は、4月から千葉県松戸市の廃棄物処理センターで実証運転を行っている。

    ●コヤマエアゾール工業(本社・東大阪市、小山雅也社長)は4月26日、大阪地裁に自己破産を申請した。負債総額は約90億円で、専業度の高い会社としては近年にない大型倒産で、業界周辺に大きな衝撃を与えた。

    ●日本エアゾール協会(加盟58社)は5月21日、第44回通常総会を開き、廃棄処理対策を重視する新年事業計画を満場一致で可決した。

    ●東京都清掃局は5月30日、使用済みエアゾール缶(カセットコンロ用ボンベ含む)の廃棄方法として都が従来指導してきた「穴開け廃棄」から「使い切り排出」へ正式に転換することを表明した。都消防庁も交えた長年の業界との話し合いの結果であり、全国各紙、TVなどマスコミにも取り上げられ、話題となった。

    ●6月5日に起きた埼玉県幸手市内のエアゾール殺虫剤大量爆発事故で、自治省消防庁が消防法関連法規の周知徹底や保管管理の強化を業界に呼び掛けるとともに、「配荷前の完成品の一時保管のあり方」を改めて問う結果を生んでいる。

    ●ことし上半期の最大の話題新商品となったエアコン洗浄剤は、20社近いメーカーが市場参入し、一気に製販量が1,200万缶を超え、開発市販にラッシュが続いている。

    ●1998年の米欧主要国のエアゾール生産量は、アメリカ31億3,500万缶(前年比1.2%増)、イギリス14億7,600万缶(同3%減)、ドイツ8億2,000万缶(同4.5%増)、フランス5億4,500万缶(同2.8%増)と記録がまとまった。

    ●日本エアゾール容器協議会は7月6日、平成10年のエアゾール容器(カセットコンロ用ボンベなど一液製品用を含む)とエアゾールバルブ(同)の生産実績を発表した。容器は6億4,470万缶(前年比3.4%減)、バルブは6億8,272個(同1.4%減)である。

    ●欧州エアゾール連盟(FEA)は8月2日、1998年の欧州エアゾール生産量を44億670万缶(前年比2.3%増)と発表した。この統計は、同連盟に加盟する20ヶ国からの報告を集計したもの。

    ●関西地区の有力ローダー、日進化学(本社・大阪市中央区内淡路町、高田晴之社長)は、7月15日に品質管理システムの国際規格ISO9001を認証取得した。エアゾール受託充填業界では、東洋エアゾール工業に続き、2番手の取得である。

    ●ポンプメーカーの最大手、吉野工業所(本社・東京都江東区大島、吉野祥一郎社長)は8月2日、同社のポンプ専用工場である小川第二工場(栃木県那須郡小川町)が6月18日にISO9002を認証取得したと発表した。ポンプメーカーでは初取得。

    ●厚生省の薬事工業生産動統計によると、平成10年のエアゾール剤の出荷金額は、医薬品166億円、部外品469億円、殺虫剤128億円であった。

    ●エアゾール産業新聞社の業界実態調査によると、全国のエアゾール充填―同工場は52カ所あり、うち許可工場が47、届け出が5である。

    ●エアゾール充填業界の有力社車同士である小池化学(本社・東京都墨田区錦糸町、小池清次社長)と柏化学(本社・千葉県柏市高田、熊谷泰治社長)は9月6日、両社がカセットコンロ用ボンベに関する製造提携を結んだことを明らかにした。激しい安値販売競争の市場立て直しを志向した側面もある。

    ●大正製薬(本社・東京都豊島区高田、上原明社長)は9月16日、「ワイパアゾル」ブランドなどで長年エアゾール業界にも親しまれていた殺虫剤事業から撤退すると発表し、業界筋に大きな衝撃を与えた。

    ●ギリシアのアテネで開かれるFEA国際エアゾール会議および同展示会(欧州エアゾール連盟主催)への参加を目的とする日本代表団は9月20日、12日間の日程で東京成田空港から出発した。

