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日本におけるエアゾール・ポンプ関連市場のWEBニュース

更新日:2024.3.15(「エアゾール&受託製造産業新聞」記事から抜粋)

  • 2023年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2024年3月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2024年3月15日号掲載)

    日本エアゾール協会(杉山雅人会長=東洋エアゾール工業社長)は3月8日(金)、かねて同会事務局が調査していた2023年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
    それによると、総生産数量は4億8312万6千缶で、前年に比して2.4%の減少となった。
    主な製品分野の増減率は、殺虫剤14.4%減、塗料1.1%減、室内消臭剤13.3%増、クリーナー11.9%減、ヘアスプレー4.1%減、一般頭髪用品(染毛剤、整髪料、育毛剤など)は0.5%増、シェービングフォーム22.3%増、医薬品18.9%増、制汗消臭剤8.1%増、工業用品4.2%減(うち防錆潤滑剤7.6%減)、自動車用品5.0%減であった。
    昨年の市況の主な特徴を挙げると、在庫調整のあった殺虫剤、室内消臭剤、クリーナー(主にエアコン洗浄剤)、その他家庭用品(防水剤など)が2桁減、半導体問題が夏頃まで尾を引いた自動車・工業用品も5%前後のマイナスとなった。一方、人体用品は、前年大幅回復を果たしたヘアスプレーが微減も、他の人体用品は軒並み好調、コロナ禍の停滞から大幅回復した。

    2023年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
    殺虫剤小計 79,786 69,069 84,567 89,808 77,632 66,428
    ハエ・カ用殺虫剤 50,692 43,765 51,808 56,963 46,465 36,641
    その他殺虫剤 29,094 25,304 32,759 32,845 31,167 29,787
    塗料小計 41,927 42,562 43,646 47,176 43,491 42,992
    家庭用品小計 76,450 76,223 80,354 72,671 69,405 61,611
    室内消臭剤 34,320 32,583 34,040 30,159 32,767 28,416
    クリーナー 15,902 17,065 19,311 18,959 15,639 13,782
    その他家庭用品 25,103 24,032 26,155 22,723 20,395 18,274
    人体用品小計 273,750 271,042 229,838 225,374 232,010 243,398
    ヘアスプレー 61,789 63,973 44,575 46,296 54,263 52,035
    一般頭髪用品 90,125 90,011 91,735 95,491 90,017 90,462
    シェービングクリーム 6,863 6,961 5,507 4,941 5,078 6,209
    医薬品 12,046 11,709 8,670 7,153 7,903 9,397
    制汗消臭剤 31,562 39,188 27,129 24,112 24,177 26,139
    その他人体用品 70,456 58,663 51,820 47,026 50,246 58,785
    工業用品小計 37,220 36,999 32,676 38,026 35,860 34,336
    防錆潤滑剤 19,243 20,083 16,891 20,754 18,920 17,478
    自動車用品小計 21,272 20,707 23,505 27,031 25,333 24,059
    自動車用くもり止め 702 345 467 460 472 436
    その他自動車用品 20,570 20,362 23,038 26,571 24,861 23,623
    その他(簡易消火具など)小計 10,167 10,712 10,758 11,588 11,037 10,302
    全エアゾール総計 540,572 527,314 505,344 511,674 494,768

    483,126

  • 2022年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2023年3月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2023年3月15日号掲載)

    日本エアゾール協会(杉山雅人会長=東洋エアゾール工業社長)は3月10日(金)、かねて同会事務局が調査していた2022年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
    それによると、総生産数量は4億9476万8千缶で、前年に比して3.3%の減少となった。
    主な製品分野の増減率は、殺虫剤13.6%減、塗料7.8%減、室内消臭剤8.6%増、クリーナー17.5%減、ヘアスプレーは17.2%増、一般頭髪用品(染毛剤、整髪料、育毛剤など)5.7%減、シェービングフォーム2.8%増、医薬品10.5%増、制汗消臭剤0.3%増、工業用品5.7%減(うち防錆潤滑剤8.8%減)、自動車用品6.3%減であった。
    昨年の市況の主な特徴を挙げると、殺虫剤、塗料、クリーナー(主にエアコン洗浄剤)、一般頭髪用品(主に染毛剤)市場が在庫調整で前年割れとなった。一方、ヘアスプレーや医薬品、その他人体用品(主にUVスプレー)は前年比プラスに回復したが、人体用品全体では2.9%の回復に留まった。室内消臭剤はトイレ用消臭剤の生産回復により復調した。工業用品や自動車用品は半導体不足の長期化等が響いている。

    2022年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年 2022年
    殺虫剤小計 81,685 79,786 69,069 84,567 89,808 77,632
    ハエ・カ用殺虫剤 53,246 50,692 43,765 51,808 56,963 46,465
    その他殺虫剤 28,399 29,094 25,304 32,759 32,845 31,167
    塗料小計 42,549 41,927 42,562 43,646 47,176 43,491
    家庭用品小計 74,795 76,450 76,223 80,354 72,671 69,405
    室内消臭剤 33,293 34,320 32,583 34,040 30,159 32,767
    クリーナー 14,277 15,902 17,065 19,311 18,959 15,639
    その他家庭用品 25,814 25,103 24,032 26,155 22,723 20,395
    人体用品小計 267,952 273,750 271,042 229,838 225,374 232,010
    ヘアスプレー 64,664 61,789 63,973 44,575 46,296 54,263
    一般頭髪用品 93,350 90,125 90,011 91,735 95,491 90,017
    シェービングクリーム 7,162 6,863 6,961 5,507 4,941 5,078
    医薬品 8,293 12,046 11,709 8,670 7,153 7,903
    制汗消臭剤 38,250 31,562 39,188 27,129 24,112 24,177
    その他人体用品 55,604 70,456 58,663 51,820 47,026 50,246
    工業用品小計 35,336 37,220 36,999 32,676 38,026 35,860
    防錆潤滑剤 19,220 19,243 20,083 16,891 20,754 18,920
    自動車用品小計 20,310 21,272 20,707 23,505 27,031 25,333
    自動車用くもり止め 540 702 345 467 460 472
    その他自動車用品 19,770 20,570 20,362 23,038 26,571 24,861
    その他(簡易消火具など)小計 11,900 10,167 10,712 10,758 11,588 11,037
    全エアゾール総計 534,487 540,572 527,314 505,344 511,674 494,768
  • 2021年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2022年3月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2022年3月15日号掲載)

    日本エアゾール協会(杉山雅人会長=東洋エアゾール工業社長)は3月11日(金)、かねて同会事務局が調査していた2021年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
    それによると、総生産数量は5億1167万4千缶で、前年に比して1.3%の増加で、コロナ禍初年の2020年に比べれば僅かに回復の動きを示した。継続する巣ごもり需要で殺虫剤6.2%増、塗料8.1%増、前年大幅減だったヘアスプレーは3.9%増、一般頭髪用品も4.1%増と回復基調。防錆潤滑剤22.9%増など工業用品も回復基調で、メンテナンス需要から自動車用品も15.0%であった。一方で、室内消臭剤11.4%減など前年の巣ごもり需要の反動から家庭用品は総じて前年割れしている。そのほか、医薬品17.5%減、制汗消臭剤11.1%減であった。

    2021年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
    殺虫剤小計 76,271 81,685 79,786 69,069 84,567 89,808
    ハエ・カ用殺虫剤 49,297 53,246 50,692 43,765 51,808 56,963
    その他殺虫剤 26,974 28,399 29,094 25,304 32,759 32,845
    塗料小計 42,686 42,549 41,927 42,562 43,646 47,176
    家庭用品小計 71,897 74,795 76,450 76,223 80,354 72,671
    室内消臭剤 32,196 33,293 34,320 32,583 34,040 30,159
    クリーナー 14,333 14,277 15,902 17,065 19,311 18,959
    洗濯用品 140 152 141 1,664 99 95
    人体用品小計 258,960 267,952 273,750 271,042 229,838 225,374
    ヘアスプレー 68,589 64,664 61,789 63,973 44,575 46,296
    一般頭髪用品 90,580 93,350 90,125 90,011 91,735 95,491
    シェービングクリーム 7,470 7,162 6,863 6,961 5,507 4,941
    医薬品 9,303 8,293 12,046 11,709 8,670 7,153
    制汗消臭剤 36,744 38,250 31,562 39,188 27,129 24,112
    工業用品小計 37,054 35,336 37,220 36,999 32,676 38,026
    防錆潤滑剤 20,662 19,220 19,243 20,083 16,891 20,754
    自動車用品小計 18,757 20,310 21,272 20,707 23,505 27,031
    自動車用くもり止め 889 540 702 345 467 460
    その他自動車用品 17,868 19,770 20,570 20,362 23,038 26,571
    その他(簡易消火具など)小計 11,996 11,900 10,167 10,712 10,758 11,588
    全エアゾール総計 517,621 534,487 540,572 527,314 505,344 511,674
  • 2020年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2021年3月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2021年3月15日号掲載)

    日本エアゾール協会(羽部義孝会長=東洋エアゾール工業社長)は3月12日(水)、かねて同会事務局が調査していた2020年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
    それによると、総生産数量は5億534万4千缶で、前年に比して4.2%の減少となった。プラス面では、殺虫剤が22.4%増と復調、塗料2.5%増、室内消臭剤4.5%増、クリーナー13.2%増と新型コロナウイルス禍の巣ごもり需要で好調も、ヘアスプレーが30.3%減、制汗消臭剤30.8%減、シェービングフォーム20.9%減、医薬品26.0%減、防錆潤滑剤15.9%減であった。

    2020年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
    殺虫剤小計 78,838 76,271 81,685 79,786 69,069 84,567
    空間用殺虫剤 52,923 49,297 53,246 50,692 43,765 51,808
    その他殺虫剤 25,915 26,974 28,399 29,094 25,304 32,759
    塗料小計 42,578 42,686 42,549 41,927 42,562 43,646
    家庭用品小計 73,690 71,897 74,795 76,450 76,223 80,354
    室内消臭剤 33,836 32,196 33,293 34,320 32,583 34,040
    クリーナー 15,262 14,333 14,277 15,902 17,065 19,311
    洗濯用品 161 140 152 141 1,664 99
    人体用品小計 260,711 258,960 267,952 273,750 271,042 229,838
    ヘアスプレー 68,911 68,589 64,664 61,789 63,973 44,575
    一般頭髪用品 86,191 90,580 93,350 90,125 90,011 91,735
    シェービングクリーム 7,694 7,470 7,162 6,863 6,961 5,507
    医薬品 9,434 9,303 8,293 12,046 11,709 8,670
    制汗消臭剤 43,613 36,744 38,250 31,562 39,188 27,129
    工業用品小計 36,796 37,054 35,336 37,220 36,999 32,676
    防錆潤滑剤 19,518 20,662 19,220 19,243 20,083 16,891
    自動車用品小計 19,215 18,757 20,310 21,272 20,707 23,505
    自動車用くもり止め 1,036 889 540 702 345 467
    その他自動車用品 18,179 17,868 19,770 20,570 20,362 23,038
    その他(簡易消火具など)小計 12,708 11,996 11,900 10,167 10,712 10,758
    全エアゾール総計 524,536 517,621 534,487 540,572 527,314 505,344
  • 2019年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2020年3月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2020年3月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(羽部義孝会長=東洋エアゾール工業社長)は3月12日(水)、かねて同会事務局が調査していた令和元年(2019)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
    それによると、総生産数量は5億2,1万4000缶で、前年に比して2.5%の減少となった。プラス面では、制汗消臭剤が最大手・資生堂の快走を原動力に2桁増と久しぶりに復調、ヘアスプレーが同じく最大手・花王のリニューアル・新製品拡充効果で微増に転じるも、マイナス面ではUVカットスプレーを中心とした完成品輸出、カテゴリーでいうと「その他人体用品」が16.7%減少し、殺虫剤も春先から夏場にかけての天候不順で追加生産もなく低調だった。前年好調の医薬品も反動減となった。また、3年前の調査から、充填設備を持つローダー(充填企業)を対象に海外委託生産で輸入する製品の輸入数量申告調査も開始、その結果、総輸入量は1億1900万缶に達したことも明らかになった。
     国内生産量を主要製品別にみると、殺虫剤13.4%減、塗料1.5%増、室内消臭剤5.1%減、クリーナー7.3%増、ヘアスプレー3.5%増、一般頭髪用品0.1%減、シェービングフォーム1.4%増、医薬品2.8%減、制汗消臭剤24.2%増、防錆潤滑剤4.4%減、自動車用品2.7%減--である。

    2019年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年
    殺虫剤小計 68,029 84,166 72,493 69,948 72,349 78,838 76,271 81,685 79,786 69,069
    空間用殺虫剤 44,193 57,778 47,223 43,653 48,262 52,923 49,297 53,246 50,692 43,765
    その他殺虫剤 23,836 26,388 25,270 26,295 24,087 25,915 26,974 28,399 29,094 25,304
    塗料小計 42,265 39,603 39,812 40,988 42,678 42,578 42,686 42,549 41,927 42,562
    家庭用品小計 72,772 79,138 74,688 85,931 71,882 73,690 71,897 74,795 76,450 76,223
    室内消臭剤 35,804 39,494 37,461 46,977 27,175 33,836 32,196 33,293 34,320 32,583
    クリーナー 17,557 18,544 16,229 16,229 14,148 15,262 14,333 14,277 15,902 17,065
    洗濯用品 852 718 656 682 584 161 140 152 141 1,664
    人体用品小計 266,917 273,720 255,826 245,611 264,519 260,711 258,960 267,952 273,750 271,042
    ヘアスプレー 61,818 60,108 59,366 66,505 68,979 68,911 68,589 64,664 61,789 63,973
    一般頭髪用品 93,008 102,240 95,265 72,080 90,179 86,191 90,580 93,350 90,125 90,011
    シェービングクリーム 15,837 14,372 9,643 6,962 7,406 7,694 7,470 7,162 6,863 6,961
    医薬品 12,083 12,532 11,213 11,074 9,600 9,434 9,303 8,293 12,046 11,709
    制汗消臭剤 53,068 49,848 42,648 48,868 46,536 43,613 36,744 38,250 31,562 39,188
    工業用品小計 37,319 37,429 38,611 36,379 38,108 36,796 37,054 35,336 37,220 36,999
    防錆潤滑剤 19,491 21,639 22,132 23,466 21,810 19,518 20,662 19,220 19,243 20,083
    自動車用品小計 17,842 18,529 18,942 19,072 20,399 19,215 18,757 20,310 21,272 20,707
    自動車用くもり止め 720 652 535 814 699 1,036 889 540 702 345
    その他自動車用品 17,122 17,877 18,407 18,258 19,700 18,179 17,868 19,770 20,570 20,362
    その他(簡易消火具など)小計 13,827 13,628 13,890 11,814 12,121 12,708 11,996 11,900 10,167 10,712
    全エアゾール総計 518,971 546,213 514,262 509,743 522,056 524,536 517,621 534,487 540,572 527,314
  • 2019年の業界ハイライト

  • ●エアゾール産業新聞社の調査によると、混合使用を含め2019年の圧縮ガス系製品は、窒素ガス単体処方品約6900万缶、炭酸ガス処方品980万缶、酸素・圧縮空気・ヘリウムほか輸入品の亜酸化窒素などが100万缶強、これに混合処方品を加えると全体で1億100万缶に迫る(前年は1億缶前後、ブロワーなど1液を除く)。新2液吐出機構を含めた2連式染毛クリームや炭酸ガス化粧品が伸び、長期的には環境対応熱の高まりから増勢基調にある。