    ●エアゾール式エアコン洗浄剤が爆発的な開発市販ブームとなり、15、6社が参入し、業界筋の一般的な観測では、一気に年間製販量が1,700~1,800万缶に達した。

    ●ローダー(受託充填)業界の大手、大阪造船所は、10月28日株主総会後の取締役会で、南尚社長の会長就任、南宣之副社長の社長就任を決めた。また、日銀出身で元阪和銀行頭取代行を代表権をもった社長代行に迎えた。

    ●1999年のポンプ製品市場は、関係各筋を総合すると、3億8千万本前後(98年は4億本前後)と、2年連続の減少になった模様である。目立った新規品がなく、全般的な消費も低迷。省資源目的(廃棄物削減)の詰め替え容器の急速な普及が、さらに要因として重なった。

    ●日本エアゾール協会(冨田猛由会長)は11月、使用済みエアゾール缶対策と焦点となっている中身残留缶(家庭廃棄品)廃棄実態調査と、残留缶の廃棄率を引き下げの推進を図るため、「エアゾール缶等廃棄適正処理推進委員会」(野村好弘委員長=東京都立大学教授)を設置した。通産省から助成金(研究調査費)を受けての行うもの。

  • 1998年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(1999年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙1999年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(冨田猛由会長=東洋エアゾール工業社長)は4月21日(水)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成10(1998)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
     それによると、総生産数量は6億0,747万4千缶で、前年に比して2.2%の減少である。昨年は春先から空間(ハエ・カ)用殺虫剤の新規充填量が完全復調し、スタートの動きはまずまずで、二連式や低コスト2重容器採用の染毛剤など新規性を持った企画品、差別化を狙ったリニューアル品の投入は活発であった。しかし、長引く底這いの景況が続き、小売店頭での品物ハケの悪さが逆流する形で業界受注に反映、頭髪化粧品を中心に主要製品が減退した。11月から年末出荷に向けて盛り返したものの、通年では2年連続の前年割れとなった。
     主要製品別にみると、空間用殺虫剤32.6%増、塗布用殺虫剤33.1%増、塗料5.0%減、室内消臭剤7.0%増、クリーナー9.8%増、洗濯用品15.8%減、ヘアスプレー5.1%減、一般頭髪用品14.2%減、シェービングフォーム0.3%減、医薬品2.4%増、制汗消臭剤10.3%減、防錆潤滑剤3.7%減、くもり止め16.1%増 ─ である。
     空間・塗布用殺虫剤が大幅に伸び、室内消臭剤、クリーナー、医薬品、くもり止めが堅調、一般頭髪用品、制汗消臭剤、ヘアスプレー、塗料、防錆潤滑剤が不振だった。

    1998年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 1995年 1996年 1997年 1998年
    殺虫剤 50,419 66,397 51,407 68,264
    塗料 56,140 59,217 62,838 59,695
    室内消臭剤 22,570 31,229 27,002 28,896
    クリーナー 23,700 21,844 20,109 22,075
    洗濯用品 8,861 4,933 3,537 2,979
    ヘアスプレー 77,554 66,251 65,839 62,490
    一般頭髪用品 179,993 158,398 131,451 112,824
    シェービングクリーム 23,436 22,214 18,450 18,391
    医薬品 18,983 22,715 23,579 24,154
    制汗消臭剤 55,319 72,861 68,349 61,339
    防錆潤滑剤 22,239 16,640 16,139 15,539
    自動車用くもり止め 2,940 3,079 3,313 3,846
    その他自動車用品 39,847 43,764 38,890 37,593
    全エアゾール総計 669,010 682,811 621,170 607,474
  • 1998年の主な動きハイライト

  • ●1月19日、日本エアゾール協会主催の業界新年賀詞交歓会で、冨田猛由同会々長(東洋エアゾール工業社長)は、当面の業界課題として、環境対応・安全品で「脱不況」を図り、使用済み缶の廃棄対策を最重視すること強調した。

    ●関東地区の有力ローダーの老舗、釜屋化学工業(本社・東京都台東区浅草橋)は1月21日、取締役会を開き、エアゾール事業部門からの撤退を決めた。同社の小室裕一社長は、「不採算部門の整理」と説明、6月をメドに埼玉県与野市のエアゾール充填工場の閉鎖を明らかにした。

    ●業界関係筋の情報を総合すると、一液製品(ガス物商品)の市場規模は、前年を上回り、1億3,300万前後と推定される(2月調査)。不況にもかかわらず、ブロワー・トーチ用ボンベ・キャンピング用ガスボンベなどが底固く伸びている。

    ●新商品開発と連動した新部材提供の動きとして、新しいエアゾール用バルブの開発が注目を集めている。圧縮ガス用流量調整バルブ・簡易定量バルブ・噴射量可変バルブ・遅延噴射バルブ・樹脂バルブ・新ティルト型バルブなど、十指にのぼる。

    ●米カリフォルニア州大気保全局(CARB)による55%VOC含有ヘアスプレー規制は、事実上の実施時期が99年6月からとなった。

    ●フットケア関連のエアゾール商品が、開発ブームになって市場が急伸した。年間製販量が1,000万缶に迫る勢いで、足臭防止剤はじめ脚用ひきしめ剤、同ファンデーションなど新製品の投入や増販が続いた。

    ●容器包装リサイクル法対策の一環として、ボタンやスパウト・肩カバーなどアタッチメント類を簡単に取り外せる機構を採用する動きが強まっている。ライオン、資生堂、サンデーペイントなどが先行導入している。

    ●日本エアゾール協会は4月10日、「エアゾール関連産業におけるHFCの使用に関する自主行動計画」を策定し、公表した。同会内に「地球温暖化対策連絡会」を設置、ダストブロアーなどを中心にHFC134aの業界使用量を2010年までに30%削減するなど、種々の排出抑制管理を徹底する。

    ●日本エアゾール協会(冨田猛由会長・加盟62社)は5月21日に第43回通常総会を開き、使用済み缶の適正な廃棄対策を重視し、消費者PRを強化するとともに、地球温暖化防止のため代替フロンHFCの業界自主管理を推進することとなった。

    ●カセットコンロ及び同ボンベの最大手ブランドメーカー、岩谷産業(揚井立夫社長)と、コンロ用ボンベの有力充填メーカーである小池化学(神山欣一社長)が、業務提携したと発表。7月1日から小池化学は、販売子会社「アゲオ」の商標・商圏を岩谷産業に譲渡し、充填生産に専念する。この業務提携の背景には、長年の同市場のローコスト競争、サバイバル競争がある。

    ●東洋エアゾール工業(冨田猛由社長)がかねて建設中だった三重新工場(同県上野市ゆめが丘)は、10月から稼働を始めた。最新鋭大型の原液調合設備を導入、1棟内で効率的なクローズド生産を行い、6ライン編成による年産1億1千万缶を目指す。

    ●97年まで市場成長を続けてきたポンプ製品市況は、消費市況を背景に、ブランドメーカー筋の買い控え、詰め替え容器の普及、O(オー)157絡みの特需反動などでスローダウンし、98年の年間製販量は4億本前後に落ち込んだと関係各社は観測している。

    ●新部材と連動した新商品開発の動きが浸透し、低コスト二重容器+窒素ガスによるジェル状品、全量噴射のゴキブリ用くん蒸剤、家庭用エアコン洗浄剤、網戸用殺虫防虫剤など期待商材、有望商材が台頭、11月過ぎから底入れ感が出てきた。

    ●エアゾール式泡状タイヤクリーナーの特許を取得したタイホー工業は、同製品を販売している有力7社に損害賠償請求・製造販売差し止めの警告書を送り、訴訟を起こす構えをみせている。これに対し、12月初旬現在、7社は無効審判訴訟で対抗する動きと、販売を中止してタイホー工業と和解する動きに二分している。

    ●清掃局に加え、3月から生活文化局とも協議が続いているが、東京都と業界は使用済みエアゾール缶の安全対策の一環として、廃棄処理問題をめぐって議論を重ねてきた。都清掃局は、かねて23区に「穴あけ」廃棄を指導してきたが、業界代表は事故発生防止の観点から消費者PRによる「使い切り」廃棄による理解を示しているが、一方で、中身残留の処理につき、業界(事業者)の強力を要請している。12月15日の会合では、報告書の作成に絡み、今後議論を詰めていくことになった。