    ●日本ガス機器検査協会は、2018年のカセットこんろ用ボンベの検査実績が1億5536万7904缶、前年比1.2%増と発表した。大阪北部地震、西日本豪雨、台風21号、北海道地震など大型災害が相次いで需要を押し上げたと指摘されている。

    ●脱臭LPGの有力サプライヤー、大洋液化ガスは、三重県津市にかねて建設中の脱臭LPG工場が完成し、2019年6月1日より出荷を開始したことを明らかにした。工場の運営は、高圧ガス工業との折半出資会社「津ガスセンター株式会社」(資本金4000万円)によるもので、代表取締役会長に陸田晴彦・大洋液化ガス取締役、同社長に森本孝・高圧ガス工業取締役が就任。大洋液化ガスにとり、西日本地域での製販拠点構築は10数年ぶりとなる。

    ●日本のエアゾール充填会社が兼業する非エアゾール部門(液体充填部門)は、本紙調査によるとおよそ3億6800万本に達したことが分かった。完成品輸出の急増に浴する化粧品市場の拡大に連動するもので、中国の新EC(電子商取引)法の施行など不透明要素はあるが、中長期的にはアジア全域における所得水準に伴う市場の拡大により、同部門は伸びていくものと観測されている。

    ●本紙調査によれば、今年の国内エアゾール産業における海外向け完成品輸出量は、昨年の3800万缶から大きく減り、2400万缶前後となることが明らかになった。あくまで推測にすぎないが、中国の新EC法の施行でUVカットスプレーなど昨年まで好調だった越境ECを軸とするアウトバウンド需要向けのエアゾール製品需要が大きく減ったためと考察されている。

    ●日本国内市場における、マーケッター(ブランドメーカー)別のエアゾール製販量を調査したところ、2018-2019年の生産実績および予測から鑑みて、首位は花王グループ(カネボウ化粧品、ニベア花王など含む)で7100万缶前後、2位がアース製薬グループ(バスクリン、白元アース含む)で5450万缶前後、3位はホーユーで5300万缶(クラシエホームプロダクツの550万缶除く)、4位は資生堂グループ(エテュセ、資生堂薬品、同プロフェッショナルなど含む)で3150万缶となることが明らかになった。5位はエステー、6位マンダム、7位フマキラー、8位小林製薬、9位コーセーグループ、10位大日本除虫菊である。

    ●アジアエアゾール連盟(AAF=加盟6ヵ国)の第9回会議、および世界各地域のエアゾール連合(ILC)が一堂に会する国際会議が10月30日、千葉県幕張市の幕張メッセで開かれた。日本での開催は3回目で、各国の市場概要の報告、新規加盟国の検討、議長国の選定などが議題にあがり、夜には懇親パーティーが催された。

    ●大手ローダーのダイゾーは11月、建設中にあった液体充填専用の新工場をの稼働を始めたと発表した。非危険物製品の充填からスタートし、逐次、危険物製品の充填も始めるとしている。

    ●本紙調査によると、今年の国内ポンプ市場(流通量)は、前年比5-6%増の7億7000万本規模に達することが明らかになった。中国・新EC法の施行でインバウンド・アウトバウンド需要は急減速したものの、昨年からの受注残や、洗濯洗剤への用途開拓、浴室クリーナーのヒットなどが寄与した。

  • 2018年の業界ハイライト

  • ●東洋製缶グループホールディングスとホッカンホールディングスは4月、およそ2年前に発表した両社の経営統合を中止すると発表した。公正取引委員会の審査継続中で統合実現への目処が立たず、統合メリットも当初の予定ほど見込めないと判断したためとしている。

    ●東洋エアゾール工業は、世界最大級のローダーにして化粧品・医薬品OEM企業である、仏ファレバ社と業務提携契約を結んだ。東洋エアゾール工業の新2液吐出機構「デュアル」を米国市場へ販売していくにあたり、ファレバ社の協力を得るため。

    ●久しぶりにエアゾール医薬品市場が湧いている。マルホが医療用医薬品として開発市販したヘパリン類似性物質配合の「ヒルドイド0.3%フォーム」の生産が好調で年間600万缶前後に達する見込みで、そのほか前年に登場したESファーマの「レクタブル注腸フォーム」も年間40万缶超で一定規模の需要を形成してきている。

    ●あくまで非公式の本紙推計ではあるが、来たる2019年にかけての海外市場向けに生産したエアゾール完成品の総輸出量は、前年の1500万缶前後から3500万缶前後に急増することが分かった。主に中国向けUVカットスプレーの需要急増によるもので、2連式染毛剤などのヘアカラー、泡状スキンケアなどの輸出も本格化している。

    ●業界3番手のローダー(充填会社)、エア・ウォーター・ゾルは11月、かねて建設中にあった茨城第2工場が完成し、盛大に竣工式を開いた。基幹工場である茨城工場内に新たな工場棟を設けたもので、当面、3ライン(エアゾールは真砂製6ヘッド充填機1台による1ライン、ほか危険物および非危険物対応の化粧品専用2ライン)を稼働させる。大型の調合設備等も導入、親会社のエア・ウォーターの海洋性コラーゲン事業も分離吸収、化粧品OEM部門の強化・育成により、エアゾール事業と併せた総合OEM企業を目指す。

    ●エアゾールアルミ缶の国内最大手サプライヤー、武内プレス工業が12月、かねて増設に動いていた製缶1ラインの稼働をスタートさせたことを明らかにした。最新鋭で高速、更には変形缶など多彩な加工も特長とし、近年増加傾向にあるアルミ缶需要へ対応する。

  • 2017年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2018年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2018年3月15日号掲載)

    日本エアゾール協会(小林数尚会長=東洋エアゾール工業社長)は3月12日(月)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成29(2017)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
    それによると、総生産数量は5億3,448万7000缶で、前年に比して3.3%の増加となった。 泡状スキンケア剤、UVカットスプレーの好調さを反映して「その他人体用品」21.7%増で、染毛剤の着実増を受けた「一般頭髪用品」が好調、殺虫剤もハエ蚊用や不快害虫用殺虫剤が堅調に推移した。一方、ヘアスプレー、医薬j品、防錆潤滑剤が不調だった。 また、前回の調査から、充填設備を持つローダー、充填企業を対象に、海外委託生産で輸入する製品の数量調査も開始、その結果、そう輸入量は6833万5000缶に達したことが明らかになった。 国内生産量を主要製品別にみると、殺虫剤7%増、塗料0.3%減、室内消臭剤3.4%増、クリーナー0.4%減、ヘアスプレー5.7%減、一般頭髪用品3.1%増、シェービングフォーム4.1%減、医薬品10.9%減、制汗消臭剤4.0%増、防錆潤滑剤7%減--である。