  • 1997年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(1998年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙1998年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(冨田猛由会長=東洋エアゾール工業社長)は4月21日(火)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成9(1997)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
     それによると、総生産数量は6億2,117万缶で、前年に比して9.0%の減少である。昨年はスタートの動きはまずまずで、染毛剤などバラエティーに富んだ新製品、リニューアル品の開発市販は活発だった。しかし、個人消費を中心とした景気の低迷により、中盤から生産調整が出始め、通年では頭髪化粧品主流の不振と夏物商品の落ち込みを埋めきれず、18年ぶりの前年割れとなった。金融破たんなど経済変調が不況を加速し、右肩上がりの基調できた業界は、初めて実質的なマイナス成長を経験する結果となった。
     主要製品別にみると、空間用殺虫剤31.9%減、塗布用殺虫剤3.5%減、塗料6.1%増、室内消臭剤13.5%減、クリーナー7.9%減、洗濯用品28.3%減、ヘアスプレー0.6%減、一般頭髪用品17.0%減、シェービングフォーム16.9%減、医薬品3.8%増、制汗消臭剤6.2%減、防錆潤滑剤3.0%減、くもり止め7.6%増 ─ である。
     塗料、医薬品、くもり止めが堅調で伸びたが、一般頭髪用品、空間用殺虫剤の落ち込みが大きく、家庭用品、自動車用品も不振だった。

    1997年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 1995年 1996年 1997年
    殺虫剤 50,419 66,397 51,407
    塗料 56,140 59,217 62,838
    室内消臭剤 22,570 31,229 27,002
    クリーナー 23,700 21,844 20,109
    洗濯用品 8,861 4,933 3,537
    ヘアスプレー 77,554 66,251 65,839
    一般頭髪用品 179,993 158,398 131,451
    シェービングクリーム 23,436 22,214 18,450
    医薬品 18,983 22,715 23,579
    制汗消臭剤 55,319 72,861 68,349
    防錆潤滑剤 22,239 16,640 16,139
    自動車用くもり止め 2,940 3,079 3,313
    その他自動車用品 39,847 43,764 38,890
    全エアゾール総計 669,010 682,811 621,170
  • 1997年生産統計の一口メモ特集(1998年6月)

  • 関係官庁・団体発表順

    ●日本消防検定協会は、1997年のエアゾール簡易消火具の鑑定依頼個数を47万9,733缶(前年比12.9%減)と発表した(1月)。

    ●日本アルコール販売は、昨97年のエアゾール頭髪化粧品用アルコールの売捌実績を9,535キロリットル(前年比8.7%減)と発表した。同実績は、へアスプレーを中心にした市場実勢を反映するもの。

    ●日本ガス機器検査協会はの発表によると、カセットコンロ用ボンベの検査実績は、97年は1億564万1,586缶、前年比8.7%増となった。2年振りで再び1億缶の大台に回復した。

    ●通産省の化粧品統計によると、ヘアスプレーの97年製造販売実績は、5,695万5千缶(前年比11.9%減)・264億6,600万円(同13.8%減)だった(2月)。

    ●日本エアゾール協会は、97年の輸入エアゾール製品の検査総件数が、589件で前年より20.0%の大幅減となったことを明らかにした。相手国別では米国が55%を超えて第1位、品種別では家庭用品・工業用品が同率第1位であった(4月)。

    ●全米特殊化学品製造者協会(CSMA)は、4月末の中間総会で、米国の97年エアゾール生産量を30億9,970万缶と発表した。これは、前年に比して3.5%減であったが、史上第2位の記録である。

    ●独エアゾール協会(IGA)は、ドイツの97年エアゾール生産量が7億8,400万缶で、前年に比べ3.8%増加したと発表した(6月)。

    ●英国エアゾール協会(BAMA)は7月2日、同国の1997年エアゾール生産量を15億2,100万缶(前年比5.5%増)と発表した。制汗消臭剤やヘアスプレーなど人体用品分野が伸び、全体市場の62%を占めた。

    ●フランス・エアゾール協会(CFA)は7月下旬、1997年の同国エアゾール生産量を5億2,990万缶(前年比0.6%増)と発表した。全体の57%を占める人体用品は微増だったが、医薬品、自動車用品、工業用品が伸びた。

    ●欧州エアゾール連盟(FEA)は、加盟20カ国の1997年エアゾール生産量を43億81万6千缶(前年比3.5%増)であることを明らかにした。イギリス、ドイツ、フランス、イタリア、オランダが成長し、人体用品分野が54%を占めた(8月)。

  • 1997年の主要な動きハイライト(1998年1月)

  • ①安全性・環境対応を背景として、本紙調査では圧縮ガス系製品が5300万缶(うち窒素ガス処方品2600万缶、炭酸ガス処方品2600万缶、その他100万缶)を超え、開発市販の動きが強まっていることがわかった(1月)。

    ②カセットコンロ用ボンベの充填各社は、輸入LPGの高騰を理由に、1月製造分から製品単価を5-8円値上げすることを相次いで表明した(1月)。

    ③北海製罐(本社・東京都千代田区丸の内、輪島嘉視社長)は、粉体塗料による内面塗装の新しいエアゾール用ブリキ缶の企業化に世界で初めて成功した。頭髪用ムース剤など水性処方品に対応するもので、アルミ缶に比べ低コストのブリキ・ネックイン缶として販売を始めることを発表(2月)。

    ④通産・環境両省庁は、気候変動枠組み条約(地球温暖化防止条約)の通報義務に基づく国別報告書の中で、温室効果ガスであるHFC-134aについても、一定の規制措置を導入する方向で検討を進めていることを表明すると明らかにした。このため通産省は、エアゾール業界にも使用に関する「自主管理案」の作成を要請している(2月)。

    ⑤フットケア商品の開発投入は、足臭防止剤、脚用ひきしめ剤などに活発な動きが続き、今春800万缶規模の市場に拡大してきた(3月)。

    ⑥医薬品の中堅メーカー、トーアエイヨー(本社・東京都中央区京橋、辻和之社長)は、噴射剤にHFC-134aを採用したエアゾール狭心症薬「ミオコールスプレー」を発売することを発表した。日本では初。

    ⑦O(オー)157がらみで、エアゾール除菌関連製品は、夏に向けて新規銘柄の参入が殺到し、昨年の1100万缶(推定)を上回るのは、ほぼ確実。ポンプ志向が強まり、商戦はオーバーヒート気味で推移している(4-6月)。

    ⑧日本エアゾール協会が首都圏11都市を対象に実施した使用済みエアゾール缶の廃棄処理調査では、収集缶の穴開け実行率は22%と低い。半面、穴開けなし缶の内容物残存率は、5%以下が72%弱、10%以下が83%と判明した(5月)。

    ⑨通産省保安課は、エアゾール製品の法定表示改正に関する告示を9月末か10月初旬に官報公布する予定であることを言明した(5月)。

    ⑩本紙が実施した業界実態調査では、営業用生産しているエアゾール充填工場は全国で57、うち許可工場が52、届け出工場が5である。会社数は50社(6月)。

    ⑪流通返品など大量廃棄に絡む産業廃棄物処理業者の事故多発を防止するため、七月初旬、エアゾール製品処理対策協議会は自主基準案をつくり、通産省、厚生省の了承を得た。11月21日、「安全廃棄処理指針」として関係業者に配布、安全確保の徹底を図った。

    ⑫大日本製薬(本社・大阪市、渡守武健社長)が輸入申請していた、噴射剤にHFC-134aを採用したエアゾール定量噴霧喘息薬「アイロミール」が、厚生省から正式に許可を受けた。7月11日明らかになったもので、喘息薬では初の認可である。

    ⑬日本エアゾール協会は、首都圏の資源ゴミ収集9市における、収集時及び中間処理時の事故の状況、排出されたエアゾール缶の実態調査を行い、9市では収集時における事故は発生していないとの報告書をまとめた。同会は9月に同報告書の要約版「エアゾール缶の安全で適切な処理について」をつくり、全国の3,243自治体に配布した。