    2017年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年 2017年
    殺虫剤小計 68,029 84,166 72,493 69,948 72,349 78,838 76,271 81,685
    空間用殺虫剤 44,193 57,778 47,223 43,653 48,262 52,923 49,297 53,246
    その他殺虫剤 23,836 26,388 25,270 26,295 24,087 25,915 26,974 28,399
    塗料小計 42,265 39,603 39,812 40,988 42,678 42,578 42,686 42,549
    家庭用品小計 72,772 79,138 74,688 85,931 71,882 73,690 71,897 74,795
    室内消臭剤 35,804 39,494 37,461 46,977 27,175 33,836 32,196 33,293
    クリーナー 17,557 18,544 16,229 16,229 14,148 15,262 14,333 14,277
    洗濯用品 852 718 656 682 584 161 140 152
    人体用品小計 266,917 273,720 255,826 245,611 264,519 260,711 258,960 267,952
    ヘアスプレー 61,818 60,108 59,366 66,505 68,979 68,911 68,589 64,664
    一般頭髪用品 93,008 102,240 95,265 72,080 90,179 86,191 90,580 93,350
    シェービングクリーム 15,837 14,372 9,643 6,962 7,406 7,694 7,470 7,162
    医薬品 12,083 12,532 11,213 11,074 9,600 9,434 9,303 8,293
    制汗消臭剤 53,068 49,848 42,648 48,868 46,536 43,613 36,744 38,250
    工業用品小計 37,319 37,429 38,611 36,379 38,108 36,796 37,054 35,336
    防錆潤滑剤 19,491 21,639 22,132 23,466 21,810 19,518 20,662 19,220
    自動車用品小計 17,842 18,529 18,942 19,072 20,399 19,215 18,757 20,310
    自動車用くもり止め 720 652 535 814 699 1,036 889 540
    その他自動車用品 17,122 17,877 18,407 18,258 19,700 18,179 17,868 19,770
    その他(簡易消火具など)小計 13,827 13,628 13,890 11,814 12,121 12,708 11,996 11,900
    全エアゾール総計 518,971 546,213 514,262 509,743 522,056 524,536 517,621 534,487
  • 2017年の業界ハイライト

  • ●エアゾール産業新聞社の調査によると、混合使用を含め2016年の圧縮ガス系製品は、窒素ガス単体処方品約6,900万缶、炭酸ガス処方品940万缶、酸素・圧縮空気・ヘリウムほか輸入品の亜酸化窒素などが100万缶強、これに混合処方品を加えると全体で1億缶に迫る(前年は8,500万缶前後、ブロワーなど1液を除く)。新2液吐出機構を含めた2連式染毛クリームや炭酸ガス化粧品が伸び、長期的には環境対応熱の高まりから増勢基調にある。

    ●日本ガス機器検査協会は、2016年のカセットこんろ用ボンベの検査実績が1億5,520万9,552缶、前年比2.4%増と発表した。熊本地震で在庫が捌け、前年に比べて寒い冬が需要を押し上げたと指摘されている。

    ●日本エアゾール協会は1月16日、都内のホテルで新年賀詞交歓会を開いた。高柳雄一会長(東洋エアゾール工業相談役)は協会活動として、国内では①講演・講義などを通じた廃棄啓発活動②フロン排出抑制法をもとづく関連商品の表示要領制定③防水スプレーの自主基準の改定運用などの課題解決に引き続き取り組むこと、海外ではAAF(アジア・エアゾール連盟)が加盟6カ国で設立され、年初に東京の第6回総会が開かれることなどを示し、業界関係者に協力を訴えた。

    ●DMEの有力サプライヤー、住友精化は、2017年11月末にDME(ディメチルエーテル)の製造販売事業から撤退することを発表した。原料価格が騰勢を強める中で価格転嫁が進まず採算が悪化、事業の不安定性が強くなり、今後の設備投資に耐えられなくなったとしている。

    ●東洋製缶グループHDが全国15才以上の男女2万3767人に調査した内容によれば、エアゾール製品のガス抜きキャップの認知率は55.5%、うち使用したことのある人が37.4%、知っているが使用したことのない人が18.1%であることが分かった。年代別では30代の認知率および使用率が高いが、60代の認知率が低いことが判明。また、全国199自治体への調査では、53.8%の107自治体が「穴を開けて捨てる」で、「ガス抜きキャップを推奨」しているのは18.1%の36自治体にすぎないことも判明した。

    ●エア・ウォーター・ゾル(尾上英俊社長)は2018年10月までに、既存の茨城工場敷地内に新工場を建設、稼働を始めると発表した。着工は2017年9月より。エアゾール製品、液充製品(化粧品OEM)を生産する最新鋭工場となる。投資総額は30億円。当面、3ライン(エアゾール1ライン)でスタートする計画。

    ●カセットこんろボンベの最大手、岩谷産業はかねて滋賀県に建設していたカセットこんろボンベ専用の充填工場が完成、2月に完成検査を経て4月から試運転を始めていることが判明した。所在地は滋賀県近江八幡市。米国製の24ヘッド充填機を2台用いた1ラインで、年間2500万缶能力。投資総額は30億円を超える模様。運営会社はイワタニカートリッジガス。

    ●東洋製缶グループホールディングスとホッカンホールディングスは4月25日、経営統合することで基本合意したと発表した。ともに製缶業界では1位、2位の大手で、エアゾール業界でも2社合計のブリキエアゾール缶の製販シェアは85%弱に達する。

    ●アース製薬は、ベトナムの自家充填企業で、殺虫剤や室内消臭剤を生産するAMG社を買収すると発表した。AMG社は売上高17億円規模。

    ●大日本除虫菊は公益社団法人の日本化学学会より、同社の殺虫剤が初めて日本の「化学遺産」に登録されたことを明らかにした。同遺産は、日本の化学歴史上で重要な技術や知見を後世に残そうというもので、同社の除虫菊ほかエアゾール殺虫剤「キンチョール」を日本で初めて商品化したことが評価された。

    ●東洋エアゾール工業は2018年3月をめどに、総額43億円の大型投資をすると発表した。まず19億円かけて現在の筑波工場の隣接地を取得、受注状況をみながら14億円をかけて新工場を建設する。残りの10億円はエアゾール関連設備への投資で、川越工場への充填1ライン増設などが計画されている。

    ●本紙調査によれば、昨今のインバウンド・アウトバウンド需要拡大の流れを受けて、日本のエアゾール製品の海外輸出がトータルでおよそ1500万缶規模に急拡大していることが判明した。主力は日本独特の機構である2連式容器を活用した染毛剤や、近年急速に伸びてきたUVカットスプレーで、洗顔料などスキンケア剤も伸び基調にある。

    ●日本エアゾール協会は、2018年10月に開かれるFEA国際会議および同展示会(開催地は独デュセルドルフ)に、日本視察団を送ることを明らかにした。業界各社からひろく参加を募る。

    ●有力ローダーで化粧品OEM企業でもある日進化学は、かねて増改築中にあった橋本工場の新液充棟が完成したと発表した。建坪は、既存工場棟とほぼ同じ2500坪で、真空乳化釜、ストレージタンク、パウチ/ボトル/チューブの各充填機を備えている。

    ●大手ローダーのダイゾーは10月末、寄木範博氏が代表取締役社長を退任し、新社長に相川武利氏(57才)が就任したと発表した。最高代表取締役には南尚氏、代表取締役会長には南宣之氏が重任された。

    ●有力バルブメーカーの日本プリシジョンバルブは11月末、宮部範明氏が代表取締役社長を退任し、新社長に荒川誠司氏(53才)が就任したと発表した。

  • 2016年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2017年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2017年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(小林数尚会長=東洋エアゾール工業社長)は4月25日(火)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成28(2016)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
    それによると、総生産数量は5億1,762万1000缶で、前年に比して1.3%の増加となった。 一昨年大幅減となった室内消臭剤が著増、定量噴霧品が好調だったハエ蚊用殺虫剤、不快害虫用の新製品が相次いだ「その他殺虫剤」が快走し、最大手筋のキャンペーン効果のあったシェービング剤、エアコン洗浄剤が増産したクリーナーが好調に推移した。 半面、剤型分散の深まる制汗消臭剤、一般頭髪用品、防錆潤滑剤が不振だった。一方で、前回の調査から、充填設備を持つローダー、充填企業を対象に、海外委託生産で輸入する製品の数量調査も開始、その結果、そう輸入量は7824万3000缶に達したことが明らかになった。 国内生産量を主要製品別にみると、殺虫剤3.3%言、塗料0.3%増、室内消臭剤4.8%減、クリーナー6.1%減、ヘアスプレー0.5%減、一般頭髪用品5.1%増、シェービングフォーム2.9%減、医薬品1.4%減、制汗消臭剤15.7%減、防錆潤滑剤5.9%増--である。

    2016年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 2016年
    殺虫剤小計 68,029 84,166 72,493 69,948 72,349 78,838 76,271
    空間用殺虫剤 44,193 57,778 47,223 43,653 48,262 52,923 49,297
    その他殺虫剤 23,836 26,388 25,270 26,295 24,087 25,915 26,974
    塗料小計 42,265 39,603 39,812 40,988 42,678 42,578 42,686
    家庭用品小計 72,772 79,138 74,688 85,931 71,882 73,690 71,897
    室内消臭剤 35,804 39,494 37,461 46,977 27,175 33,836 32,196
    クリーナー 17,557 18,544 16,229 16,229 14,148 15,262 14,333
    洗濯用品 852 718 656 682 584 161 140
    人体用品小計 266,917 273,720 255,826 245,611 264,519 260,711 258,960
    ヘアスプレー 61,818 60,108 59,366 66,505 68,979 68,911 68,589
    一般頭髪用品 93,008 102,240 95,265 72,080 90,179 86,191 90,580
    シェービングクリーム 15,837 14,372 9,643 6,962 7,406 7,694 7,470
    医薬品 12,083 12,532 11,213 11,074 9,600 9,434 9,303
    制汗消臭剤 53,068 49,848 42,648 48,868 46,536 43,613 36,744
    工業用品小計 37,319 37,429 38,611 36,379 38,108 36,796 37,054
    防錆潤滑剤 19,491 21,639 22,132 23,466 21,810 19,518 20,662
    自動車用品小計 17,842 18,529 18,942 19,072 20,399 19,215 18,757
    自動車用くもり止め 720 652 535 814 699 1,036 889
    その他自動車用品 17,122 17,877 18,407 18,258 19,700 18,179 17,868
    その他(簡易消火具など)小計 13,827 13,628 13,890 11,814 12,121 12,708 11,996
    全エアゾール総計 518,971 546,213 514,262 509,743 522,056 524,536 517,621
  • 2016年の業界ハイライト

  • ●エアゾール産業新聞社の調査によると、混合使用を含め2015年の圧縮ガス系製品は、窒素ガス単体処方品約6,200万缶、炭酸ガス処方品780万缶、酸素・圧縮空気・ヘリウムほか輸入品の亜酸化窒素などが100万缶強、これに混合処方品を加えると全体で8,200万缶超に達する(前年は7,100万缶前後、ブロワーなど1液を除く)。新2液吐出機構を含めた2連式染毛クリームや炭酸ガス化粧品が伸び、長期的には環境対応熱の高まりから増勢基調にある。

    ●日本ガス機器検査協会は、2015年のカセットこんろ用ボンベの検査実績が1億5,150万2,818缶、前年比5.1%増と発表した。前年の韓国・太陽の工場火災により輸入する国産大手筋が2交代創業で備蓄(先行生産)に努めた結果で、上半期の不需要期に異例の6000万缶近い検査実績で折り返したことが大きいと指摘されている。

    ●日本エアゾール協会は1月16日、都内のホテルで新年賀詞交歓会を開いた。高柳雄一会長(東洋エアゾール工業相談役)は協会活動として、国内では①講演・講義などを通じた廃棄啓発活動②フロン排出抑制法をもとづく関連商品の表示要領制定③防水スプレーの自主基準の改定運用などの課題解決に引き続き取り組むこと、海外ではAAF(アジア・エアゾール連盟)が加盟6カ国で設立され、年初に東京の第6回総会が開かれることなどを示し、業界関係者に協力を訴えた。

    ●有力ローダー、プレスコが3月7日不渡りをだし、同9日に東京地裁に民事再生法適用を申請した。弁護士を通じて再建を目指す。申し立て時点での負債総額は14億1228万円。

    ●西日本地域向けに合成アルコール(エタノール)製造を一手に担う三菱化学は3月28日、同社四日市工場の定期補修中に腐食などのトラブルがみつかり、半年以上にわたり供給できない旨を発表した。合成アルコールは、化粧品から家庭用品、工業用品などのエアゾール製品を含む各種化学製品・日用品の主要溶剤で、ユーザーとなるローダーや化粧品・日用品ブランドメーカー各社は代替溶剤への対応で混乱を極めることとなった。

    ●エア・ウォーター・ゾル(尾上英俊社長)は7月1日付で、子会社セイショーを吸収合併した。セイショーは園芸用品に強い非エアゾールの充填企業(液充)で、合併により液充部門を強化する。

    ●カセットこんろボンベの最大手、岩谷産業はかねて滋賀県に建設していたカセットこんろボンベ専用の充填工場が完成、2月に完成検査を経て4月から試運転を始めていることが判明した。所在地は滋賀県近江八幡市。米国製の24ヘッド充填機を2台用いた1ラインで、年間2500万缶能力。投資総額は30億円を超える模様。運営会社はイワタニカートリッジガス。

    ●東洋製缶グループホールディングスとホッカンホールディングスは4月25日、経営統合することで基本合意したと発表した。ともに製缶業界では1位、2位の大手で、エアゾール業界でも2社合計のブリキエアゾール缶の製販シェアは85%弱に達する。

    ●全米消費者用特殊製品協会(CSPA)は5月10日からエアゾール部会中間総会を開き、2015年の同国エアゾール生産量を38億3,202万1,317缶(前年比0.9%増)と発表した。制汗消臭剤、ヘアスプレーなど人体用品が好調で過去最高の生産量を記録した。そのほか、カナダ2億199万缶(前年比4.5%増)、メキシコ5億6,750万缶(前年比7.1%増)を加えた北米の総生産量は、46億200万缶(前年比1.8%増)と、ここでも過去最高を記録した。

    ●アジア・エアゾール連盟(AAF)の第6回総会が6月30日、東京都内のホテルで開かれた。日本および豪州、タイ、中国、インドの加盟各国から協会役員が参加、そのほか韓国など加盟を目指す国からのオブザーバーも参加した。活動費の増額やインドネシア・マレーシア・韓国などの新規加入要件が議題になった。当日は、記念講演会としてエア・ウォーター・ゾル、三谷バルブ、ダイゾー、東洋エアゾール工業の各担当氏およびリンゼイAAF会長の計5氏による講演会、6時半からは懇親パーティーも開かれた。

    ●民事再生適用へ手続き中にある有力ローダー、プレスコは10月初旬をめどに、化粧品OEM業界最大手の日本コルマーに事業譲渡することを決めた。譲渡代金は8億5000万円。

    ●日本エアゾール協会は噴射剤であるプロパン、ブタンの食品添加物申請を決めた。来年3月をめどに、食品添加物公定書への収載を目指す。

    ●厚生労働省は6月15日付けで、高濃度の有効成分を含有する人体用害虫忌避剤の製造販売承認を行うと通知した。デング越やジカ熱など新興感染症の感染拡大を懸念し、先進各国にならって有効成分ディートを30%、イカリジンを15%まで認める。

    ●岩谷産業は9月、関西のローダー、エヌ・ケイ・ケイを買収した。NKKは1966年設立、ブロワーなど一液製品の充填企業で、エアゾール用シームレス缶の製造販売も行い、年商は27億円。買収理由は「(灰山芳克前社長の退任に伴う)後継者問題」で、買収金額は非公表。

    ●エアゾール用噴射剤のHFO-1234zeは高圧ガス保安法の一部改正に伴い、炭酸ガスや窒素ガスなどの不活性ガスに準じる「特定不活性ガス」に定められた。法定表示は「火気と高温に注意」ではなく、「高温に注意」のみで構わない。法改正の理由は、「着火源との接触を維持しない限り、火災が認められない」ためで、これにより普及拡大が期待される。