    ⑭通産省は、エアゾール製品の法定表示改正に関する同省告示(第517号)を9月17日に官報公布した。従来の「可燃性火気注意」を「火気と高温に注意」に変えるなど高温域での消費者の取り扱いがポイント。

    ⑮規制緩和により圧縮ガスのみを噴射剤に用いるエアゾールは、高温ガス保安法の対象外になったが、業界としては加圧製品の安全確保のため、自主基準を制定し、10月から通産省の了承を得て実施に入っている。これにより、業界各社の「環境対応」商品の開発に拍車がかかると期待されている。

    ⑯業界の最大手ローダー、東洋エアゾール工業(冨田猛由社長)は、建設中の三重工場(同県上野市ゆめが丘)がGMP基準の「21世紀対応」最新鋭大型工場を目指し、エアゾール充填6ラインを導入、生産能力は年間1億1万缶、98年12月稼働を計画していると発表した。

    ⑰第12回国際エアゾール会議(欧州エアゾール連盟主催)が10月7-9日イタリア・ベネチアで開かれ、日本代表団16氏も参加した。英国を中心に伸長するヨーロッパ市場を背景に、欧州業界関係者は強い自信を示した。

    ⑱エアゾール技術の世界的な権威、M.A.ジョンセン氏(米コンサルタント)が来日し、11月18日「エアゾール産業における最近の技術進歩と直面する課題」と題する講演会を開いた。日本エアゾール協会と本紙の初の共催によるもので、約180名の聴講者に深い感銘を与えた。

    ⑲廃棄事故対策や容器包装リサイクル法などへの対応の観点から、エアゾール充填工場が廃棄処理設備の増強や関連機器の導入に積極的に取り組む動きが出てきた。

    ⑳関係筋の情報を総合すると、日本のポンプ市場は大きく市場拡大し、平成9年は4億2,000万~4億3,000万本に達する見通し。参入が本格化するトリガータイプはじめ、泡ポンプ、高粘度用ポンプ(HVD)、スプレーポンプ、ワンドロップポンプの大型採用品があり、除菌消臭剤がらみで1ccポンプが急伸している。

    ⑳東京都清掃局、東京都消防庁、日本エアゾール協会、日本ガス機器工業会は、家庭排出時の消費者への「穴開け」指導の是非を検討し、平成10年中には「エアゾール缶等適正処理指導指針」をまとめることになった。このための検討委員会を9月に発足させ、その後、随時会合を重ねている。

  • 1996年生産統計の一口メモ特集(1997年5月)

  • 関係官庁・団体発表順

    ●エアゾール簡易消火具の鑑定実績は、55万1114缶、前年比22.0%減となった(日本消防検定協会)。

    ●カセットコンロ用ボンベの検査実績は、9745万9000缶、同19.5%減と、前年の阪神大震災の仮需反動で大きく後退した(日本ガス機器検査協会)。

    ●化粧品の総販売高は、1兆4621億1100万円、同2.4%増だったが、ヘアスプレーの販売高は、307億1900万円、同7.2%減となった。また、ヘアスプレーの販売個数は、6462万5000缶、同16.8%減(通産省化学工業月報)。

    ●エアゾール用フルオロカーボンの出荷量は、1087トン、同10.5%減。特定フロン(CFC)の全廃と、一液製品を中心にしたHFC-134aの代替需要が一巡し、再び減少に転じた(同)。

    ●エアゾール輸入品の検査依頼件数は、736件で、前年より11.5%増えた(日本エアゾール協会)。

    ●英国のエアゾール生産量は、14億4200万缶、同16.0%増と、前年に続く高伸長を示した。多国籍有名ブランドメーカーの同国内での生産集中が主因(BAMA:英国エアゾール協会)。

    ●米国のエアゾール生産量は、32億1100万缶、同7.0%増と、市場の再浮上で史上最高となった。塗料・家庭用品・殺虫剤が伸びた(CSMA:全米特殊化学品製造者協会)。

    ●ドイツのエアゾ-ル生産量は、7億5500万缶で、前年比4.9%増と、再び市場は上昇に転じた(IGA:独エアゾール協会)。