  • 2015年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2016年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2016年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(高柳雄一会長=東洋エアゾール工業社長)は4月21日(木)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成27(2015)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
    それによると、総生産数量は5億2,453万6000缶で、前年に比して0.5%の増加となった。 一昨年大幅減となった室内消臭剤が著増、定量噴霧品が好調だったハエ蚊用殺虫剤、不快害虫用の新製品が相次いだ「その他殺虫剤」が快走し、最大手筋のキャンペーン効果のあったシェービング剤、エアコン洗浄剤が増産したクリーナーが好調に推移した。 半面、剤型分散の深まる制汗消臭剤、一般頭髪用品、防錆潤滑剤が不振だった。一方で、今回の調査から、充填設備を持つローダー、充填企業を対象に、海外委託生産で輸入する製品の数量調査も開始、その結果、そう輸入量は7317万3000缶に達したことが明らかになった。 国内生産量を主要製品別にみると、殺虫剤9.0%増、塗料0.2%減、室内消臭剤24.5%増、クリーナー7.9%増、ヘアスプレー0.1%減、一般頭髪用品4.4%減、シェービングフォーム3.9%増、医薬品1.7%減、制汗消臭剤6.3%減、防錆潤滑剤10.5%増--である。

    2015年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年
    殺虫剤小計 68,029 84,166 72,493 69,948 72,349 78,838
    空間用殺虫剤 44,193 57,778 47,223 43,653 48,262 52,923
    その他殺虫剤 23,836 26,388 25,270 26,295 24,087 25,915
    塗料小計 42,265 39,603 39,812 40,988 42,678 42,578
    家庭用品小計 72,772 79,138 74,688 85,931 71,882 73,690
    室内消臭剤 35,804 39,494 37,461 46,977 27,175 33,836
    クリーナー 17,557 18,544 16,229 16,229 14,148 15,262
    洗濯用品 852 718 656 682 584 161
    人体用品小計 266,917 273,720 255,826 245,611 264,519 260,711
    ヘアスプレー 61,818 60,108 59,366 66,505 68,979 68,911
    一般頭髪用品 93,008 102,240 95,265 72,080 90,179 86,191
    シェービングクリーム 15,837 14,372 9,643 6,962 7,406 7,694
    医薬品 12,083 12,532 11,213 11,074 9,600 9,434
    制汗消臭剤 53,068 49,848 42,648 48,868 46,536 43,613
    工業用品小計 37,319 37,429 38,611 36,379 38,108 36,796
    防錆潤滑剤 19,491 21,639 22,132 23,466 21,810 19,518
    自動車用品小計 17,842 18,529 18,942 19,072 20,399 19,215
    自動車用くもり止め 720 652 535 814 699 1,036
    その他自動車用品 17,122 17,877 18,407 18,258 19,700 18,179
    その他(簡易消火具など)小計 13,827 13,628 13,890 11,814 12,121 12,708
    全エアゾール総計 518,971 546,213 514,262 509,743 522,056 524,536
  • 2015年下半期の業界ハイライト

  • ●経済産業省化学課は7月27日、平成26年度のガス抜きキャップ(中身排出機構)装着率が98.8%であったと発表した。エアゾール製品処理対策協議会に所属する関連11団体を対象に調査したもの。ガス抜きキャップは100グラム以上のエアゾール製品に装着するもので、泡やクリーム、ゼリー状、不燃性ガス採用品は装着義務がない。自動車工業用品でも89.7%の装着率に達している。

    ●大手ローダー、ダイゾーは8月1日付人事で、エアゾール副事業部長に首田行雄氏(元タイ・ダイゾー・エアゾール社長)が就任すると同時に、組織を国内統括本部、海外統括本部に分け、国内統括本部長は首田氏、海外統括本部長に荒井正明氏が就任した。

    ●東洋エアゾール工業は、同社の三重工場内に、世界的な医薬品の製造基準で、殺虫剤と同じ棟内で生産できない規則等を有するPIC/S(医薬品査察協定/医薬品査察共同スキーム)に基づき、医薬品生産棟を新設した。

    ●大手ローダー、ダイゾーは11月9日、中国・江蘇省に建設を進めていたエアゾールおよび液体充填工場が完成し、同日竣工式を開いた。同工場は、同社が100%出資する「張家港大造気霧剤有限公司」が有する工場で、敷地面積は5万平方メートル、当面エアゾール1ライン、液充1ラインを導入している。ダイゾー上海工場が年産3500万缶に達し、フル生産状況にあることから新設したもの。

    ●アジア・エアゾール連盟(AAF)第5回通常総会が11月5日から、中国・浙江省寧波市で開かれた。主な議題は、AAFがFEA(欧州エアゾール連盟)に加入するかどうか。

    ●東洋製缶は11月9日、同社のリストラ政策に伴う横浜工場の生産停止により、同工場のエアゾールブリキ缶ラインを1基、滋賀工場に移設・集約すると発表した。横浜工場のリストラに伴い、希望退職者を募集、700名超が退職することとなった。年間60億円前後の固定費削減効果が見込まれている。

    ●エアゾール産業新聞社の調査によると、2015年の国内ポンプ生産・輸入(市場配荷)量は、前年比微増の6億500万本前後と推定される。大手本舗筋を軸に県庁なシャンプー・コンディショナー受注、デング熱特需の虫よけスプレー、インバウンド(爆買い)需要のワンドロップ用の伸びが寄与した。

  • 2015年上半期の業界ハイライト

  • ●大手ローダー、エア・ウォーター・ゾルは1月1日付で、新社長に尾上英俊副社長が昇格、就任したことを発表した。

    ●大手ローダー、ダイゾーは1月13日付で、新社長に寄木範博氏が就任したことを発表した。南宜之前社長は同日付で代表取締役会長に就任した。

    ●エアゾール産業新聞社の調査によると、混合使用を含め2014年の圧縮ガス系製品は、窒素ガス単体処方品約4,600万缶、炭酸ガス処方品950万缶、酸素・圧縮空気・ヘリウムほか輸入品の亜酸化窒素などが100万缶強、これに混合処方品を加えると全体で6,200万缶超に達する(前年は6,000万缶超、ブロワーなど1液を除く)。新2液吐出機構を含めた2連式染毛クリーム、炭酸ガス化粧品の伸びが牽引、環境・自然派志向も要因に長期的には増勢基調にある。

    ●日本ガス機器検査協会は、2014年のカセットこんろ用ボンベの検査実績1億4,420万880缶、前年比2.8%減と発表した。

    ●日本エアゾール容器協議会は1月29日、会員各社の生産量報告に基づき集計した結果、平成25年1―12月期の容器が5億97万缶(前年比1.2%減)、バルブが4億9,869万個(前年比5.4%減)と発表した。この数字の中には、純エアゾール製品向けのほか、カセットこんろ用ボンベ、カークーラー用サービス缶、ダストブロワ―など一液製品(ガス物商品)向けも含まれている。

    ●アジア・エアゾール連盟(AAF)第4回総会が2月13日から、インド・ムンバイ市で開かれた。主な議題は①インド・エアゾール協議会の歴史・構成・活動内容の紹介②第3回総会議事録の確認③OIML(国際計量機関)の最新情報④加盟各国のGHSの現状、HFCの使用状況、家庭用品の規格、廃棄の現状などである。

    ●日本エアゾール協会(高柳雄一会長)は4月16日理事会を開き、平成26年(1―12月期)のエアゾール生産量を5億2,205万6,000缶(前年比2.4%増)と発表した。昨年は春先からUVカットスプレー・スキンケア商品の開発ラッシュが続き、制汗消臭剤・殺虫剤・ヘアスプレー・育毛トニック剤などの大型有力品投入が相次ぎ、活気ある市況展開をみせた。さらにハエ・カ用殺虫剤、工業用品の先行生産が相当量あり、押し上げ要因になったとみられる。

    ●エアゾール産業新聞社の調査によると、2014年の完成品輸入量は純エアゾール製品で微減の1億2,500万缶強、こんろ用ボンベなど一液製品を含めて2億缶弱の規模となったと観測される。輸入量が最も多い市場は室内消臭剤で3,300万缶。続くのは染毛剤で1,900万缶。ブレーキクリーナー1,600万缶、制汗消臭剤1,200万缶、シェービング剤1,000万缶強、塗料800万缶弱、喘息薬600万缶、防錆潤滑剤400万缶、ボディコロン400万缶、天然水・化粧水250万缶、タイヤ・レザー保護剤200万缶となっている。一液製品では、こんろ用ボンベ6,900万缶、ライター用ボンベ200万缶、自動車用空気入れ120万缶、ブロワー100万缶と観測される。

    ●英国エアゾール協会(BAMA)は4月24日、同国2014年生産量は前年比2.9%増の15億970万缶になったと発表した。また、独エアゾール協会(IGF)は5月22日、2014年の同国エアゾール生産量が前年比3.6%増の13億9,000万缶になったと発表している。

    ●全米消費者用特殊製品協会(CSPA)は5月4日からエアゾール部会中間総会を開き、2014年の同国エアゾール生産量を37億9,678万2,274缶(前年比0.8%増)と発表した。2010年から3年連続で上昇、米国業界の底力を強く印象づけた。また、米国生産量にカナダ1億9,329万缶(前年比1.2%増)、メキシコ5億3,000万缶(前年比7.3%増)を加えた北米の総生産量は、45億2,000万缶(前年比1.5%増)となり史上最高を記録した。

    ●日本エアゾール協会は5月26日、第63回定時総会を開き、平成26年度事業報告、収支決算報告などの諸議題を審議した。この結果、試験検査要領JIS化の調査委員会設置、エア製品の使用・廃棄方法に関する広報活動の強化、HFC採用ダストブロワーの代替促進、AAF第5回総会出席及びFEA国際連絡委員会への加盟などの諸課題に取り組む新年度事業計画案を満場一致で可決。役員改選で、会長に高柳雄一氏(東洋エアゾール会長)を再選、副会長に目加多聡氏(ダイゾー常務)を新任、小池清一郎氏(小池化学社長)を再選、専務理事に齋藤英明氏(元・東洋エアゾール工業常務)を選出した。

    ●大手ローダー、東洋エアゾール工業は、6月19日開催の定時株主総会ならびに取締役会において新役員陣を選任、すでに発表されていた小林数尚氏を新社長とする新体制を発足させた。

    ●有力ローダー、小池化学は6月25日開催の定時株主総会ならびに取締役会において、新社長に小池清一郎専務取締役が昇格、就任することを決定した。石丸博志前社長は取締役相談役に就任した。

    ●エアゾール産業新聞社の調査によるエアゾール・ローダー業界の2015年上半期受注状況は、春先から人体用虫よけスプレー、空間(ハエ・カ)用殺虫剤の相次ぐ増産で好スタートを切ったが、その後、ややトーンダウンし上半期は残念ながら前年同期を3―4%下回って推移したと観測される。昨年相次いだ大型新製品のリピートが弱く、育毛トニック剤が不調で、さらに国内生産量の観点からいえば、大型量販品の日系タイ工場への生産委託・逆輸入が続き、その穴を埋め切れていない。しかし、UVカットスプレー、炭酸ガス配合スキンケア商品の開発ラッシュが続き、香り訴求の開発が拡大するなど、下半期挽回への意欲は例年にも増して高いとみられている。

  • 2014年1~12月の日本におけるエアゾール主要製品生産数量統計(2015年4月発表)

  • 日本エアゾール協会発表・エアゾール製品生産数量調査表より要約(本紙2014年4月25日号掲載)

    日本エアゾール協会(高柳雄一会長=東洋エアゾール工業社長)は4月16日(水)理事会を開き、かねて同会事務局が調査していた平成26(2014)年1~12月期のエアゾール生産数量を発表した。
    それによると、総生産数量は5億2,205万6000缶で、前年に比して2.4%の増加となった。 昨年UVカットスプレー、炭酸ガス配合スキンケア剤の開発ラッシュが続き、制汗消臭剤・殺虫剤・ヘアスプレー・育毛トニック剤などの大型有力品投入が相次ぎ、活気のある展開を見せた。さらに、ハエ蚊用殺虫剤、工業用品の先行生産が相当量あり、押上げ要因になったとみられる。一方で、日系タイ工場への海外委託生産の動きは続き、本紙推定による昨年の純エアゾール製品の完成品輸入は1億2,500万缶前後に達したと観測され、輸入品を含む市場の配荷量は6億缶を優に超えている。 国内生産量を主要製品別にみると、殺虫剤3.4%増、塗料4.1%増、室内消臭剤42.2%減、クリーナー12.0%減、ヘアスプレー3.7%増、一般頭髪用品25.1%増、シェービングフォーム6.4%増、医薬品13.3%減、制汗消臭剤4.8%減、防錆潤滑剤9.5%増--である。

    2014年エアゾール主要製品生産数量調査表(単位:千缶)

    種類 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年
    殺虫剤小計 68,029 84,166 72,493 69,948 72,349
    空間用殺虫剤 44,193 57,778 47,223 43,653 48,262
    その他殺虫剤 23,836 26,388 25,270 26,295 24,087
    塗料小計 42,265 39,603 39,812 40,988 42,678
    家庭用品小計 72,772 79,138 74,688 85,931 71,882
    室内消臭剤 35,804 39,494 37,461 46,977 27,175
    クリーナー 17,557 18,544 16,229 16,229 14,148
    洗濯用品 852 718 656 682 584
    人体用品小計 266,917 273,720 255,826 245,611 264,519
    ヘアスプレー 61,818 60,108 59,366 66,505 68,979
    一般頭髪用品 93,008 102,240 95,265 72,080 90,179
    シェービングクリーム 15,837 14,372 9,643 6,962 7,406
    医薬品 12,083 12,532 11,213 11,074 9,600
    制汗消臭剤 53,068 49,848 42,648 48,868 46,536
    工業用品小計 37,319 37,429 38,611 36,379 38,108
    防錆潤滑剤 19,491 21,639 22,132 23,466 21,810
    自動車用品小計 17,842 18,529 18,942 19,072 20,399
    自動車用くもり止め 720 652 535 814 699
    その他自動車用品 17,122 17,877 18,407 18,258 19,700
    その他(簡易消火具など)小計 13,827 13,628 13,890 11,814 12,121
    全エアゾール総計 518,971 546,213 514,262 509,743 522,056
  • 2014年下半期の業界ハイライト

  • ●ダイゾー(本社・大阪市、南宣之社長)が開発を進めていた新2液吐出システム「DVD」(デュアル・バルブ・ディスペンサー)を初めて採用した染毛剤、ホーユー「メンズビゲン グレーヘア」が9月1日に発売された。同システムは、ひとつの容器にパウチ(内袋)をふたつ入れた、いわゆるコ・ディスペンシングシステム。特長は外容器に透明PET容器、パウチは透明樹脂製フィルムを採用したことで、残量が見えることである。外容器の印刷はシュリンク印刷で、容器側面にある同シュリンクの一部が開いており、内部が見えるようになっている。

    ●経済産業省保安室は9月17日、高圧ガス保安法を一部改正し、新フッ素系噴射剤HFO1234zeがエアゾール人体用品に使用できるようになったと発表した。同改正は9月17日付で官報告示され、即日施行された。同噴射剤は米ハネウェル社が開発したもので、燃焼性が極めて低いことから処方開発の幅が広がると業界関係者は歓迎している。

    ●今季の夏物商品は天候不順の影響から伸び悩んだ中、定量噴霧のハエ・カ用殺虫剤が店頭実販(金額)150%で快進撃を見せた。「来季の目玉商品」と位置付ける大手販社筋があり、新規充填量増大への期待が高い。また、デング熱の感染拡大で虫よけスプレーが“バカ売れ”したのも同季の特徴であり、来季の新規充填量増大が確実視されている。

    ●東洋製罐(本社・東京都品川区、中山伊知郎社長)は11月4日、東洋エアゾール工業の次期社長に小林数尚・東洋製罐専務執行役員営業本部副本部長が就任すると発表した。2015年6月に開く株主総会並びに取締役会で、新社長に就任予定である。

  • 2014年上半期の業界ハイライト

  • ●エアゾール産業新聞社の調査によると、混合使用を含め2013年の圧縮ガス系製品は、窒素ガス単体処方品約4,500万缶、炭酸ガス処方品800万缶、酸素・圧縮空気・ヘリウムほか輸入品の亜酸化窒素などが100万缶弱、これに混合処方品を加えると全体で6,000万缶超に達する(前年は6,100万缶前後、ブロワーなど1液を除く)。2連式染毛クリームは減速も、室内芳香消臭剤の伸び、炭酸ガス化粧品の開発ラッシュでほぼ横這い推移だが、長期的には増勢基調にある。

    ●日本ガス機器検査協会は、2013年のカセットこんろ用ボンベの検査実績が1億4,834万9,840缶、前年比2.6%増と発表した。一昨年の検査実績が東日本大震災の特需反動で2ケタ減だっただけに、昨年の検査実績が注目されていたが、「特需と反動を経て、例年のペースに戻った」というのが関係各筋の一致した見方である。

    ●日本エアゾール協会は1月20日、都内のホテルで新年賀詞交歓会を開いた。高柳雄一会長(東洋エアゾール工業社長)は協会活動として、国内では①広報・啓発②地球温暖化防止対策③廃棄処理④VOC問題などの課題解決に引き続き取り組むこと、海外ではAAF(アジア・エアゾール連盟)が加盟6カ国で設立され、一昨年東京の第1回総会、昨年タイの第2回総会に続き、今年4月にオーストラリアで第3回総会が開催されることを報告し、業界関係者に協力を訴えた。

    ●日本エアゾール容器協議会は1月29日、会員各社の生産量報告に基づき集計した結果、平成25年1―12月期の容器が5億97万缶(前年比1.2%減)、バルブが4億9,869万個(前年比5.4%減)と発表した。この数字の中には、純エアゾール製品向けのほか、カセットこんろ用ボンベ、カークーラー用サービス缶、ダストブロワ―など一液製品(ガス物商品)向けも含まれている。

    ●東洋エアゾール工業は、ドイツの化粧品メーカー、ケア・コネクション社と共同出資で、4月に合弁会社「トーヨー&ドイツ・エアゾール社」を設立すると発表した。出資比率は東洋エア51%、独ケア社49%。設立の目的は、東洋エアが開発した新2液吐出機構「デュアル」の生産拠点構築で、独ケア社の子会社ドイツ・エアゾール社に生産一貫ラインを導入、今年10月から「デュアル」の生産を開始する。

    ●ダイゾーは、中国・江蘇省にエアゾール・液体充填の新工場を建設すると発表した。3月4日に100%出資の新会社「張家港大造气霧剤有限公司」を設立、新工場は7月1日に着工、竣工は来年3月末頃で、2016年1月から操業開始を予定している。新工場の建設でダイゾーの生産拠点は、日本の東京・京都両工場、中国2工場、タイ工場の3カ国5拠点になる。

    ●アジア・エアゾール連盟(AAF)第3回総会が4月4日から、オーストラリア・シドニーで開かれた。ホスト国のオーストラリア・エア協の歴史・構成・活動内容の紹介のあと①昨年タイで開かれた第2回総会議事録の確認②継続審議となっている登記国の検討③OIML(国際計量機関)の最新情報④加盟各国のGHSの現状⑤次回開催国の決定⑥会長・副会長国の改選⑦その他(新規加入国の促進など)―の諸議題を審議した。この結果、登記国は香港に決定、会長・副会長国の改選は、会長国にオーストラリア、副会長国に日本が再任された。

    ●日本エアゾール協会(高柳雄一会長)は4月16日理事会を開き、平成25年(1―12月期)のエアゾール生産量を5億974万3,000缶(前年比0.9%減)と発表した。昨年はUVカットスプレー、炭酸ガス配合スキンケア剤の開発ラッシュが続き、新2液吐出機構「デュアル」採用の大型染毛剤、ヘアスプレーの大型新製品が登場するなど活気ある市況展開を見せたが、2連式染毛剤、シェービングフォームなどの大型量販品が日系タイ工場への生産移管・逆輸入に歯止めがかからず、国内生産量の観点からいえば、マイナス要因を埋めきれなかった。

    ●英国エアゾール協会(BAMA)は5月2日、同国2013年生産量は前年比0.1%増の14億6,650万缶になったと発表した。また、独エアゾール協会(IGF)は6月3日、2013年の同国エアゾール生産量が前年比横這いの13億4,200万缶になったと発表している。

    ●全米消費者用特殊製品協会(CSPA)は5月6日からエアゾール部会中間総会を開き、2013年の同国エアゾール生産量を37億6,756万7,496缶(前年比1.3%減)と発表した。米国生産量はリーマンショック後の一時的後退から復調、2010年から3年連続で史上最高記録を更新した。昨年は微減とはいえ史上第3位の高実績で、米国業界の底力を強く印象づけた。また、米国生産量にカナダ1億9,100万缶(前年比11.0%増)、メキシコ4億9,380万缶(前年比26.7%増)を加えた北米の総生産量は、44億5,300万缶(前年比1.8%増)となり史上最高を記録した。

    ●エアゾール産業新聞社の調査によると、2013年の完成品輸入量はこんろ用ボンベなど一液製品を含めて2.1億缶規模に達し、そのうち純エアゾール製品は前年より1,500万缶増えて1億2,800万缶にのぼると観測される。伸びの要因は室内消臭剤、シェーブ剤、染毛剤など大型量販品の日系ローダー・タイ工場への委託生産の本格化。室内消臭剤は大手銘柄の大ロット品の生産シフトで一気に3,500万缶規模に達し、男性用2連式クリームほか一部女性用の生産も開始した染毛剤も年間1,500万缶に倍増、同様にシェーブ剤も大手銘柄のシフトで3割増しの1,000万缶となり、この3分野だけで前年と比べ1,500万缶ほど増えている。ただ、その他品目における輸入量はほぼ横這いに留まり、原則しているカテゴリーも見られる。ブレーキクリーナーは1,600万缶強、塗料も1,000万缶強で横這い。喘息薬500万缶、防錆潤滑剤400万缶、ボディコロン400万缶、天然水・化粧水300万缶、タイや・レザー保護剤200万缶とほぼ前年並み推移。反面、制汗消臭剤は1,700万缶から1,400万缶に減少している。

    ●エアゾール産業新聞社の調査によるエアゾール・ローダー業界の2014年上半期受注状況は、前年同期を3―4%上回って推移したと観測される。UVカットスプレー、スキンケア商品の開発ラッシュが続き、定量噴霧濃縮処方小型商品の新規充填量が急拡大、室内消臭剤、人体用害虫忌避剤が快走している。ヘアスプレー、育毛トニック剤、男性用制汗消臭剤、殺虫剤など春の新製品が粒揃いだったことも上半期好調の要因と見られる。